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第103話 お金を預けて

 主人公達は、ラーレと旅立とうとしたのですが。

 ラーレの叔父が門番をしていたようで、絡まれました。

 「ラーレ。なんで何も言わない」


 そう何度か目の詰問調で聞かれたけど、叔父が苦手なのか、ラーレは答えない。


 俺は「彼女は、俺達の仲間になったので、冒険者としてこの町から旅立ちますので」とゲーム通りの発言。


 するとゲーム通りのウザがらみが始まる。


 「はあ。ラーレ。

  君は両親の借金を返して、あの店を取り戻すんじゃないのか。

  お前の母親だって、それを望んでいるだろうに」


 「……」


 ラーレが何も言わないので、ゲームの通りに俺が説明を続ける。


 「2000万GAZUなんて、彼女が店の手伝いで返せると思っているんですか?」


 「はあ。2000万GAZU?

  そんな借金、姉さんがする訳ないだろう」


 「ええ。する訳ないでしょうね」


 そう俺が言うと「どういう事だ」と叔父のドワーフが俺に向き直して確認してくる。


 「はあ。自分の無能を棚に上げて、姪を怒るとはね」


 そうゲーム通りの発言をするとゲームの通り「……、どういう事かと聞いている」と俺に怒ってくるが。


 「偽装ですよ、借金なんてね。

  彼女のステータスウィンドウに偽装スキルで借金を張り付けて、今日まで騙していた。

  なのに、何で彼女が怒られるんですか」


 「それは犯罪になるだろう」


 「ええ。ラーレが嘘の借金で親から相続した物を盗まれたと認識しましたからね。

  今頃あの夫婦は、黄色いオーラに包まれているでしょう。

  多分、今も偽装LV6の力で隠しているんでしょうけど」


 「……。そうなのか」とラーレの叔父は相当驚いたのか、絶句気味に口にしているが。


 「俺は、鑑定スキルで見破りましたから、鑑定スキルがLV7以上なら見破れるんじゃないですかね。

  まあ、彼奴が、偽装スキルのレベルをもっと上げられる忍び職とかでない限り」


 「……。くそっ。

  なら、俺が店を取り戻してやる。

  冒険者なんかにならなくても」


 ゲームだとストーリー上そうだと思っていたんだけど、現実でも門番をしている衛兵から見ると『冒険者なんて』って認識なんだな、と思いつつゲームの通りに会話を続ける。


 「それは、下手をすると彼女が犯罪者扱いされる状況になるとしても、ですか」


 「ど、どういう事だ」とラーレの叔父はまた怒った感じで言ってくる。


 「チッ。あの店で売っているモノをみた事は」とゲームの通りにワザと苛立ったように見せつつ説明を始める。


 「当然、あるが」


 「俺は、感覚強化もLV10MAXですけど、その強化された視界で見たら、壊れている物を壊れていない様に偽装して売っていましたけど」


 「えっ」


 「そう言えば、妻が買った食器の半分が壊れていたって。

  持ち帰る途中に壊れたから、交換できないとか言われたって言っていたぞ」


 そう叔父とは別の衛兵が言ってくる。


 「彼女が旅立ちの準備をするまで色々とチェックしたら、所有者がラーレになっているモノに対して自分達が所有者って偽装をするだけでなく、割れた壺や花瓶を箱に入れて壊れていない偽装した物を売っていましたよ。

  ちゃんと、店を監視するべきでしたね」


 「そ、それがラーレにどう係わるって言うんだ」


 「彼女は善人ですからね。

  被害者でもありますし。

  でも、彼奴らが自分の罪を軽くする為や、死なば諸共って彼女にも罪を着せて来るでしょうね」


 「あ。ああ」


 「壊れた物を壊れていないなんて偽装して売るのは、詐欺で犯罪。

  それをやっていたのは彼奴らでラーレでは無いけど、犯罪が行われていた店で働いていた事実は残りますからね。

  下手をすると被害者の彼女すら犯罪者にされかねない。

  だから、本当は彼女の店なのに諦めて冒険者になってもらう、って事なんですけど」


 そうゲームの会話通りに事情を言うと「……。ラーレを拘束しないと」と叔父は苦しそうに言ってくるが。


 「被害者なのに。

  貴方達の職務怠慢だと言うのにね。

  いや。

  叔父なのに、何の助けもしなかったのに」


 そう言うと苦しそうに「……。保釈金を払ってくれ。これからの行き先も申告してくれ。それなら、町から出ても大丈夫だったはずだ」と言ってくる。


 あれ?


 『叔父なのに』と指摘したら、『分かった。いや。すまなかった』との言葉を得て町から出られたはずなのに。


 そう思っていると同僚の衛兵が「おい」とか叔父に声をかけている。


 何か不味いのだろう。


 慎重に行くべきだ。


 そう思いつつ『補佐さん、ヘルプ』と念じてから話を続ける。


 「ラーレさんは真面目ですからね。

  犯罪の証拠は出ないでしょうけど、それでも彼奴らが権力者に賄賂を渡していてそれが原因でとか、それを隠す為とかにラーレさんまで罪人認定される可能性はあるんですよ」


 「彼奴が、領主に取り入っていると言う話は聞いた事が無い。

  だから、大丈夫なはずだ」


 まあ、確かに後で問題になる事はゲームでは無かったけど。


 「なら、保釈金を払いたいんですけど、幾らなんですか?」


 「100万GAZU。

  いや、いくら払える。

  200万GAZU以上預けて貰えば、誰も文句は言わない筈だ」


 あ~、お金あるから良いけどさ。


 そう思っていると

 「ラーレが無実だと分かれば、返す金だ。

  店のモノを処分しても被害者への補償が足りなければ、それが使われるから全額とは言えないが、それでも返せるはず。

  だから、何処に行くかの申請と保釈金を」

とか言ってくる。


 「ああ。間違いなく王都には行きますね。

  隣の、ムスカト市にも行きますけど、何時まで居るかは分からないか。

  多分魔物を狩りながらの移動になるだろうけど、それにどれだけ時間が掛かるかも分からないし」


 「分った。

  君の名前はショウソウか。

  後、ラーレと言う冒険者が居て、申請をすればお金が返る様に王都の冒険者ギルドに依頼を出しておく」


 「そうですか。

  なら払いますけど。

  一応言っておきますけど、彼女の手足とか見てみるんですね。

  彼女がいかに虐待されていたか、ハッキリしますから」


 そう言うと、目をそらしたターレの腕をつかみ上着の裾をずらして、その痩せた手を見る叔父。


 「ごめん。ラーレ」と叔父が謝ったので、これはこれで良かったのかもしれない。


 その後、門番の一人が呼びに行った上忍職でこの町で一番の鑑定スキル持ちに鑑定してもらい、ラーレが犯罪者のオーラを纏っていない事を確認。


 まあ、俺達も鑑定されていたけど、仮装は見破られなかった様だ。


 なので、叔父である門番や門番達に、300万GAZUを渡し、門から外に出る事にした。

 主人公達は、お金を預ける事でラーレと旅立てることになった様です。

 ゲームには、そんなのは無かったようですが。

 この事も原因で、今後は所持金に拘る様になりそうなのかな。


 ちなみに、多分保釈金の正確な意味は違うと思いますが、異世界という事で。

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