第32話 裏技と宝箱
主人公は、従魔を得る為の裏技を試してみるようです。
特異種のキラーピジョンとビッグチップマンク。
鳩とシマリスの魔物の内、特異な力を得て強くなっている個体なんだけど。
今までは一匹も倒していなかった。
スライムみたいに、こちらから攻撃しないと襲い掛かって来ないノンアクティブモンスターどころか、逃げるんだよね。
臆病みたいでさ。
だけど、何度か目にしては居たから、感知スキルに命じればこの二種の気配を重点的に感知し、特別な気配を持つ対象を知らせる様に指示したり、3Dマップに色分けして表示したりができる。
なので、取り敢えずキラーピジョンとビッグチップモンクを色分けして表示してみたんだけど、結構いるな。
この中で、ちょっと変わった、でも強い気配を持っているのが特異種か。
それを分かる様に表示して、と言うと感知している気配が目立つようになりマップ上の魔物を示すオレンジ色点の周りに黄緑色の円が付いた。
まあまあ、居るか。
弱すぎて生存競争に負け易く、自然と特異種の様な強い個体の割合が多くなる様にでもなっているのか?
そんな疑問を持ちつつ、先ずは仮装スキルの埋没を使い、周りから俺自身が認識できないようにする。
これで、俺は他の存在から認識されない・意識されなくなるはず。
その埋没が解除されない様にゆっくりとキラーピジョンに向かう。
地上に居て地面を突いている。
そいつが逃げる前にと、使える様になった火の壁魔法を使い、俺の傍を通らないと逃げられない形に造る。
飛び上がりつつも狼狽えているキラーピジョンに埋没が解除されるスピードで切り付け、その直前で剣を留める。
追い詰められ「ウー」と言いつつ風魔法の魔法陣を発動させたので、剣を振り切り首をはねる。
鳩は、前世だと平和の象徴とかあったけどな。
あれ。
キジバトとドバトのどっちだったかな。
まあいいや。
そんな事を考えつつ、着火魔法を使う。
「魔力よ、火を灯したまえ」と言いつつ、消火と念じて。
森で火魔法を使うとね。
しかも、それなりの範囲に火の壁を発生させたから、下草とかが燃えているし。
幸い、着火魔法は火をつけるだけでなく、消す方の力も内包してくれているので、それで確実に消化。
まあ、水作成とかで水を掛けるのでも良いけど、火種が残る事を考えると、こちらの方が良いだろう。
しかし、少し木が燃えたのは怒られるかもな。
まあ、どうしようもないか。
植物魔法とかあれば、成長促進魔法で焼けた処を修復させられそうなんだけど。
そんな事を考えつつ、次はビッグチップマンク。
大きなシマリスの魔物だ。
まあ、前世の1.5倍から2倍の大きさかな。
確か、リスが木の上で生活するのに対し、シマリスは地上で生活するんだったかな。
そんな事を思い出しつつ、逃げられない様に埋没により隠れた状態で接近。
やっぱり基本地上に居るんだ、と確認しつつ埋没を解き、逃げ出した方向に火の壁を作り、追い込んでから切りつける。
で、今回も直前で剣を止めるんだけど。
「グルー」と鳴きつつ剣を避けながら飛び掛かって来たので、これも回避しつつ首をはねる。
はあ。
魔物討伐だから、動物虐待ではないんだけどさ。
何となく、可愛い外見のを殺すのは、嫌か。
まあ、凶悪な表情になり襲い掛かってくるから、罪悪感はそれ程でもないんだけど。
でも、これも俺が生き残る為に必要な事だからな。
そんな風に考えつつ、特異種のキラーピジョンとビッグチップマンクが従魔にならないかなと思いつつ繰り返し倒していると、宝箱が。
確かダンジョン以外だと200匹に1個程度発生だったか。
まあ、OFFにしなかった幸運スキルにより、その確率は上がっているはずだけど、まだLV1だし微々たるものか。
斥候職で身に付けた罠解除スキルを使い罠が無い事を確認し開けると、入っているのは銅貨が11枚と銀貨が18枚か。
191GAZU。
まあ、Fランクの魔物を倒して出た宝箱だから。
高ランクの魔物を大量に倒せるようになってから、宝箱の中身には期待だ。
と言うか、ゲームでは強くなったらG~Dランクの魔物なんて無視するどころか、戦闘になっても逃げるのは、これが理由だったか。
だって、Bランクの魔物を199匹倒していたのに、片手間の攻撃でGランクを1匹倒したら、宝箱が発生したとか、結構精神衛生的にきついんだよね。
まあ、極端な例だけどね。
多分、幸運スキルを持っているから、その影響でそうはならない気もしているけど。
ちなみに、Gランクの魔物を倒した時に発生する宝箱からは、銅貨、銀貨が数枚ずつ。
つまり、数十GAZUくらいだ。
Fランクだと銅貨、銀貨が十数枚ずつ。
百数十GAZUくらいかな。
Eランクだと銀貨、ミスリル貨が十数枚ずつ。
千数百数十GAZUか。
Dランクだとミスリル貨、大ミスリル貨が十数枚ずつ。
一万数千数百GAZUくらいか。
後は、Dランクの宝箱からミスリルのインゴットと言った金属の塊が最大20個入り始めるか。
これが、Cランクになると大ミスリル貨、ヒヒイロカネ貨が十数枚ずつ。
十数万数千GAZUくらい。
そして、ここから蘇生の為の消費マジックアイテムの蘇生の雫、肉体の年齢が1歳若返る若返りの雫が、入っていないか1個入る事もある。
まあ、極まれにDランク以下の宝箱からもマジックアイテムが手に入る事はあるんだけど、本当に稀な事らしい。
Cランクの宝箱だと、入っているミスリルのインゴットはグレード1になるんだったかな。
Bランクの宝箱だと、ヒヒイロカネ貨、オリハルコン貨が十数枚ずつ。
雫系の消費マジックアイテムは0~2個。
ミスリルのインゴットのグレード2が最大20個か、ヒヒイロカネかアダマンタイトのインゴットのグレード0か1が最大20個入るんだったか。
だから、BランクやCランクの魔物をメインで狩っていたのに、邪魔なGやFランクの魔物を倒した時に宝箱が発生すると、頭に来たんだけど。
そんなゲームでの事を思い出しつつ、従魔を得る挑戦を続ける。
何時までやるんだろう。
他の事をした方が良いのかな、と思いつつ7匹目の特異種のキラーピジョンに剣を突きつける。
前世の表現に、鳩が豆鉄砲を食らった様な顔と言うのがあった。
まさにそんな感じだ。
で。
表示されるメッセージ。
「特異種のキラーピジョンを従魔にしますか? はい/いいえ」
幸運スキルのおかげで、かなり早かった気がする。
そう思いつつ、『はい』を選択した。
主人公は、始めての宝箱の入手と従魔の入手が出来た様です。




