第84話 無効の咆哮との相性
主人公は、今後の製造の為に木工スキによりコンテナを作成し、戦利品の整理をし易くしました。
それを終えた後、先程のハイネイルベアの戦闘時に気になった事を補佐さんに確認するようです。
「補佐さん。
さっきのハイネイルベアの戦闘の時に、仮初でない物質である石槍を創れって指示は何だったの?」
【魔咆哮によるスキルの無効化。
無効の咆哮と呼ばれるあの技能は、スキルを無効化する力なのですが、当然何もかも無効化出来る力ではありません】
「まあ、無効化されるスキルとの力比べとかありそうだもんね」
【はい。しかも、あのように広がるタイプの力なので、距離を取れば無効化され難くなりますし、聖魔障壁の様に発生させ続ける力や剣技や身体強化の様に内にはたらく力に対しては、無効に出来ない事が多いと言う欠点もあります】
「まあ、それでも自分より圧倒的に弱い相手とかなら効果がある、とかなんだろうね」
【はい。逆に、撃ち出した後は維持程度になる矢系や槍系魔法の様な長距離攻撃だと無効の咆哮の方が強く、ほぼ無効化されると思った方が良いでしょう」
「そんな感じだったか」
【はい。そして無効の咆哮は、スキルによって造られた仮初の物質には強く作用します】
「えっ。そうなの?
と言うか、そうだったか」
【はい。なので、仮初でない現実に存在し続けるタイプの石槍を創造し高速でぶつけると、それを無効化しきれない事が多くなります。
勿論、消費MPはうなぎのぼりで増えますし、狙った場所に高速飛行させ続ける部分が無効化され空気抵抗により石槍の勢いが落ちたり引力や風等によって狙いがズレルと言った事はありますが】
「あ~。そうなるんだ」
【はい。後は、魔力で現実の石槍を創るのではなく、自然にある土や岩を使い石槍に加工して撃ち込むと言う攻撃も可能なのですが。
そちらの方は消費MPはそれ程増えないのですが、石槍の作成までに時間が掛かる様になる為に、動きの速いハイネイルベア戦という事もあり今回はお知らせしませんでした】
「なるほどね。
あれ。
となると、生活魔法で造った仮初の簡易トイレとか簡易住居とか簡易豪邸って、無効の咆哮と相性悪いんじゃない」
【はい。そうなります。なので、ご注意を」
「……、消費MPを増やし、現実の物質に近づければ、魔咆哮にも耐えられるけど、消費MPが、か」
【はい】
「という事は、さっき造った風の龍や水の龍を仮初でない物質で創って、と指示しておけば、もっと簡単に倒せたのか」
【いえ。風の龍の方は、そもそも空気を創っている訳では無く、魔力によって付与された破壊の効果が無効化される為、仮初でない物質で風の龍を創れと指示しても変化はほぼ無いと言えます。
勿論、小石や瓦礫を巻き込んでいる場合は、それは無効の咆哮で消滅したりはありませんが。
また、水の龍の方は、仮初でない物質であの量の水を創ると、消費MPが膨大になるので、あの倒し方で正解かと】
「火魔法はどうなの?」
【火魔法により作成された火は仮初のモノでなくせと指示しても、風や温度や酸素不足で飛散してしまう弱いモノなので、その部分の補助・強化の部分を無効の咆哮で無効化される為に、あまり意味は無いでしょう】
「はぁ」とため息を付いている間に、また周りに弱い魔物しかいない場所へ到着。
今日は、後2回。
そう思いつつ、風槍を16発発動。
転職と念じて、3級職最後の精霊使いに転職。
直後に風槍を放ち最低限のレベル上げ。
これで後1回の転職で、今日の目標・ノルマは終われるか。
戦利品を回収しながら、ステータスウィンドウを確認するとLV5だった。
行けそうか。
そう頑張る事にした。
主人公は3級職最後の職業、精霊使いに転職した様です。




