第114話 パーティ名
主人公は、戦利品の売却代金の分配と、時々一人で狩りに行きたい、と言った事を皆と話しながら冒険者ギルドへ向かっています。
冒険者ギルドへ到着し、受付に並ぶ。
ユックリと来たから、朝の混雑は終わっているはずなのに、それなりの喧騒か。
昨日のオッサンが居たので、その列に並び、俺達の番になった。
「昨日の連中だな。
冒険者ギルドの登録か。
専門の受付嬢がやるから、ちょっと待て」
「ああ。その前に昨日の戦利品を裁縫スキルで加工した物を売りたいんだけど」
「ん。裁縫スキルという事は防具か」
「ええ。セットで造ってある革鎧です」
「そうか。
なら、先ずはこっちだ。
おい。
ミレーヌに新規登録する冒険者が居るから、と伝えておいてくれ。
すぐ戻るから」
そう言って、また裏口から出て倉庫っぽい建物へ案内され「ここで買い取りだ」と言って受付に帰っていくオッサンを見送りつつ買い取りの建屋に入る。
魔物素材は大きいのも多いから、倉庫っぽい建物で買い取りになる事が多いのかもな。
そう思いつつ、倉庫のカウンターについたので、俺の格納箱からコンテナを取り出す。
そして、その中から昨日造った魔獣の革鎧を出して行く。
魔獣の皮鎧Ⅰ(グレード1)(魔素収集刻印:4)の軽装24セット、通常16セット、重装12セット。
魔獣の皮鎧Ⅰ(魔素収集刻印:4)の軽装48セット、通常64セット、重装24セットなんだけど。
革鎧のセットだから、それなりに嵩張るし、数が数だから複数の職員によって並べられた上に鑑定がなされている。
すると、買い取りカウンターにいた職員は「へ~。しっかり、全部に魔素収集刻印を限界まで付けているんだ」と言ってくる。
「いや。値段全然違って来るでしょ」
「まあな。でも、MPに余裕がない奴は、そう言う売り方するやつも居る」
「あ~。その方がお金が入るパターンもあるんだ」
「MPが、カツカツの奴はな」
「魔物素材に応じてグレードを上げつつ魔素収集刻印も限界まで付ければ、MPがそれなりに必要になりますからね。
まあ、俺は4級職で魔力操作もLV10MAXで余裕があるから良いけど」
「そう言う事だ」
とのやり取りをしながらの査定。
魔獣の皮鎧Ⅰ(4)の軽装が6000GAZUの24セット、通常が1万GAZUで16セット、重装が2万GAZUの12セット。
魔獣の皮鎧Ⅰ(4)、軽装が2万8千GAZUで48セット、通常が4万GAZUで64セット、重装が6万GAZUで24セット。
全部で5,888,000GAZUを得て、ざっと3等分して「端数はパーティの財布に入れるね」と言ってから1,962,600GAZUを二人にも渡す。
なんか2人とも不満そうだけど、今話す事じゃないって感じなのだろうか。
受付に戻ると、多分ミレーヌって受付嬢が居る。
受付嬢と言うよりは、もう十年以上受け付けやっていますって感じの受付統括かな。
「ミレーヌ。この3人の内2人が、新しく登録だ。手続きを頼む」と受付オッサンに紹介され、「こちらです」と言われて小さな会議室みたいな所へ。
そこで「登録しますので、これに記入をお願いします」と言われる。
名前。
職業及びレベル。
自己PRだそうだ。
自己PRの欄を睨んでいると「自己PRは、指名依頼や特別な依頼を頼むかどうか、受けられるかどうかの基準になりますので」とか言ってくるが。
名前と、職業とレベルを記入。
自己PRには、『それなりの上忍』とだけ記入。
するとミレーヌさんは「それだけですか?」と聞いてくるが。
「力を不用意に明かすのは」とこちらの都合をハッキリ言っておく。
「でも、ここは冒険者ギルドで、その人の能力にあった仕事の斡旋をしなければならないんですけど」
そう言われたので「あまり依頼とか受けたくないですし」と主張しておく。
すると「何故でしょう?」と聞かれたのでキッチリ答える。
「単純に今は強くなるのを優先で、他に時間をとられたくないからですけど。
まあ、面倒な依頼に関わりたくないとかもありますが」
そう言うと納得した感じになり「そうですか。また後で依頼を受ける為の訂正とかはお受けしますけど」と言って来る。
なので、一応「俺達、数日ここに滞在したら王都方面へ向かおうと思っているんだけど」と予定も言っておく。
「そうなのですか。
まあ、上忍ですからね」
そう何故か納得されてしまった。
優秀な人材と言うか、4級職だと仕事を求めて王都へ行く傾向があるんだろうな。
そう思いつつ「それは兎も角、仲間を集めたいので」とも言っておく。
すると「二人と従魔二匹では足りないのですか?」と一応と言う感じで聞いてくる。
それに「ええ」と軽く答えると「そうですか。確認ためにステータスウィンドウの表示を」と言って来たので、それに応じる。
すると「後、鑑定を行いますが良いですよね」とも聞かれる。
本当は嫌だけど「あ~。良いですけど」と簡単に応じておく。
多分、LV10MAXの偽装と仮装の力を上回る鑑定とかは出来ないだろうし、ここで不審に思われるのも不味いだろうから。。
「……。さ、流石4級職の上忍ですね」と俺の持つスキルの数やレベルに驚きつつも「偽装とかもLV10MAXなんですか」と確認してくる。
「そうですよ。確か才能は高いでしたから」
そう言うと「犯罪とかには使わない様に」と指導が入った。
「ええ。バレルでしょうからね」
「そう思っておいた方が良いと思います」とのやり取りで、次はラーレへ。
「彼女の場合、レベリングの途中なので、職業はコロッと変わるけど良いんですよね」と一応俺の方から聞いておく。
「そうなのですか?」
「ええ。急ぎレベリングして力を得て貰っている途中なので」
「そうですか。
この記載内容でギルド証を作りますから、依頼を受けたいのなら、更新をした方が良いと思いますが」
「まあ、ランクが上がってからで良い気もしますね。どうせGランクからでしょ」と両親に聞いていたことを言っておく。
「その辺は御存じなんですか」
「両親が農家と兼業の冒険者だったので、多少は教わっています」
「そうですか。
後は、パーティとしても登録するのであれば、パーティ名も必要ですが」
「あ~。なんかある?」
そう話を振るとタマーラは知らないって感じで「ないけど」と言って来るし、ラーレは「急に聞かれても……」と困っている。
「そっか。ギルド証にパーティ名とパーティランクが入るんだったか。
ギルド証を更新する時とかにも変更できるのかな」
「はい。出来ます」
そんなやり取りをしつつ、ふと思いついたのは、雲外蒼天と言う四文字熟語
厚い雲の様な困難や障害があっても、それを乗り越えれば、明るい未来が待っている、的な意味だった。
そのまま使うと転生者ってバレル気がするから、雲の上の青空とかで良いかも。
「雲の上の青空、で良いかな」
そう提案してみたんだけど「何それ」とタマーラには不評っぽい。
なので「視界を遮る厚い雲を突き抜けて、青空に到達するぞって感じ」と簡単に意味を伝えてみる。
すると「……、まあ良いけど」とタマーラも少しは気に入った様だ。
雲と空が何を比喩しているのか、ピンと来たのだろう。
「まあ、良い案があったら出してよ。変更して貰うから」と言って、取り敢えずの登録事項を決めた。
主人公とラーレは、冒険者として新たに登録出来た様です。




