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第35話 謁見

1時間後


「王の準備が整いましたので謁見の間まで移動をお願い致します」


騎士がやってきて俺たちにそう言った。正直待ちくたびれていたのでありがたい。俺はソファから立ち上がり背筋をグッと伸ばしてから待合室を出て行った。


俺の後ろにはアンチ、シロ、ハクの順番で3人がついてきている。城内を歩く事約5分。やたら豪華な扉の前に着いた。


「それではこれから国王への謁見を始めます。くれぐれも無礼のないように……」


「それは多分無理だわ」


「え?」


俺は案内の騎士を押しのけてその扉を押し開ける。そしてズカズカと謁見の間に入って行った。普通、国王に呼ばれたものがこんな事をすれば即打ち首になってもおかしくない。


だが、俺は冒険者として超級者の一角であるSランクだ。Sランク以上の冒険者を辛辣に扱い処刑など出来る国王などいない。


何故ならSランク以上の冒険者は1人でその国の騎士団を相手どれるほどの実力者が殆どだ。それに、Sランク冒険者が国にいる事だけでもその国にとってはプラスになる。


そんな理由でこれ位の無礼は普通帳消しになる。俺は真っ直ぐ高い場所にある玉座に座っている王の前まで移動をした。更に跪かずに立ったまま声をかける。


「初めまして、だ。Sランク冒険者、テツヤ タニグチとその仲間。要望に応えて来てやったぞ」


「うむ、よく来たな。儂がロマリア国王、ラグドーン=サンライト=ロマリアだ」


「わたくしはその王妃、マーネリア=サンライト=ロマリアですわ。よろしくお願いしますねテツヤさん?」


王とその隣にいた王妃が俺に自己紹介をした。その更に隣にいるのは宰相だろうか、紹介はなかったが多分そんな感じだろう。


「それでは、ここに呼んだ要件を済ましてしまおうか。宰相」


「はっ、ここに」


そう言って宰相は台に置いてあった袋と書状を王に渡した。王は玉座に座ったまま書状を開いて読み上げる。


「冒険者テツヤ タニグチよ。貴殿はロマリア王国最大の港都市アーネを異常種(イレギュラー)の海龍(シードラゴン)の脅威から救い、また同都市の復興に尽力したことを讃え此処に謝礼として白金貨50枚と闘技大会への特殊参加権を与える」


「白金貨はありがたく貰うがその闘技大会の特殊参加権とやらは事態させてもらうぞ」


白金貨といえば金貨よりも価値の高い通貨だ。金貨を日本円でいえば1枚10万円ほどだが、白金貨は1枚で100万ほどの価値を持つ。


だが、闘技大会とやらは出るつもりなどなかった。俺は自由にブラブラとしたいのだ。


「まあ、そう言うでない。これには理由が………」


バアンッ‼︎


「王よ!勇者コウキただいま帰還しました!」


「ん?」


「え?」


王と俺が会話している時に謁見の間に乱入して自身のことを勇者と言ったのは門で俺の従魔(かぞく)に剣を向けた男とその仲間たちだった。


俺たちの視線が交差し、そして固まる。お互いが何を言って良いのか分からない。そんな雰囲気をブチ破ったのは


「ん?2人とも知り合いなのか?」


そう言った王の言葉だった。












「ふむ、そんな事があったのか。テツヤ殿、すまんの」


「いや、もう終わった事だからいい」


「では改めて紹介しようか。我が国が女神の導きに従って召喚した勇者、コウキ ハカマタじゃ」


「初めまして、ではないよね?僕がこの国で勇者をしているコウキだ。門での事は済まなかった」


「ああ、もう済んだ事だから気にしなくてもいい。俺はSランク冒険者のテツヤだ」


「……聞いてもいいかい?」


「なんだ?」


勇者コウキは俺の事を真剣な目で見て俺に問いを発した。


「君は……日本人かい?」


「そうだ」


「!?、やっぱりか。君はどうしてこの世界に?」


「デュオルに間違いで殺されて、その謝罪としてここに転移させて貰った」


「デュオル?それは一体…」


「デュオル様だと⁉︎テツヤ殿、それは本当か⁉︎」


「本当だが、どうした?」


「そのデュオル様は世界神じゃ。それを分かっておるか?」


「知っているぞ。加護も貰っているしな。今でもたまに夢の中で会いに来るぞ、お茶と菓子を持って」


「お茶と菓子!?」


「ああ。ん?どうしたんだお前」


俺はコウキの様子がおかしい事に気がついた。コウキは俯いて震えている。俺は一体どうしたのだろうと考えて声をかけたのだが、コウキから発せられた言葉は俺の予想の遥か彼方を外れていた。


