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神罰転生勇者は真面目ちゃんと慈愛ちゃんが好きだけど。~泣き虫勇者の異世界忍び放浪記~  作者: 野下大誤


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第24話 ゲームと違う結果

 主人公は、一旦狩りを終えて、村に戻る事にしたようです。

 村の中に入り、先ず向かうのは冒険者ギルド。


 正確には、その出張所だ。


 冒険者ギルドは、人に害を成しそうな魔物の討伐だけでなく、様々な仕事の仲介をしてくれる組織。


 何でも屋って感じもあるが、正確には仲介や管理が仕事かな。


 その冒険者ギルドに所属し、魔物の討伐、護衛、依頼品の採取、ドブ掃除、等々の仕事で生活する人達を冒険者と言う。


 まあ、ゲームやアニメ・マンガ・小説で良く出て来る職業だ。


 その冒険者を管理する冒険者ギルドはこの村にもあるけど、規模が小さいので食堂と酒場の方がメインで冒険者ギルドの出張所を片手間にやっていると言う感じ。


 そこに向かっていると目に入ったのは。


 クレリーアさん!


 ゲームで何度も仲間にした女性だ。


 赤い長い髪をした、長身のスタイルの良い、人の良さそうなお姉さん。


 近接戦闘も魔法攻撃も魔法治療も可能な上に従魔も使える5級職の天騎士に就けただけでなく、優しい笑顔が好きだったNPCだ。


 この異世界の人族には獣人とかドワーフとかエルフとかって亜人も居るけど、前世でも居た人族の人間で、2歳年上の18歳だったかな。


 確か妹のロザリンドと一緒に歩いている。


 あの家は農家だったから、野菜か何かを食堂か食料品店に売りに行った帰りなのかもしれない。


 慌てて駆け寄り声を掛ける。


 「クレリーアさん。ちょっと良いですか?」


 「えっ。ああ。ショウソウさん」と俺の名前は覚えてくれていた様だ。


 まあ、小さな村だしね。


 「何でボロボロなの」と聞いて来たのは妹の方のロザリンドの方。


 「今朝、職業の才能が開花したんだ。

  で、慌てて職業レベルを上げに行ってきた結果なんだけど」


 「ボロボロじゃん」と険しい表情で再度ロザリンドの方が言ってくる。


 「今から報告するんだけど、北の森にファングウルフの群れが幾つも居たんだよ」


 「えっ。それでボロボロなんだ」と口にしたロザリンドだけでなくクレリーアさんも驚いた感じ。


 12歳まで皆が行く学校では、Eランクのそれなりに強い魔物であるだけでなく、集団で居て逃げ切れない足を持っている魔物だから注意すべきって教わっているからな。


 と言うか、1人の1級職が、開けた場所なんかで群れと出会ったら、確実に死ぬレベルの魔物なんだよね。


 そんな事を二人の反応で思い出しつつ、話を続ける。


 「まあ、お蔭で2度目の転職まで行けたけどね」


 そう言うと「無茶をしすぎですよ」と険しい表情になり言ってくるクレリーアさん。


 「そうですね。

  でも、魔道騎士職と大賢者職だった両親ですら生きて戻って来られない様な事がありますから、出来る限り早く強くなりたくて。

  後悔したくないないですからね」


 そう言っても「それは、そうだけど」とクレリーアさんは納得していない感じだけど話を進める。


 「まあ、確かに危なかったけど、一山超えて少し余裕も出来て来たから、と仲間を探そうと思って声を掛けさせてもらったんですけど。

  クレリーアさん。

  俺とパーティを組んで、王都辺りまで行ってみません?」


 そうゲームでは、『クレリーアさんを仲間にする』を選ぶと表示される選択肢の中で、彼女を仲間に出来る誘い文句を言ってみた。


 「えっ。お姉ちゃん、ティモンと付き合っているから行かないよ」と何故か眉をひそめながら妹のロザリンドの方が答えてくる。


 確かティモンは、今現在3級職の魔法戦士職で村では期待されている青年だったか。


 「そうなんだ。そりゃ駄目だ」


 「残念だったね。お姉ちゃんの事、好きだったんだろうけど」


 そう何故かロザリンドが上から目線で言ってくる。


 「いや。職業の素質がありそうだから声を掛けさせてもらったんだけど」


 俺がそう否定すると「……。何で、職業の素質がある事、知っているのよ」と言ってくるロザリンドの目は据わっている。


 どうも、職業の素質・才能目当ての面倒事を避ける為に、隠している事の様だ。


 「男の勘だね」


 「何それ」とロザリンドは胡散臭いって感じで言ってくる。


 『補佐さんヘルプ』


 そう助けを求めると、帰ってきた返事をそのまま口にする。


 「正確に言うと、余裕を持っている様にみえたんだよね。俺には。

  だから、素質や才能があるんだろうなって。

  まあ、クレリーアさんがそう言う性格と言う可能性もあったけど」

 

 「そんな事で分かるんだ。

  と言うか、お姉ちゃんをずっと見ていたって事?」


 「いや。同世代は同性も異性もチェックしていたけど」


 「そうなんだ。他には、誰かいた?」とロザリンドは俺のチェック結果に興味があるみたいで聞いてくる。


 「いや。目立っていたのがクレリーアさんだったから声を掛けたんだけど。

  ああ。

  男だとエーリックが高そうとは思ったけど、あれは自分で言いふらしているから、やっぱりクレリーアさんだけか」


 そう男性で仲間にしようと思う程、素質と才能の高い仲間に出来るNPCだった奴の名前も言っておく。


 「あ~。確かに彼奴、戦闘士と大神官に就けるから、聖戦士や聖騎士職にもきっと就ける、とか言ってたよ」と何故かロザリンドは嫌そうに言ってくる。


 見下す感じで自慢でもされたのかもしれない。


 そう思いつつ「それに匹敵しそうって思っていたんだけど、彼氏がいるなら駄目だね」と言いつつクレリーアさんの様子を確認してみたんだけど、乗り気じゃなさそうか。


 「で、あんたは何の才能があったのよ」とロザリンドは馬鹿にした感じで聞いてくる。


 「ああ。今確認出来ているのは、斥候・隠密と魔法使いと生産者と動物使いだね」


 「えっ」と声を上げたロザリンドだけでなくクレリーアさんも驚いている様だ。


 まあ、昨日まで無能者だったしね。


 「だから、冒険者として食べられるかどうか、試してみる為に旅に出るって話なんだけどね」


 「あ~」とロザリンドは納得した様だ。


 しかし、クレリーアさんの反応を見る限り、一緒に行きたいって感じでもなさそうだし、諦めた方がよさそうかな。


 「時間とらせて悪かったね。

  冒険者ギルドの出張所でこれを売って食事をしてから、もう一度狩りに行くから、ここで」


 そう言って、あまり話が出来なかったクレリーアさんと姉にあまり会話をさせなかったロザリンドと別れて、冒険者ギルドに向かう事にした。


 『なんで、ゲームと違う結果になったのか』と思いつつ。

 主人公は、仲間を得ようとして失敗しました。

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