第34話 王都到着
お久しぶり?です。
間話は取り敢えず置いといて4章が始まります。
何かあればドシドシ感想をください。
では、第34話どうぞ。
「だから今すぐにその子たちを解放するんだ!」
「断る。頭湧いてんのかお前?馬鹿じゃねえの?」
「湧いていないし馬鹿でもない!僕は人として正しいことをしているだけだ!」
「それは元の世界での話だ。ここは異世界だし、何よりこいつらを俺は手放すつもりはない」
「くっ、なら僕は勇者として悪人の君を倒すだけだ!」
そう言ってソイツは腰の過剰なほどキラキラした剣を俺に向けた。
「さあ、素直にその子たちを解放し……⁉︎」
「はい、ドーン‼︎」
「べらぶっ⁉︎」
ズガンッ‼︎
ソイツは俺の蹴りを顔面にくらってそのまま壁に激突し、壁を破壊して外へ落ちていった。
俺は蹴りの体勢で止めたままの姿勢をなおしてパンパンと手を払うとクルリと振り向いて俺たちを見ている彼らに声をかけた。
「あー、もう帰っていいよな?」
「「「駄目じゃ(だ)(ですわ)」」」
この国の国王と王妃と宰相が俺たちにそう言ったのだった。
時は5時間前に遡る。
俺たちは順調に道を進んで王都の城壁前まで来ていた。俺たちは王都に入るための門の列に並び、順番が来ることを待っていた。
シロとハクはレイとゼロと楽しそうに話していたし、グレイとクリアはお互いに何か思うことがあるのか小声で相談していた。下級吸血鬼であるアイン、ツヴァイ、ドライと黒夜騎士のヴィアは熱く何かを語り合っていた。
まあ、わかりやすく言えば和気藹々《わきあいあい》として平和だったのだ。………馬鹿が現れるまでは。
「何故こんなところに魔族が⁉︎」
「ん?」
俺が声がした方に振り向くと装飾過多な白銀の鎧と剣を持ったなんかキラキした黒目黒髪の日本人っぽい奴とそれぞれ魔法使い、神官、剣士、盗賊らしい女たちがいた。そしてその視線が向いているのは俺の家族であるアンデットたちだった。
「ここで倒して平和をもたらす!」
キラキラした奴はあろうことが剣を抜いて俺の家族たちに剣を向けた。そしてその仲間らしい4人もそれぞれ武器を構えている。
確かにレブナント系列から進化した下級死骸人のレイとゼロ、そして下級吸血鬼のアイン、ツヴァイ、ドライは青白く人間にはない魔族に少し似た独特の雰囲気をまとっているが、おとなしくここに並んでいるんだから敵じゃないことはわかるはずだろう。
それを見とがめた俺は口を出した。
「おい」
「君は危ないから下がってるんだ!」
「いや、話を聞けよ」
「くっ、まさか洗脳を⁉︎」
「だから話を聞けと言ってるだろうがぁぁぁぁぁ‼︎」
威圧眼、発動。神魔眼の一つであるその眼は魔力を乗せた咆哮と同格の威圧を相手に与える。至近距離でそれをまともに受けた男たちはピクリとも動かずに固まった。
「いいか?こいつらは俺の従魔たちだ。分かったら手を出すな」
「っ、がっ……」
威圧のせいで動けない男たちから視線を外し、俺たちは人が避けてしまった中を歩いて王都へと入った。文句を言われたくないので手続きはしっかりとやったことは言うまでもない。
「それじゃ、宿を取りに行くぞ」
「「おー!」」
元気に返事をするシロとハクの頭を撫でて俺は高級な宿屋がある方角へゾロゾロと従魔を連れたまま歩いていく。30分も歩くとかなり大きな宿屋に着いた。
「いらっしゃいませ!本日はご宿泊でしょうか?それともお食事でしょうか?」
「宿泊で頼む。一泊幾らだ?」
「朝食夕食付きで一泊一名様で銀貨2枚となっております」
「じゃあ四人部屋を一部屋と三人部屋を二部屋で取り敢えず一ヶ月分頼んだ」
ジャラッ
俺はアイテムボックスから金貨を60枚取り出すと目の前の受付に渡した。
少し高い宿だけあって丁寧な対応で金貨をしまうと受付は部屋の鍵を持ち、俺たちを部屋に案内した。
ちなみにグレイとクリアは従魔用の厩舎を同じく一ヶ月分借りて、追加で金貨9枚を支払った。