「君は……日本人なのにそんな小さな子供を奴隷として連れているのか⁉︎」


「は?」


こうして前話の冒頭へと話は戻るのである。












「本当にすまんのう」


「まったくだ。というかあのステータス差でよく俺に挑んできたな」


「はっはっは、…………本当にすまんのう」


「ま、これで懲りただろ」


俺のステータスを王たちに見せたら驚いて暫くフリーズしていた。それだけ俺のステータスが高いという事だろう。ちなみにだが勇者のステータスはこんな感じだった。



名前 コウキ ハカマタ(袴田 光輝)

種族 人間

性別 男

年齢 18

職業 勇者

レベル 34


スキル

剣術Lv4

光魔法Lv5

火魔法Lv3

水魔法Lv3

風魔法Lv3

土魔法Lv3

鑑定Lv2



特殊スキル

聖剣召喚《サモン・ホーリーブレイド》



称号

愛の女神アトハの加護

ロマリア王国 勇者





これでもかなり強いらしい。冒険者としても現在Bランクで王都のギルドでは強者なんだとか。


にしてもこんなにスキルレベルが低いのに、と俺は思うが実際はそんな事はない。むしろ俺が異常なのだ。本来スキルというものは1人にそんなに数はない。


それにレベルが低くても剣術Lv1がある初心者の冒険者と剣術Lv1がない中堅の冒険者が剣を持って戦えば剣術Lv1を持った冒険者が勝つほどの意味を持つ。


まあ、つまりスキルとは才能の事だ。才能がある奴は強いし、ない奴は弱い。スキルレベルとしてはスキルを持っている中でどれくらい、という分け方になっている。大体の目安としては


Lv1=見習い

Lv2=初心者

Lv3=初心者卒業

Lv4=中級者

Lv5=中級者上位

Lv6=上級者

Lv7=超級者

Lv8=伝説の達人

Lv9=災害

Lv10=神


という感じになっている。大体Cランクがレベル4、Bランクがレベル5、Aランクがレベル6、Sランクがレベル7くらいだ。スキルはレベル6から7が壁となる。レベル7ならSランクだと言ってもいいだろう。


そこから上は人外とか言われるレベルに、なってくる。つまり、俺の刀術は災害レベルとなる。


ついでに言うと、Sランクはスキル一つ以上がレベル7以上、それと竜種の討伐が昇格条件となる。俺は竜種ではなくその上位の龍種を倒したのでこの条件をクリアした。


「まあいいか。そろそろ帰ってもいいか?」


「いや、もう少し待ってくれ。そろそろ今この国で雇っているSランク冒険者がくる」


「へえ、俺以外にもSランクがいるのか」


「その1人だけだがな。あやつも他のSランクに会えると聞いて喜んでいたものよ」


そうこうしていると何処からか聞いた事のある野太い声が聞こえてきた。


「よう王様、呼ばれてきたぜ!」


「よく来てくれたな。テツヤよ、こやつがこの国のSランク冒険者、レウス ロベルトだ」


「俺の名前はレウスってんだ。同じSランクどうし、よろしく…な、?」


「え?レウス!?」


「は?テツヤか!?」


「久しぶりだなおい!」


「テツヤこそ久しぶりだな!てかSランクってお前かよ!」


そう、そこにいたのはビートの街で別れた。元 Aランク冒険者、大剣使いのレウス ロベルトだった。


アンチ

テツヤが造った自動人形(オートマタ)とホムンクルスの中間的存在。色々なところで手に入れた素材を使って強化したため、言葉を流暢に喋れるようになったり、感情が出来たなどの事以外にも戦闘力が大幅にあがったなどの変化点がある。

容姿はクリーム色の長髪と黄色い吊り目が特徴的なスレンダーの女性。

自身の創造主(クリエイター)であり、主人(マスター)であるテツヤを敬愛しており同時に忠誠を誓っている。



名前 アンチ〔略称〕

種族 自動人形(オートマタ)/ホムンクルス

性別 女?

年齢 3ヶ月

職業 機械術師(マシナリーマジシャン)

レベル100〔固定〕


スキル

大鎚術Lv6

火魔法Lv5

水魔法Lv5

風魔法Lv5

土魔法Lv5

氷魔法Lv5

雷魔法Lv5

光魔法Lv5

闇魔法Lv5



特殊スキル

反魔結界Lv6

反物結界Lv3



称号

造られた者

忠誠を誓いし者

魔導者

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