第102話 ラーレの事情
主人公は、ラーレが冒険者として旅立てるように導いたようです。
しかし、ラーレの叔父が言っていたラーレの借金とは何だったのでしょう。
店から離れると、タマーラの方が聞いてくる。
「説明してよ。全然分からないんだから」
「だろうね。
ラーレさん、ステータスウィンドウを確認してもらえるかな。
多分、あった借金の契約が消えているから」
「えっ」と驚きつつもラーレはステータスウィンドウを確認している。
「そんな。2000万GAZU以上あった借金が消えています」
「それ、彼奴が偽装スキルで張り付けた奴だから」
「えっ」「えっ」と二人ともかなり驚いている。
「犯罪なのによくやるよ」
そう。
この世界にも人権はある。
王国と言った制度内には、ある様な無い様な権利だけど、世界の理的にはね。
だからか、世界の理には奴隷と言った人権無視の制度は無いんだけど、王国の制度にはある。
前世だと基本的人権は「人間が人間らしく生きるために生まれながらにして持っている、固有で、誰もが侵すことのできない、そして世界共通の権利」だったかな。
とても、そうは思えない事は、外国にも国内にも幾らでもあった気はするが。
その権利の内容は、3つだったり5つだったりした気がするが、まあいいか。
兎に角、この世界の理でも犯罪で他人を尊厳とかを踏みにじるのも、犯罪者だと認定されるモノがある。
絶対ではないのが口惜しいが、その辺は難しいのだろう。
だけど、彼奴らのやったのはスキルを使い他人の物を騙して取得する犯罪。
それは、盗られた方が認識すれば、確実に世界の理でも把握され犯罪となる。
仕入れの為の市町村間の移動の時に魔物に殺されてしまったラーレの両親。
その両親から相続した借金があるだろうとラーレを騙し、世界の理においても両親からの相続により彼女のモノとなるモノを奪い、勝手に自分のモノと偽り売っていていたのだから。
彼奴らは、犯罪者だ。
だけど、それは彼女が認識したら、だ。
それを偽装スキルで回避しやがって。
そう思っているとタマーラが言ってくる。
「なんで、そんな事を知っているのよ」
ああ。
そんなのゲームでは無かった確認なのに。
『助けて補佐さん』
そう呼びかけると、回答の仕方を教えてくれるので、その通りに応える。
「この都市にやって来た時に、物珍しくて色々と観ている時にこのお店が目に入ったんだけど、店先で売っているモノが気になったのもあり、鑑定が発動したんだ。
それで、店の所有者がラーレさんなのに違う事にする偽装に気が付いたんだ。
だけど、俺には関係ない、と無視しようと思ったんだけど」
そう言うと、正義感を持つ真面目さんなのだろう。
タマーラが睨みがキツクなってくるが、それを無視して話を続ける。
「店の近くに居た衰弱した気配のラーレが、あの店の関係者って気が付いた時にピンと来たんだよ。
で、申し訳ないけど、解析鑑定を勝手にさせてもらった。
必要なら、可能なら、救ってあげて、仲間になってもらうのが良いだろうって」
「そうだったんですか」とラーレは驚いている。
怒られる処なんだけどな、と思っているとタマーラの方が「鑑定、勝手にするの、駄目じゃなかったっけ」と言って来る。
「駄目だよ。
だけど、善意でする事だから、犯罪者に酷い目に遭わされていそうだから、と勝手にさせてもらった。
ごめんね」
「いえ。そのおかげで、助けていただけましたから」と本人からの許しは得られたか。
まあ、許されないとされている上に嫌われる行為でもあるから、注意しなければならない処ではあるんだけど。
そう思いつつ、複雑な感じのままの二人と、何時もの通りの二匹を連れて門に辿り着き、町の外に出ようとすると、ゲームでは2回に1回程度あったイベントになってしまった。
面倒なメッセージを読むだけのイベントだったけど、ラーレについての事実を知る為には役だったのかな。
だけど、何も現実でね。
まあ、確かこの門を使わなければ回避できたんだけど、何で反対側の門からってタマーラに言われそうだからね。
そう思いつつ、門番をやっているラーレの叔父に話しかけられているラーレの様子を伺う。
そう言えば、父が猿人族で母がドワーフだったか。
この世界では、母親の種族で子供は生まれて来る。
だから、父方の叔父だった奴は猿人族。
母方の叔父のこいつはドワーフなんだよな。
ちなみに、目の色とか髪の色とかは両親のどちらか、どころか祖父母と言った先祖にまで遡るから色々なんだけど。
そんな設定・世界の理を思い出しつつ、鬱陶しく絡んでくるドワーフに対処を始める事にする。
ラーレが委縮して何も言わないから。
まあ、イベントでもそうだったしね。
ラーレは、犯罪者の叔父とは別の叔父に面倒な事を言われるみたいです。




