第110話 お酒を飲みながら
主人公達は、冒険者ギルドへ宿を教わったりしに行きました。
そこにはタマーラに固執している感じの冒険者達も居て。
お勧めの宿が載っている冊子の中でも2番目に高いお宿へと向かう。
一番だと嫌な貴族とか豪商とか居そうだからね。
冒険者ギルドの紹介する様な宿だから、気にし過ぎだとも思うが。
で、着いた宿はコンクリート造りの高級ホテルって感じか。
窓が小さいのは、都市の中とは言え魔物の襲撃が無い訳じゃないからか。
高級ホテルと言う感じのフロントへ行き、2部屋3泊取れるか確認。
冒険者だと宿帳に書くと、ステータスウィンドウを確認された。
多分、支払い能力がある職業かどうかの確認だろう。
女性2人と男性1人。
従魔についても了承を得た。
まあ、チェックアウト時に家洗浄で部屋を奇麗にするってこちらから提案する事になったけどね。
しかし、1人又は1匹が一泊1万GAZU。
とりあえず、後払いでも前払いでもと言われたので、3日分の15万GAZUは前払いした。
従魔の事もあったしね。
2泊で良かった気もするが、多分冒険者ギルド関連でもう少しいる事になりそうだし。
そんな風に思いつつ宿の人が準備をしているのを見ているとラーレが「こんないい宿、良いんでしょうか?」と恐る恐る聞いてくる。
「ああ。何かまだ冒険者ギルドにタマーラの事を意識している連中が居たからね。
泊まる処でも格が違うって見せておいた方が良いかなって思ったんだけど」
「あ~。あんたも感じたんだ」と当事者のタマーラも感知スキルが無くても気が付いていたそうだ。
「ああ。それで女性専門の宿すら嫌だって言ったんだよね」
「そう。ホント勘弁してもらいたい」
「モテル人は大変だね」
「そう言うのじゃないと思うけど」
「それもあって複雑って感じだと思うけど」
そう言うとタマーラは「はあ」と深めのため息を付いている。
そんな会話をしていると「お部屋にご案内します」と宿の人の準備が終った様だ。
階段ではなくゆっくりとしたスロープで3階まで上がった部屋。
隣り合った部屋にしてくれたようで、一度別れて各自の部屋に。
直ぐに食事に向かう。
貴族が居るのなら部屋に運んでもらうなり外食にしたんだけど、その辺は分けているそうだ。
お金を持っている商人とか冒険者風の人達がいる食堂での食事。
まあ、豪勢だね。
ポポとチモの分は、他のお客様の心証もあるので部屋にお運びいたしますという事。
という事で、部屋で待機して貰っているんだけど。
果実酒も頂きながら、これからどうするかの確認の様だ。
「明日からどうするの?」
そうタマーラが聞いてくる。
「明日は、先ず冒険者登録でしょ。
で、新人講習を受けた方が良いかどうかを、そこで教わって必要ならそれを受ける。
ああ。明日は申し込みか。
後は2人を3級職以上にしたいかな」
「就けるのでしょうか?」とラーレは不安そうだけど。
「多分、2人ともね。
駄目なら駄目で才能の開花を目指すし、生産をしてもらうのでも良いし」
「私、生産に才能が無いんだけど」とタマーラは言ってくるが。
「でも、匠に就けるでしょ。
匠についたら、鍛冶、魔力操作、生活魔法、薬学、状態異常耐性、体術、格納箱、鑑定スキルが取得できるんだっけ。
既に持っている魔力操作、生活魔法、体術を除いても、結構な力が手に入るし、鍛冶と薬学が才能高いなら生産者にも十分なれそうだけど」
「そっか。未だ鍛冶と薬学があったか」
「そう言う事。
それに、生産者で得た才能低いの生産スキルもレベルが上がるしね」
「でも、やっぱり戦闘系の力が欲しいな。
と言うか、火魔法と風魔法がもうLV9なんだよね。
だから、戦えるし」
とタマーラは戦う事に拘りでもあるのだろうか。
そう思いつつも、懸念事項を言っておく。
「でも、タマーラも俺と同じ様に両親が魔物を狩りに行って帰ってこなかったんでしょ。
なら、都市でも稼げるようになっておくべきだろうからな」
「そうなんですか?」と未だこの辺の話を一度も話を聞いた事のないラーレが聞いてくる。
「タマーラの詳しい話は俺も聞いていないんだけど、ウチは父親が魔道騎士、母が大賢者だったのに、2人で日帰りの魔物狩りに出て帰ってこなかったんだよね」
そう打ち明けるとタマーラも「ウチは、父が魔法戦士で母が聖戦士。叔父や叔母とかが忍び、大神官、魔導士、賢者だったのにね」と言って来る。
「それは、結構なパーティだね」
そう言うと「それでデカい顔をしていたから、死んだ後、私が嫌がらせされたとも思っているけど」とタマーラは嫌そうに言ってくる。
「そっか。難しいな」
「だから、あなたの言う通り、5級職を目指しつつ、3級職以上の6人以上のパーティを目指す、と言うのは賛成」
そうタマーラが締めてくれたので「俺達は、そんな感じなんだよね」とラーレに話を振ってみる。
「そうなんですね。
ウチは、父が名匠、母が匠だったんですが。
父は戦士と斥候、母は大神官と動物使いを経ていたらしいです」
「そっか。商人だったんだよね」とゲームでは知っている事だけど、一応聞いておく。
「はい。自分達が畑で作った物や仕入れた物を自分達で加工して自分のお店で売ったりしていたんですが……」
そう言い淀むラーレに代わり「酷い話よね」とタマーラが怒りを滲ませている。
「はい。でもなんか。まだ実感が無くて」
「ラーレは人が良過ぎるね。
まあ、仲間としては安心だけど」
そう俺が言うと「いえ。人が良いなんて事は」と謙遜しているが。
「なら、彼奴ら殴ってくれば良かったのよ。
黄色いオーラに包まれているから、殺そうとしない限り犯罪者にはならないでしょ」
そうタマーラは怒りを滲ませ続けている。
そのタマーラに「だね」と俺も賛同する。
「でも。なんて言うか。今は、これからの事を考えたいので」
そう言って、お酒を飲んでいるラーレは可愛いいと言うか心配になってしまうと言うか。
この娘も、強くしないと。
そう思いつつ食事を進めた。
ラーレは人が良過ぎるのか、未来志向なのか。
主人公は、そんなラーレを守るではなく、強くする、と思った様です。




