第36話 長い一日の終りの前に
主人公は、従魔の登録を冒険者ギルドの出張所で行い、パーティへの勧誘を断りました。
これから、明日の出立の準備なのでしょう。
冒険者ギルドの出張所から出て、食料品店へと向かう。
まあ、小さい村だから色々なモノを売っているんだけどね。
そこで、俺とポポとチモ用の食料を買う。
旅立つのに必要なモノも。
代表的なのは、格納箱スキル用のコンテナかな。
チモの格納箱はLV2だから、一辺が4メートルの立方体までスキルによって創られた異空間に格納できる。
当然、手ぶらで持ち運べることになるし、重さも感じない。
まあ、亜空間収納と同様に、簡易的に造られた異空間に入れても状態が致命的に変わらないモノしか入れられないから、生物とか入れられないし、時間により劣化とかするけど。
それでも、持っているか持っていないかで全然違って来るスキルだ。
なお、格納できる数はLV2だと20個まで。
なので、倉庫に置いてあった一辺が3メートル90センチ程度の木製のコンテナを1つ買った。
コンテナと言うか、人が入れる二階建ての倉庫。
二階は天井が低いけど、まあ、しょうがない。
木工スキル持ちが造ったという事もあり、高いけどね。
1万GAZUもした。
今日の稼ぎが吹っ飛んだよ。
それでも、前世のプレハブに比べると安いのか、何なのか。
まあ、チモの格納箱を有効に使う為にはしょうがない。
なんせ、小石を格納箱に入れても1個は1個。
そして20個までしか入らないんだから。
幸い、紐で縛っても、袋にイッパイ入れても、箱にイッパイ入れても1個になるから、ファングウルフの皮とかは縛ってあったんだけど、家のモノとなるとね。
という事で、デカい袋も買った。
こっちも、裁縫スキル持ちが造ったとかで、縦横が1メートルのモノと2メートルのモノを買ったんだけど。
何の飾りも無い、麻の袋みたいなのでも500GAZUと2500GAZUだ。
まあ、しょうがない。
2つずつ買って、6000GAZU。
後は、ポポの食事用の穀物。
チモの食事用の日持ちする干しブドウの様なドライフルーツやクルミやヒマワリの種の様な食べる系の種。
それ以外にも、様々な植物の種も買ったか。
野菜だけでなく、木や花の種も。
これは、チモの餌と言うだけでなく、チモが持つ植物魔法で育てる事も前提としたラインナップ。
例えば、リンゴやミカンや柿やブドウの種とか、スギやヒノキの種とか。
植物魔法持ちは稀にいるし、農業スキルでも植物魔法ほどではないにしろ種から促成栽培とか出来るから、種のラインナップはこんな村でも色々と揃えてあるんだよね。
なので、穀物、ドライフルーツ、食べる系の種だけでなく、穀物の種、野菜の種、果樹の種、材木となる木の種、草花の種なんかをそれぞれ5000GAZUずつ買って赤字だな。
まあ、しょうがない。
俺の非常食でもあるし、チモを成長させればあっという間の食料生産が出来るし、材木とかも短時間で育てられるから。
材木となる木が一気に育てられたら、次からは木工スキルでコンテナは自作できるからね。
しかし、野菜とか果物とか前世と名前が同じなんだな。
微妙に形とかサイズとか色が違うんだけどね。
農業スキルには無いんだけど、植物魔法には品種改良魔法とかがあったし、それが使われているのだとしたら、違うのは当然なのかもしれないが。
名前が同じなのがね。
まあ、脳内かスキルか何かで、名称が変換されている可能性もあるけど。
と、食料品店を出て、家に向かった。
買い物を終えて家に帰って来た。
チモの格納箱から家の中に入らないコンテナを出し、ポポとチモを家の中に入れて、とにかく荷物の移動を始める。
暗くなる前に終わらせたかったんだけど、格納箱スキルより便利な時空間魔法スキルを使わないと駄目みたい。
だけど、監視の目が心配ではあるんだよな。
