第109話 ムスカト市では
主人公は、一日で二人の仲間を得て、急ぎレベリングをして夕方の都市に駆け込みました。
そこでは、何が待っているのでしょう。
俺が生まれ育った村のナルク村から東へ140キロ程進んだところにあるムカスト市。
タマーラやラーレが居たラーカム町からは80キロくらい東側か。
この辺では一番大きい都市だ。
東に大河があり、それが国境になっていて、越境する為に魔導具の一種の空を飛ぶ魔飛行船の飛行場まである都市。
俺も、両親に連れられて何度か来たことがあるが。
村より大きな城壁。
それが数万人が暮らす巨大な都市をすべてカバーしているんだから凄いよね。
感知スキルの探索で表示されたマップを見る限り、直径4キロくらいか。
この世界では、食料生産も城壁の中で行わないと駄目だから、中央部分に人の居住区が固まり、その周りには畑だ。
まあ、果樹園とか、畜産場とかもあるけど。
そんな確認をしつつ思い出す。
ここでは、4人仲間に出来たか。
俺が何時も仲間にしていたのは、既に仲間になっているタマーラを除くと一人の女性だけだけど。
彼女は存在するのだろうか。
ラーレと同じ様に、結構危機的な状況だった筈だけど。
200万GAZUと万能薬ⅡかエリクサーⅡが3つ必要だったけど、お金はラーレの件で足りなくなったし万能薬は作らないと数が足りないし。
ラーレの時の様に、お金がもっと必要とか無いだろうな。
もっと高額な革鎧を造って売った方が良いのだろうか。
そんな事を考えつつ城壁の門に辿り着き、3人と2匹のステータスウィンドウを見せる。
それで、問題なく入れるんだけど。
ここは、門の使用料と言うか、税金が選べるタイプだった。
という事で、3日間の使用許可に一人や一匹に1500GAZU。
都市としては大きいから、税金も高い様だ。
3日にしたのは、ここで俺とラーレの冒険者登録をするから。
その事について門番に聞いたら、3日くらいは掛かると思っていた方が良いだろうと言われたので。
3人と2匹分の7500GAZUを払い、銅板に日付けとか刻まれたのを預かり、その銅板は最終的には返せと説明されて都市に入る。
うん。
活気はあるね。
家は、中世の西洋って感じで、木造、石造り、コンクリみたいなのが多い。
門に入り、中央通りって感じなのを進む。
まあ、城壁近くは畑や果樹園とかが多いけど、門の近くだから宿屋とかもある。
それを超えると穀倉地帯・畑って感じの処を抜けて、都市の中心へ。
都市の中心には、また城壁があって、その中には館と言うか小さな城みたいなのがある。
門番に、それに向かって進むと冒険者ギルドがあると聞いたので、そちらに向かう。
あ~。
結構デカいな。
地上5階建ての鉄筋コンクリートかな。
ビルだね。
この都市が魔物に攻められた時に、ここに籠って戦うぞって感じではなく、普通のビルか。
そう思いつつ中に入ると、依頼達成の報告の為か受付にはすべてに受付嬢がいる。
ああ。
一部オッサンか。
そこが空いていそうなので、そこに並ぶ。
美女二人に従魔二匹を連れた男。
結構奇異の目で見られている気もするが、分かる奴には俺が4級職だと分かるのだろう。
絡まれる事無く、十数分で受付開始。
「何の様だ」
「俺とこの娘が冒険者登録したい。
で、パーティ登録もあるなら、それもしておきたいか。
その手続きについて聞きたいのと、安全な宿の情報があるなら知りたい」
「宿は、高くても良いのか」
「良い。うちには女性が居るから」
「そうか。初心者・新人が受ける新人講習を受けるのでなければ、朝に来れば毎日受付の人が一通り教えてギルド証を発行している。
で、新人講習は受けるのか?」
「受けた方が良いなら受けるけど」
「あ~。ド素人なら当然受けた方が良いが」
「両親から少しは教わっているが、それは職業に就く前だからな。
タマーラとラーレはどう?」
「私もちゃんと受けた事は無いけど」とタマーラ。
ラーレも「私もです」と言って来る。
「そっか。受けるとしたら何時なの?」
「毎月1日、11日、21日だから、三日後の朝9時に集合かな。明日にでも冒険者登録をするのなら、そこで申し込めばいい」
「了解。後は、安全な宿だけど」
「ああ。ウチが紹介しているのだと、冊子があるから、それを渡そう。
と言うか、その娘は、よくここに来ていた娘だよな。
色々と勧誘されていたのにそれを断っていただろう。
その時の定宿じゃダメなのか」
「女性専門の処だったから」
タマーラの発言に「そうなんだ。なら二人はそっちの方が良いかもね」と俺が提案したんだけど
「また、変なのに絡まれたくないし」とタマーラが嫌そうな顔で言ってくる。
「それで町に居たんだ。
まあ、未だ絡まれてもやり返せるだけの力はないか」
「もう、大丈夫だとは思うけど、ラーレも居るし。
宿代は貸してくれるんでしょ」
「いや。今日狩ったのを裁縫スキルで加工して売って、3人で分配だね」
そう言うと「えっ。今日のあれ、分配するの?」とタマーラは驚いている。
「するでしょ。
二人も色々と揃えないと駄目だし」
「あ~。武器も借りていたか」とタマーラはなんか嫌そうだ。
そう思っていると「後ろに並んでいるのも居るから、その辺の話は3人でしてくれ」と受付オッサンに言われてしまった。
「ああ。すまないね。行こうか」
「ええ」
「はい」
そう言って、冊子を貰って冒険者ギルドから出る。
ああ。
タマーラを気にしている感じのが4グループほど居るが、まあ大丈夫かな。
と言うか、ラーカム町に居たタマーラに拘っていたパーティがもうここに居るじゃん。
ああ。
感知スキル持ちか印付与スキル持ちが居るのか。
まあ、一番強そうな奴でも3級職っぽいし。
俺が暗殺向き、暗闘向きの上忍って言うのに気が付いているだろうし、無理に絡んできたりはしない様だ。
まあ、感知した感じだと忌々しいって感じはあるけどね。
そんな確認をしつつ、二人と二匹を連れて冒険者ギルドを出た。
タマーラは、未だ粘着されている感じの様です。




