第23話 一度村へと
主人公は、ファングウルフによる襲撃を受け続けています。
はあ。
5匹のファングウルフと、それに引き続いて来た9匹のファングウルフを倒し、やっと一息だ。
逃げ場のない岩場の奥まった場所での戦闘は、逃げ場がない事もあり怖かったが。
同時に1~2匹しか対峙しなくて済んで何とかなった。
いや。
崖を足場に飛び掛かってきた奴もいたけどね。
なんとか、韋駄天の加護のおかげで、勝つことが出来たが。
『こう言う感知の及びにくい場所だと、韋駄天の加護を俊敏プラス1000の方に切り替えても良かったかもね』
【はい。韋駄天の加護を隠す必要性は低かったです】
そんな補佐さんからの返事に凹みつつ、狩りを一時中断し、村の方へ向かっている。
転職が可能になったからだ。
ファングウルフは、Eランクでも強い魔物という事なのか、種族レベルが高かった個体だったのか、倒すと得られた職業経験値は3000~12000。
これを21匹倒したら、斥候でレベル上限のLV10MAXになれた。
だから、これ以上のレベルにはなれないので転職して新しいスキルを得たいんだけど、LV1になった状態で、あのファングウルフ達と戦って生き残れる気がしない。
ああ。
韋駄天の加護を使えば生き残れるんだろうけど、リスクは避けるべきだろう。
という事で、村の近くまで戻り転職しようという事にした。
流石に村近辺だと、城壁の上から監視している人に違和感を持たれる可能性があるから、50%プラスの方も使わない方が良いだろうな。
と韋駄天の加護はOFFに。
はあ。
まあ、明日にでも、ここを旅立とう。
それなら、昨日まで無能者だった事を知る人は居ないか少ないだろうから、経験値増加スキルの方はONに出来るだろうし、韋駄天の加護もどちらのモードでONにして問題ないだろうし。
と、森の入り口辺りに到着。
感知スキルの探索を半径1キロで行う。
あ~。
詳細に感知って指定していないから、森の方面は250メートルから500メートルしか感知出来ていないので、『森の方は詳細に感知』と感知スキルに指示。
うん。
もう、ファングウルフは居ない。
と、転職と念じる事にした。
転職、と念じる事により表示される、『生産者、戦士、神官、魔法使い、隠密、動物使いのどれに転職しますか?』のメッセージ。
ノービスには転職できないんだ。
そう思いつつ、魔法使いに転職する。
1対複数の戦いに懲りたから。
魔法なら剣と違ってレベルが上がりさえすれば、同時に長距離から複数を簡単に攻撃できるからね。
そう思っていると表示されるメッセージ。
『斥候から魔法使いに転職しました。
魔力操作、火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、生活魔法、杖技スキルを取得しました。
生活魔法スキルはLV6のままです」
だそうだ。
ああ。
生活魔法は、転生時にLV6で貰っていたからか。
さて、どう世間に公開する才能にすべきかな。
魔力操作を才能高い、火魔法を才能高い、水魔法を才能普通、土魔法を才能普通、風魔法を才能普通、生活魔法を才能高い、杖技を才能低いに。
魔力操作スキルは、魔法全般だけでなくMP管理にも影響するから、スキルを使いまくる為にも、魔力源泉スキルを隠す為にも、才能高いにするしかないかな。
火魔法は、殺傷力が高いと教わっているので才能高いが良いだろう。
水、土,風魔法は、その上位のハイスキルがあるので、才能低い・無いに出来ないだろうな。
転生時に貰った生活魔法は既にLV6なので、才能高いにすべきか。
杖技は、杖を使った近接戦闘だけでなく、杖を介する事により魔法の威力を高められるんだけど。
でも、そんなに効果が感じられなかったのと、杖を装備して戦うかと言われると、ゲームでは剣とか槍とかを装備したまま戦っていたし、才能低いで良いかな。
でも、ゲームだとあまり使わなかったとは言え、才能無しにはし辛いんだよね。
才能高いは、魔力操作と火魔法と生活魔法になりそうか。
まあ、仮装スキルがLV2になり仮装技能が使える様になるまでは、スキル欄のスキルの全部に埋没を掛けて、認識できない・意識できない・記憶に残らない様にしないと駄目なんだよな。
でも、他人の感知が及んでいる場所で、どのスキルを使うかを決める為に、今才能をどうするかを考えたんだけど。
という事で、使うのは火魔法スキルだ。
その火魔法を使える力にする為に、今はレベルを上げよう。
そう決断し、レッサースライムに襲い掛かる事にした。
GランクとFランクの魔物を倒して、魔法使いLV6になった後、村に一度帰る事にした。
昼食を用意していなかったから。
はあ。
なんて言うか、迂闊だよね。
と、村を守る城壁にある門に行くと「おい。大丈夫なのか?」と門番のブルーノさんに声を掛けられる。
ああ。
革鎧とか、その下に着ていた服とかインナーとか結構ボロボロか。
そう思いつつ、
「いや。北の森に少し入っただけで、ファングウルフの群れに会ったんですよ。
両親と行っていた時は、そんな事無かったのに」
と状況を説明する。
「えっ。ファングウルフの群れ」とブルーノさんも驚いている処を見ると普通ない状況なのだろう。
「ええ」と言いつつ、売る為に背負った形にしていたファングウルフの皮を見せる。
「……、全部で21枚あるけど、これ全部一人で倒したのか?」と門番のブルーノさんが眉をひそめながら言ってくる。
すると補佐さんがどう言うべきか教えて来たので、その通りに応える。
「11の群れでしたけどね」
実際は3つの群れだったんだけどね。
一級職では、レベルが10とかでも1対3程度でしか勝負にならないだろうから。
「……。良く生きて戻れたな」
「流石、斥候職と言う処ですかね。
まあ、1グループが後2~3匹多かったら、死んでいた気もしますが」
「……。冒険者ギルドのガイオには言っておいてくれ」
「戦利品売りに行くから、その時に言っておきます」
そう言って、村の中に入った。
主人公は、さっそく補佐さんの指示により、力を隠した報告をしたようです。




