第4話 素質と才能
主人公は、16歳の誕生日の前日に就寝した処、何かを見せられている様です。
職業に就けるように努力をした後、家で就寝すると、やたらリアルな夢みたいなのが始まった。
そこでは御子神みたいなのに、「異世界転生するよね」と聞かれたが、嫌なのでハッキリと断ったんだけど。
「ああ。やっぱり、駄目か」と、御子神は落ち込んでいる感じ。
意味が分からないので「何が、ですか?」と聞いてみると。
「永遠と修羅への道ってゲームの噂は知っている?」
「ええ。突然プレイしいた人が居なくなるって奴ですよね。
何故世界レベルで人気があるのか分からない、って話もありますけど」
「人がいなくなる方の話なんだけど。
あれは、君が居た世界に絶望し、ゲームの中で生きたいと思う人を、ゲームの元になった世界へと転生させた結果なんだ」
「……。俺、絶望はしていますけど、転生なんてしたいとは思っていませんけど」
「そうなんだ。
世界の理に誘導されてあのゲームをしたくなるのは、絶望の感情がある程度ある人だけだから、あのゲームを数十回もクリアした君が絶望を持っていると言うのは分かっているんだけど、転生の方がね……。
でも、君だって生まれ変わりたいって気持ちが、少しはあるでしょ」
「いえ。俺の希望は、さっさと消え去りたいですけど」
「だから今まで転生対象として引っかからなかったんだろうけど。
でも、ずっとやっているゲームに似た世界だよ。
しかも、君はその世界で必要とされている存在になる。
と言う事で、転生してくれない?」
そう子供っぽく甘えてくる感じだけど。
「普通に嫌ですけど」と、またハッキリと言っておく。
「何で?」
「あんなのゲームだから、娯楽の一つとしてやっていただけですよ。
自分の命を懸けて他の命を奪いたいとも思いませんし、あれが現実だとしたら魔物や魔族や人と戦うのは怖いですし、あの世界は政情不安定だし、人族は滅びそうだし、支配階級や強い人には嫌な人が多かったでしょ」
「……。はあ」
「ため息つきたいのは、僕の方ですけど」と、ずっと本心を言っているのだけど、この神らしき存在は自分の事だけで俺の心情は伝わっていない感じだ。
どうしたものか、と思っていると。
「どうしても駄目?」と、当たり前のことを聞いて来る。
だけど「何か、チートスキルでももらえるのですか?」と聞いてしまった。
しまった、と思っていると「いや。もう十分優遇されていたでしょ」との返事。
「え?」と、俺が驚くと。
「まあ、君らにとっては当たり前だったからね」
「何が、ですか?」
「欲しい技能とか魔術とか魔法、つまりスキル(力)について、ゲームプレイヤーのキャラは、全て身に付けられた上に才能高い、だったでしょ」
「はい。ゲームですからね」
「でも、あの世界の人は、そんなにスキルとか持っていなかった上に、才能普通以下が殆どだったでしょ」
「仲間にするNPCは選ばないと、才能普通なら未だ良くて、才能低いどころかスキルが取得できない才能無しのスキルが多かったですからね。
そう言えば、才能で選んだNPCすら、ゲーム終盤になっても才能普通や低いではスキルの成長が不十分で強力な力が身に付かない、と言った事にもなっていましたし。
だから、NPCはプレイヤーキャラと違い才能が高いスキルの力ばかり使う偏った戦い方の人が多いんでしたね。
まあ、それが味と言うか、それも考慮して仲間にしていたんですけど」
「そう。普通の人は、多くの力が身に付かないんだよ」
「……、職業の方もそうだったか」
「そう。プレイヤーキャラクターは、勇者職を含め全ての職業に就けたけど、NPCは違ったでしょ。
あの世界に生きる人達はゲーム内のNPCの様に全ての職業に就けないし、スキルだって才能普通以下が普通なんだよ」
「NPCの場合、仲間にして戦い続けていると、才能が開花して、突然それまで就けなかった職業に就ける様になったとかありましたけどね。
と言うか、ゲームを再スタートした場合、仲間にする度に就ける職業が違う事すらあったか。
まあ、貴重って設定の消費マジックアイテムである昇華の神酒を与えると、新しく就ける職業が解放されるから、最終的には就ける職業はキャラ毎に同じになっていましたけど」
「そうそう」何かを期待している様に相槌を打って来る神らしき存在。
何を期待しているんだか、と思いつつも気が付いた事を一通り言っておく
「後は、昇華の神酒でスキルの才能を1ランクだけ上げて、NPCの使うスキルの強化とかもしたか。
確か、細かいあのゲームの設定だと、素質は生まれついて持っているモノで、それを開花させるには才能が必要。
素質は昇華の神酒ですら変化させられないけど、才能は少しなら改善できるから、素質はあっても才能が低い・普通のスキルについて、昇華の神酒で才能を一段階だけ開花させられる。
才能無しのスキルも、その職業に就けるという事は、素質が全くないという事では無いので、昇華の神酒で才能低いに出来る、でしたっけ?」
「そうだよ」
「職業も素質は持っているけど才能がない職業の場合、努力とか普段の生活や昇華の神酒により才能が開花しその職業に就けるようになるって説明だったか。
だから、勇者職の素質を持って生まれていないNPCは、どうやっても勇者には就けない、とかで5級職に素質を持つNPCばかり仲間にしていたんだったか」
「そう。それは、あの世界もそう言う仕組み、世界の理になっているんだよ。
そこからすると、プレイヤーキャラと同じ素質・才能で転生できるんだから、十分優遇されているって分かるでしょ。
だから、あの世界へ行ってくれるよね」
「嫌です、と言いましたよね」
「あれだけ優遇されていても、ダメなんだ」
「ダメですね」
そう強めに断言したけど。
主人公は転生なんてしたくない様です。
<補足>
素質は生まれ持っている力。
才能は、素質を開花させる力で、スキルの場合、高い、普通、低い、無しの4種が。
職業の場合は、ある(就ける)、無し(就けない)の2種がある様です。
そして、素質は変化させられませんが、才能は昇華の神酒と言う高価な消費マジックアイテムで変化させられる様です。




