第111話 寝た人と寝付けない人達
主人公は、3人と2匹となったパーティで高級な宿に泊まりました。
お祝いとしてお酒も飲みながらの夕食。
その後は。
食事を終え、部屋に戻り、大浴場へ行って汗を流して部屋に戻った。
この世界ではお風呂は贅沢品で、タオルで体をふくのが普通。
まあ、平民の普通なんだけど。
生活魔法持ちは洗浄魔法で奇麗になるし。
なのに、風呂だったよ。
マナーが分からなくて怖かったよ。
掲示物を全部読んだり、きょろきょろ周りを確認しながらの入浴だったよ。
まあ、ポポとチモは部屋に待機で生活魔法で奇麗にしたんだし、それと同じ事で満足しておけば気を使う必要はなかったんだけどね。
やっぱり、お風呂にも入っておきたい。
そんな事を考えていると、二匹も洗浄魔法で奇麗になり、部屋の中で寝る場所を探し終えてホッとしている感じだ。
さて。
俺は生産だな。
まあ、スキルのガイダンスを聞いたり、スキルの持つ力の確認をしたりとかも必要だけど。
彼女達にお金を持たす為には、今日狩ったネイルベア、ファングウルフの皮をグレード1の皮鎧にでもして売れば、それなりの収入になるからね。
ネイルベアの皮は、大きいし厚いから1匹分で革鎧が5セットくらい造れそうだし。
と、取り敢えず革鎧の製造に入る。
今日3人と2匹で狩ったのは、16匹か。
俺だけの戦利品だと15匹分ある。
……。
ここで仲間に出来る人は助ける為に200万GAZU必要だった。
だけど、ラーレの旅立ちの時のことを考えると、200万GAZUで足りない事も想定した方が良いのかも。
なら、俺の戦利品を俺だけの収入として売りたいんだけど。
でも、二人はお金がない感じだからな。
分配はしておいた方が間違いがない。
なら、俺の持ち分の皮を皆との共用に貸した形にすればいいか。
とチモの格納箱に入れてあった皮を順次亜空間収納に入れ直して、鞣し作業に。
毛とかの処分も裁縫スキルがMPを使ってしてくれる。
その間に、造る防具を決定する。
まあ、前と同じで良いのかな。
サイズ調整の付与魔術を行う前提の少し大きめの革鎧を、軽装、通常、重装タイプで造る。
グレード1になる様に。
魔素収集刻印が最大になる様に。
軽装タイプが64着、通常タイプ48着、重装タイプが24着。
後は、ファングウルフの皮もあったか。
こちらも、同じく裁縫スキルで製造していく。
軽装タイプが24セット、通常タイプが16セット、重装タイプが12セットだ。
はあ。
まあ、スキルとMPのおかげで一気に作れるが。
これだけ作ると、生産の加護や、魔力操作スキルによる消費MP減少や、魔力回復スキルや魔力源泉スキルによるMP回復があっても、MPはそれなりに減ってしまうな。
ああ。
消費MPが多い事をする時は魔力源泉スキルを持っていない偽装を兼ねて、魔回薬でMPを回復させながらの生産がお勧めだったか。
そんな支援さんの指導を思い出しつつ、チモではなく自分の格納箱を起動し、コンテナを取り出して、そこに入れておく。
まあ、このくらいで寝るか。
風呂上りの女性二人。
高級なホテル風の部屋のベッドに座り、お互いを気にしている様だ。
お風呂には、それなりの人が居たので話せなかった事があったのだろう。
その会話が始まる様だ。
「タマーラさん。
その……。
夜のオツトメは、どうするんでしょう」
「ああ。やっぱり、気になるよね」とため息交じりに応えるタマーラ。
「はい。その。どうしているのかなって」とラーレは聞き難そうに確認している。
「実は私も、今日の朝に仲間になったんだよね。
その後、誠意を見せるって話になって最低限のレベル上げをしてもらってから、貴方を勧誘しに行ったのよ」
「タマーラさんも、今日が初めての夜なんですか」
初めての夜。
その言葉に少し挙動不審になり「そ、そうなのよね」とタマーラは答えている。
「私はこんな状態ですから、やっぱりタマーラさんが選ばれますよね」
そう言って、ラーレはガリガリの手を握っている。
「私はそう言うのが嫌で、色々と聞いたんだけど、彼奴、そう言うのは未だ期待していない感じだよ」
「そうなんですか?」
「うん。私達に期待しているのは、3から5級職になって一緒に戦ってもらう事らしいよ。
だから、戦闘に集中している時に後ろから斬られる様な事と言うか、無理やり自分の女にするような事は出来ないって言っていたし」
「……」
「それに、私達が彼奴の足を引っ張る程度の冒険者にしかなれなくて、他に行くところが無かったら、自分の女になるかどうか選んでもらう、みたいなことも言っていたし」
「でも、男の人には気を付けろって……」
「そ、そうなのよね。
やっぱり、宿は別にした方が良かったかしら。
一緒の宿にしたから、変に誤解させたかもしれないし」
「でも私、お金を持っていないし」
「私だって、そんなに余裕はないわよ。
でも、嫌なら、彼奴を殴って、二人でパーティを組みましょう」
「それは、あまりに不誠実じゃないかなって……」
「それは、そうかもしれないけど」
「だから、求められたら、とか考えてしまって」
「駄目よ。
それは、それ、これは、これ、なんだから」
「そう、ですよね」
「変な病気を移された、とかならエリクサーとかで何とかなるけど、子供なんて出来たら、一生の問題なんだから」
「やっぱり、そうですよね」
「わ、私は、押し倒そうとして来てもキッチリ断るからね。
それでもシツコクしてきたら、力一杯噛みついてやるんだから。
ラーレもそうしよう」
「……はい」
そんなやり取りで、ラーレはホッとした感じに、タマーラはやってやるからと言う感じに。
その後、二人はベッドに入り、明かりを消したが、未だ寝られない様だった。
タマーラとラーレは、主人公に負い目を感じて不安になった様です。
まあ、タマーラはイザとなれば噛みつくつもりの様ですが。
ヒロインが登場して話が落ち着いたので、この辺で1日1話投稿にします。
それで余裕が出来るようなら1話から順次推敲も。
本当は、この辺の話を30~50話に持ってきたかったのですが。
強くなければ資格が無いと言う主人公の設定とあわなかったのと、恵まれている主人公が主人公なりに強くなる為の苦労をしている描写もキッチリ書いておくべき、と考えたのが理由なのですが。
力不足ですね。




