第104話 二人目の仲間
主人公は、ラーレと旅立つことが出来ました。
大金を預けて、ですが。
ラーレの走るスピードにあわせて、街道を走る。
それでも、もう町は見えなくなった。
はあ。
あれで良かったのかな。
ゲームと違う部分があって不安なんだよね。
そう思いつつ、一度休憩をすることに。
俺もタマーラもラーレも、昼食をとっていないから。
街道の横に出て、鍋ごと亜空間収納に入れてあった魔物肉のスープを、格納箱から取り出したように見せつつ出す。
その後は、時間が止まっていたので熱々なのを誤魔化すために、料理スキルで鍋ごと加熱する。
で、生活魔法の簡易家具作成でイスとテーブルを、簡易食器作成で皿を作成し、その皿にのせて2人に提供。
生活魔法の虫避け、魔物避けも使用し、買っておいたパンも出しておく。
ポポとチモには、何時もの穀物とか種とかだ。
「美味しい」
そう言ってくれるラーレに言っておく。
「ああ。料理スキルも才能普通で持っているからね」
まあ、本当は、才能高いだから嘘なんだけど。
「はあ。もう、何でもありなんだね」と呆れた感じで言ってくるタマーラ。
「タマーラも色々と職業を極めて行くと、色んなスキルを手に入れて、それなりのレベルになるから、そんな感じになるよ。
勿論、ラーレさんもね」
「私には、そんな才能は」とかラーレは言っている。
するとタマーラが俺の代わりに言ってくれる。
「こいつ、男の勘で、最低でも3級職以上に就ける仲間を探しているんだって。
だから、ラーレさんも才能あるんじゃないかな」
「そうなんですか?」
「そうだよ。
まあ、勘が外れても、俺の女で居てくれれば食べさせて行ける様な人にだけ声をかけている、と言うのもあるけど」
そうゲームでの設定を言うとラーレはホホを赤くして俯いた。
脈があるのかもしれない。
いや。
イイ女と言われて照れているだけか。
そう思いつつ、話を続ける。
「ラーレさん。
良ければ今就ける職業を教えてもらえないかな?」
「私が初心者職から生産者職に転職した時は、戦士と神官と動物使いに転職が可能でしたけど」
おお。
ゲームと同じだ。
と安心しつつ、会話を続ける。
「そっか。先ずは、それが如何伸びて行くかだね」
「伸びるのでしょうか?」とラーレは不安そうに言ってくるが。
「まあ、今は付けない職業にも、今後才能の開花なんて事もあるから断言はできないけど、テイマーとかに才能がありそうな気がする。
ポポとチモを気にしている様だから」
「はい。可愛いですよね」
「ポッ」(照れますね)
「キュ」(えへへ)
「ポポもチモも、テイマーに才能がありそうって感じているみたいだね。
後は、その上位となる精霊使いと召喚士の才能があるかどうかかな」
「ラーレさんの場合、3級職と4級職は、そうなるんだ」とタマーラの方が聞いてくる。
「まあ、勘ではだよ」
「勘なんですか?」とラーレは本当に勘なんですか、と言う感じかな。
「ああ。だけど、感覚強化は才能高いで既にLV10MAXだからね。
第六感もそれなりに強化されているはずだから」
そう根拠がある風に言うと「……。私も、冒険者として一人前以上になれるんですね」とラーレは不安そうに言ってくる。
「まあ、断言はしないけど、今現在の才能は一緒に確認していくつもりだし、才能の開花にも挑戦するから」
駄目なら俺の女には、しつこいと思ったので言わないでおく。
それでもホッとした感じで「はい……」と言っているから、余計な事は言わなくてよかった様だ。
まあ、嫌われてパーティから去られたら意味ないしね。
と言うか、『俺の女に』なんて言っていて良いのかな。
なんか、そんな事を言うのは止めろって、感じがするんだけど。
彼女達を救う為にも、可能な限りゲーム通りに発言・行動しておくべきだろうから、しょうがないんだけど。
そう思いつつラーレに質問しておく。
「生産者職で、得ているスキルは何で、才能がどうかわかる?」
「生産者職のLV2なので、才能は分かりません」
「そっか。解析鑑定しても良いなら、してみるけど」
「はい。お願いします」
「ちょっと待ってね」
そう言ってステータスウィンドウ内の一つ一つのスキルについて解析鑑定するのではなく、スキル欄全体を解析鑑定し、その内容を教える。
「え~と。農業が才能普通、操船・水泳・商業学が才能低い、料理と裁縫が才能高い、木工・採掘・建設が才能低いだね。
冒険者が駄目でも、生産者として仕事はありそうだね」
「料理と裁縫が」とラーレは感慨深そうだ。
「うん。これで匠にも就けたら、かなりの生産者だね」
「はい」と答えるラーレの表情は明るくなったが「でも、折角なら冒険者にもなってみたいですけど」と言ってくる。
俺が冒険者として仲間に誘った事を気にしているのかもしれない。
そう思っていると、タマーラがラーレに尋ねている。
「なんでお爺さんお婆さんは、あの叔父さん叔母さんに財産を相続させなかったのかな?」
「お爺ちゃんとお婆ちゃんは、叔父さん夫婦がお店の仕入れの為のお金を盗んで行ったのを、相当怒っていたって言っていました。
犯罪者に落とそうとまでは、しなかったそうなんですが」
「あ~。自業自得なのか」とタマーラは呆れた感じ。
「だとしても、少しくらいは残しておいてあげれば、こうはならなかったのでしょうか?」
そうラーレは俺とタマーラに聞いてくるが「どうかね。全然反省していない感じだったし」と俺は答えるしかない。
「そう、ですね」
「物の場合、一つ一つ盗んだことが蓄積されるはずだけど、お金の場合は、大金を盗んでも一度なら3日で黄色いオーラは消えるって話だったか。
しかも、お爺さんお婆さんは、怒っていたけど許したから犯罪者の称号は付かなかったんだろうし。
なんて言うか、厄介だよね」
そう俺が言うとタマーラは「どちらにしろ、偽装スキルで誤魔化したんじゃないの?」と聞いてくる。
「偽装スキルによる偽装なんて、感覚強化、感知、鑑定スキルとかで簡単に見破れるよ。
だから、他人が確認し辛いラーレさんのステータスウィンドウ内の契約欄を偽装していた、って言うのが悪質だよね」
そう言うと「そっか。門番とかに見せる簡易版のステータスウィンドウには契約欄が無いから、他人に見せるって、あまりないのか」とタマーラは納得している。
「そう言う事」
「ラーレさんも、災難だったね」
そうタマーラが言うと「ショウソウさんも、タマーラさんも、私の事は呼び捨てで良いですから」と言ってきてくれる。
「そう。じゃあ俺の事も呼び捨てでね」
「ええ。私の事もタマーラで」
「そ、そんな。助けてもらったのに」
そう申し訳なさそうに言ってくるので「これから助けてもらうから大丈夫」と言っておく。
「……はい。そうなれる様に頑張ります」
そんな会話をしている間に食事を終える事が出来た。
主人公は、ラーレも仲間に出来た様です。




