第39話 旅立ち
主人公は、借りていた土地の賃貸借契約を終える為に村長に挨拶に行きました。
村長には、職業を得たのなら村で働けと言われたようですが、その選択はせず村を出るようです。
村長へのあいさつを終えて、行くのは両親の友人であり、農業を手伝ってくれていた人の家。
3軒なので、それぞれに挨拶に行く。
それで、両親の遺産から、30万GAZUずつ渡す。
お礼の言葉と共に。
本当なら、もっと渡したいんだけど。
ゲームと同じなら、ゲームを開始してからそれ程時間が経過していないのに、仲間にするのに200万GAZU必要な人とかも居たからな。
申し訳ないが、逆に恐縮されてしまう。
後は、『畑の土地は、今年は借りたままなので、3家族で好きなように収穫してください』ともお願いしたか。
これで、この村での最低限すべき事は終えただろう。
そう思いつつ、村から出る門に向かう。
西と東にある門の内、東へと。
ゲームだと、そちら方面で王都に向かい、仲間を勧誘する事が多かったから。
次は成功したいな。
でも、何か不安と言うか、怖いって感じがあるんだけど。
まあ、人との付き合いって厄介だったり面倒だったりするからかな。
そう思いつつ、門に到着したんだけど。
また、ブルーノさんが居る。
そして「また狩りか。何か酒場での評判悪いぞ、お前」とか言ってくる。
「そうなんですか。
まあ、もうこの村に戻って来なければ良いだけですけどね」
ブルーノさんは、この発言と複数のバックとかを担いでいる俺を見て、俺が村を出ると言うのが分かった様だ。
なので「はあ。もう村から出るのか。急ぎ過ぎだろう」と言ってくる。
「かもしれませんけどね。
帰ってこなかった両親を越えられるかどうかの確認は、今後の人生をどうするのか決めるのに必要ですからね」
そう当たり障りのない本当の事を言っておく。
俺を見下していなかった人を不愉快にするのも、あれだからね。
「4級職だったのにな。
お前は、5級職を目指すのか?」
「目指すと言うか、就けるかどうかですよ」
「だが、お前は努力で職業の才能を開花させただろう。
俺も諦めずにもっと努力すれば良かったと思ったよ。
お前を見ていて」
そうブルーノさんは、思ってもいなかった事を言っている。
俺を気にかけてくれていたとは。
しかし、その意見に賛同するのは失礼になるかも、と一般的に言われていると言うか教科書に載っている事を言っておく。
「才能を努力で開花させるなんて、命がけの戦いを続けるとか報われるかどうか分からない長期間の修業とかが必要で、それでも開花しない事の方が多いんでしょ。
なのに、それに人生を掛けるなんて、失敗したら死ぬか膨大な無駄な時間を作るだけですよ」
そう言うとブルーノさんは「そうだけどな……」と何故か不服そうだ。
まあ、職業の才能が一つ開花するだけで、全然違ってくる事はあるだろうからな。
と言うか、就きたかった職業があるのかもしれない。
そう思いつつも、俺の思いも言っておく。
「俺は無能者だったから、後がなかった。
だから、必死にやって何とかなった。
だけど、俺以外の人は違うでしょ。
職業の才能の開花については、努力したって報われない事の方が多いって教科書に書いてあるくらいなんですよ」
そう改めて言うと「そう断言できるなら良いんだけどな」とブルーノさんは俺の意見に苦笑しながら言ってくる。
職業を得た事から、もっと自慢げに上から『頑張れ』とか言うと思っていたのかもしれない。
「まあ、何にしても、おさらばですよ。
無能者だった過去から」
「だからと言って、戻って来ないなんて、寂しい事言うなよ」と、本当に少し寂しいって感じで言われると、思う処はあるが。
「どうですかね。散々無能者って見下しておいて、それを忘れて態度が悪いとか言っている奴等が居る村ですからね」と俺の心情も言っておく。
「それは、そうなのかもしれんがな。
まあいい。
お前に、良き未来が開かれん事を祈っておくよ」
「本当に、そうなると良いんですけどね。
ブルーノさんもご壮健で」
そう言って、2匹を連れて東へと向かう街道を進むことにした。
主人公は、無難に旅立てたのでしょうか。




