第29話 加護と恩寵で出来る事
主人公は、ゲームには無かった加護と恩寵について教わっています。
加護や恩寵と言ったゲームには無かった世界の理。
その加護や恩寵の力の一つが、その加護の完全下位となるスキルを付与出来る力だそうだ。
『そんなのゲームには無かったけど』
そう聞くと、補佐さんが教えて来る。
【ゲームだと、クエストをクリアするとスキルを付与してくれるNPCが、加護や恩寵持ちだと思われます】
「……、そうだったんだ」
そう驚きを口にしつつ納得していると、更に補佐さんが追加の理を言ってくる。
【はい。それで、加護の場合は、加護の完全下位のノーマルスキルをLV1で付与又はスキルレベルを1上げられます。
ただし、一度使うと1年のクールタイム(力を蓄える時間)が必要となります】
え~と。
1年が12か月か。
前世と違って、全ての月が30日で1年は360日だけど。
そう言えば、メートルとかキロとか、キログラムとか24時間とか1分とかって単位は、前世と同じなのか。
まあ、俺に気が付かない様に変換されている可能性もあるけど。
ああ。
1週間と言う単位や曜日は無いな。
いや。
今はそんな事は良いか。
『で、補佐さんのガイダンスでも完全下位の力とか聞いた覚えはあるんだけど、それってどういう事』
【具体例を入れると、魔法の加護だと、各種ノーマルランクの魔法をLV1で付与出来ます。しかし、魔術系のスキルの方は付与出来ません】
『魔法と魔術の違いって何だっけ?』
【魔法は、その人が貯えている魔力であるMPや周りの魔素を使用し、スキルが適当な場所に魔法陣と言う変換器を一時的に作りそこから様々な現象や効果を発生させます。
ですが、それを膨大なMPを使い長時間発生させ続ける事は可能でも、永続的に発生し続ける事は難しい事です。
それに対し、魔術はスキルがMPをインク代わりに空間や物にそれを刻むと効果を発する魔術刻印を刻み込み、その魔術刻印が魔素やMPを使い、様々な効果を発生させると言う処までは似ているのですが。
魔術刻印の維持に優先的に魔素やMPが使われ長期間又は永続的効果を発し続ける前提と言う違いがあります】
『魔力がエネルギーなのは同じ、効果を発生させるのに魔法陣や魔術刻印と言うモノを介する点が似ているけど、長時間又は永続的に効果を発し続ける前提の魔術と、そうでない魔法と言う違いなんだ』
【魔術の中にも長時間効果を出し続けられないモノもありますし、魔法の中にも消費MPが少ない又は消費MPの調整が可能で長時間使い続けられる魔法もありますので、一つ一つの魔法や魔術を細かく見て行くと、区分は難しいとも言われていますが】
『なるほどね』
【また、魔法スキルは一瞬で魔法陣を作成しますが、魔術刻印は一瞬から数十日かけて創られると言う違いもあります】
『そうなんだ。それの違いって、どうなの?』
【どちらも、魔力を使った攻撃により破壊されてしまいますが、魔法陣は破壊されても問題ありません。
瞬時に再生されるので。
しかし、魔術刻印は破壊されてしまい、再度作成し直すと言う手間に時間が掛かります】
『なるほどね。数十日とか掛かる場合もあるんだもんね』
【王都を守る巨大な魔術刻印を一度に造る場合には、後からMPを追加して少しずつ巨大化する方法が取られ、数十日も時間が掛かる場合があると言う特殊なケースではありますが、再作成に10秒かかっても使用には注意が必要でしょうから】
『ゲームだと、その場限りの魔法と、設置できる魔術刻印って感じで、そこまで意識しなかったけど。そうなんだね』
【その前提を理解してもらった上で言うと、魔法の加護は、魔術スキルを付与出来ません。
完全下位ではないからです】
『ああ。そうなるのか』
【ちなみに、生産の加護だと、鉱石の採掘と言った生産の基礎となる力も生産に属するとなっているので、採掘、鍛冶、裁縫、建築といったモノが付与出来ます。
薬学も、治療に魔法的効果を発生させるとは言え、素材の効果を引き出した結果という事で、生産に入ります。
しかし、魔法薬学になると素材の効果を更に強化し一瞬で発動させる為に、生産だけでなく魔法や魔術の分野の力も内包しているとなり、付与出来ません。
他にも、付与魔術、錬金術等がそれに該当します】
『面倒だね』
【いえ。加護についてメニューを開き、『力の付与』と言うメニューを選ぶか、加護を意識し『付与』と念じる事で、付与メニューが表示され、そこに付与できるスキルが表示されるため、それを選択すればよいだけで面倒ではありません】
『そっか。でも、魔法も魔術も区別せずに付与出来る様にしてくれれば良かったんだけどね』
【過去に、魔の加護や恩寵と言う加護と恩寵があり、その場合は魔力、魔法、魔術に関するスキルの付与が可能だったのですが、力が強すぎると廃止されました】
『それが欲しかったね』
【いえ。クルールタイムが無い代わりに回数制限がある天からの恵みは、全てのスキルを付与出来ますが】
『あ~。まあ、3回だけだけどね』
【更に説明を続けると、恩寵の場合は、完全下位の力のみしか付与出来ない前提で、ノーマルスキルの上位スキルであるハイスキルや特別な力であるユニークスキルも付与又はレベルアップ出来ます。
ただし、ハイスキルの場合はLV1又は2で付与又はレベルアップが可能で、LV1で付与する場合又はレベルを1上げる場合は4か月のクールタイム。
LV2で付与する場合又はLV2上げる場合には1年のクールタイムとなります。
そしてユニークスキルの場合は、LV1で付与出来る又はLV1上げられてクールタイムは1年です
また、ノーマルスキルの場合は、完全下位のノーマルスキルをLV6で付与又は6つレベルアップが可能です。
その場合は1年のクールタイムが必要ですが、完全下位のノーマルスキルをLV1で付与又はレベルを1上げる場合は、クールタイムが1か月となります】
「……。魔法と生産と韋駄天は、加護だったね。恩寵でくれればよかったのに」
【学校の教科書を参照すると、加護持ちは1万人に1人。恩寵持ちは1億人に1人と言われています。
他人だとステータスウィンドウのスキル欄を解析鑑定しないと確認できない事もあり、実際はもっと多いとも言われていますが。
だとしても、十分優遇されていると言えると思います】
『ふ~ん。ちなみに、俺は魔法の加護、生産の加護、韋駄天の加護、補佐さん(恩寵)は何を付与又はレベルアップ出来るんだっけ?
ああ。補佐さんはガイダンスで聞いたけど』
【魔法の加護は魔法系であり、火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、幻影魔法、弱体化魔法、光魔法、闇魔法、影魔法、氷魔法、雷魔法、爆裂魔法、治療魔術、聖魔法、蘇生魔法、生活魔法、召喚魔法、天召喚魔法、腐敗魔法、酸魔法、植物魔法、地雷魔法スキルを付与出来ます】
あ~。
優遇されているって事になるのかな。
魔法の加護の力は大きいようです。
他にも、詠唱不用、熟練度MAX、消費MP減少、威力・射程上限増加の効果がありますので。