なお、部屋割りの内訳は
四人部屋=テツヤ、アンチ、シロ、ハク
三人部屋1=アイン、ツヴァイ、ドライ
三人部屋2=レイ、ゼロ、ヴィア
となっている。
俺たちは宿屋を出ると(黄金の鳥亭と言うらしい)冒険者ギルドに向かった。実は、アーネの新しくギルド長になったロックが気を利かせてくれて新しいギルドカードを作ってくれていた。
海龍との戦いの功績を評価せれて俺はSランク、シロとハクはAランクになった。俺がSランクになったので、新しい街や都市に行く時にはそこにある冒険者ギルドに挨拶とココにSランク冒険者が来たという報告をする必要があるらしい。
宿から20分ほどの距離にある冒険者ギルドに俺たちはあっちこっちで買い食いをしながら向かったので倍の40分ほどが、かかってしまったが無事に着いた。
俺がギルドに入ると様々な視線が飛んでくる。値踏みする者、見下す者、実力に気づいて目をそらす者など様々だ。
今はそれに構っている暇はないので一番近い受付に近づく。そこには受付が爺さんのせいなのか誰も並んでいなかった。
「ようこそ王都ロマリア冒険者ギルドへ。何用かな?」
「Sランク冒険者のテツヤだ。ここには挨拶とその報告で来た」
「ほぅ、Sランクか。かっかっかっ、そうかそうか。儂がここのギルド長のラグオス ミーナイツじゃ。よろしく頼むぞ」
「おう、よろしく。ん?ミーナイツって言ったか?」
「ああ、言ったぞ」
「じゃあルルイスって知ってるか?」
「おお、昔にとったダークエルフの養子じゃな。今はビートでギルド長をやっとると聞いてるが、そうか。お前もビートに居たのか」
「結構前にな。もうビートを出てから四半期は経つ」
「そうかそうか、また縁があったらの」
「ああ、またな」
こうして俺たちは他の冒険者の視線を背中に受けながらギルドを後にした。
俺たちはまたあっちこっちで買い食いをしながら宿に戻ると各自で部屋の中で着替えを済ませると、また宿の外に出た。
次に向かうのは王城。そう、俺たちはアーネでの活躍を名目に王に呼び出されたのだ。王城の門の前に着くと騎士に止められた。
「誰だ、通行許可がない者は通らせることが出来んぞ」
「これを」
そう言って俺は王から届いた国印が押してある手紙を渡した。それをサッと読むと騎士は門を開けた。俺たちは中に入っていく。
メンバーは俺、アンチ、シロ、ハクの四人だ。他の奴らは宿で留守番をさせた。
俺たちは騎士の案内で待合室で待たされることになった。待合室は部屋の中にメイドが2名、扉の前に2名、天井裏に隠れているのが4名いた。
俺たちは待合室のソファに座って呼ばれる時が来るのをゆっくりと待つことにした。
ああ、早く終わらせたい……。
☆☆☆☆☆人物紹介☆☆☆☆☆
シロ、ハク
共に9歳になった。白髪に白い肌、赤い目というアルビノの少年少女。自分たちを人間だと認めてくれたテツヤのことを心底尊敬し、家族だと言ってくれたことを愛している。
テツヤは反対したが2人の希望により、首には隷属の首輪が嵌っており自身が奴隷だということも忘れていない。
戦闘スタイルはエンペラーオーガの素材で作った剣と海龍の素材で作った剣を使った二刀流と無属性魔法。共にAランクに相応しい戦闘力を誇る。
名前 シロ
種族 人間
性別 男
年齢 9
職業 双剣士
レベル 94
スキル
双剣術Lv6
痛覚麻痺Lv3
俊脚Lv1
魔力操作Lv1
特殊スキル
無属性魔法
信頼共鳴
称号
忌み子
無限の可能性を秘めし者
英雄の従者
チルドレンファイター
名前 シロ
種族 人間
性別 女
年齢 9
職業 双剣士
レベル94
スキル
双剣術Lv6
痛覚麻痺Lv3
俊脚Lv1
魔力操作Lv1
特殊スキル
無属性魔法
信頼共鳴
称号
忌み子
無限の可能性を秘めし者
英雄の従者
チルドレンファイター
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