なので、時空間魔法は使わずにモノを纏め移動させ、暗くなりそうになった処で中断。
チモにコンテナを格納して貰って、トイレに行く。
転生時に生活魔法をLV6で貰っているから、狩りの途中は、感知されにくい場所で簡易トイレ作成と言う魔法により造った仮初のトイレでして、簡易トイレ消去で排泄物と一緒に消滅させていたんだけど、自分の家にトイレがあるからな。
前世と違って上水道は一部の家にあっても各家まで来ていないんだけど、下水道はちゃんと各家に繋がっているんだよな。
まあ、この異世界にも疫病とかあるらしいし、それに絡めた呪いとかが強力なるといった事もあるらしいからね。
ちなみに、トイレは洋式だ。
便座は、木製だったり陶器だったり。
うちは便座が木製で、自分で置いたり外したりするタイプ。
便器が金属か。
便器の向こうに水を入れるタンクがあり、それに自分で水を入れておけば、水洗となる。
まあ、面倒なら流さずにいるパターンもあるらしいが、匂いが家に籠るんだよね。
換気を考えて造られていれば別だけど。
俺は、割と流すタイプだったか。
母が水作成魔法で、マメに水を補充してくれていた名残で。
そう思いつつ、水で流した後、生活魔法の水作成でタンクに水を入れて流す。
そっか。
もう、そんな力も手に入れていた、とトイレを含め家の中へと生活魔法LV2で取得できる家洗浄を掛ける。
建物とかを洗浄する魔法だから、エアークリーン機能まで付いていて便利だね。
という事で、ポポとチモに家のトイレの使い方の指導を魔物使い学スキルにお願いしておく。
で、次は晩御飯だ。
昨日まで着火の魔道具を使っていたけど、と思いつつ、火魔法の着火で薪や炭に火を入れて、魔物肉と野菜のスープを作り、ポポとチモの望むモノを食べさせてあげる。
ポポは、皿に入れられた大麦をつついている。
チモは、皿に盛られたクルミやヒマワリの種と思われる木の実を食べ、ホホを大きく膨らませている。
……。
偏食にならないのかな。
そう思っていると、魔物使い学曰く。
【魔力さえあれば生命は維持される上に、森とか平原で草とか落ちている種とか魔物でない虫とかも食べているから大丈夫です。
だた、今後は病気や寄生虫とかの事を考え、虫とかを食べるのは禁止しますが】
だそうだ。
そんな確認をしつつ、生活魔法のライトにより明かりをとりつつ、今日は食料品店で買って来たパンと自作のスープを食べる。
ふう。
美味しくないな。
料理スキルが早く欲しい。
だけど、面倒だからと大量に造った。
亜空間収納魔法を得た上、亜空間収納内の物の時間を止められる様になり、そう言う設定にしてあるから、亜空間収納に入れた食事は腐る様な事もない上に温かいまま取り出せるようになったから。
なので、明日からはしばらく造らなくて良い様に、纏めて造ったんだよね。
ふと、察知スキルが家の中を探る感知の魔力を感知する。
直ぐに消えたし、悪意は無さそうだったけど。
職業を得た事に対する嫉妬から、夜中に襲われたりするのかな。
軽く嫌味も事も言ったし。
まあ、ティモンは真面目そうだから、それは無いとは思うが、他の連中はどうかな。
寝ている間の警戒の仕方を補佐さんや睡眠・感知・感覚強化スキル等に教わりつつ、食事をしつつ、荷物の整理をする。
明日は、移動したいからな。
それを終えた処で、寝る準備を始める。
そして、家の中の自分の位置を決めたポポとチモに「おやすみ」と声を掛ける。
「ポー、ポッポー」(おやすみなさい、って言うの?)
「キューキュー」(人って寝る前に、そう言う挨拶をするんだ)
との意思を魔物使い学が伝えてきたが、「人によるし、言わない日もあるよ」と更に教えてから、生活魔法のライトを消して、寝る事にした。
しかし、その前に。
主人公は、成人を迎えた日を、何とか無事に終えつつあります。
自分への誕生日プレゼントは、従魔だったのかな。




