ソリマチ全滅作戦
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リクの無事は、すぐにみんなに知らされた。
ユゲにもその知らせは行き、
「あーもう懲戒喰らってもいいわー」とまで言わせるほど喜んだ。
リクが拉致されてから、たった一晩の出来事だった。
捜索組が帰路に着くころには、空はもう白み始めていた。
皆すっかり疲れているはずだが、リクが無事だったということで、疲れはどこかへ行ってしまっていた。
ナツだけは、車の後部座席でリクに抱きついたまま眠っていた。
コウはそれを見て、
「子供か」と突っ込む。
リクは嬉しそうに笑っていた。
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皆それぞれの場所で解散したが、コウとリク、ナツは会社へ戻ってきた。
リクとナツはマンションを知られているので、とりあえず会社が安全ということになったのだ。
ナツを自室で休ませ、リクはコウの部屋へ行った。
とりあえず休め、と言って、広いソファに寝かせる。
リクは素直に横になり、目を閉じた。
コウがコーヒーを淹れる音、香りがする。
心地よくて、うとうとする。
隣のソファにコウが座る気配がする。
コウの手が目にかかる髪を梳いてくれている。
温かい、気持ちいい…そう感じながら、リクは夢の中へ入っていった。
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「さて」
コウが言う。
「うん」
タニが答える。
「だね」
社長が言う。
「ソリマチ全滅作戦と行こうか」
コウが宣言する。
「だっせー」
ナツが言う。
「黙れ、ガキ。リクに抱きついてゴロゴロ喉を鳴らしてたのはどこのどいつだ」
コウが言う。
自分がすぐにリクを抱き締めてあげられなかった恨みがこもっている。
どちらがガキかわからない。
「くそっ」
ナツが赤くなって黙る。
「まあネーミングは何でもいいが、ソリマチの現状を説明するぞ」
タニが言う。
「ソリマチは、人数は少ないが派閥がある。
この前リクを拉致した実行犯3人は、町田派で、町田が実権を握りたいためにうちの殺し屋を狙わせたってこと。
だが失敗したから、町田はもうだめだろう。
そして、反岡派だが、こちらが今実権を握っている。
まあ、お分かりの通り、反岡と町田が始めた事業で、「ソリマチ」だ。
今は対立しているがな」
「町田派でも反岡派でもいいが、というか、誰がどっち派とかわからんからな、一気に襲撃するのか?」
アガタが聞く。
「奴らが一同に会することはないだろうからな、一気にというのは難しいだろう」
タニが答える。
「だが、個別にやると、逃げる奴らもいるよな。
トップからやっていって、逃げた奴らは放っておくか」
タニが言う。
「全滅させたいがな」
コウの恨みは深い。
そこで社長が、
「トップはやるとしてさ、下の者たちはこっちが引き抜くってのはどうかな。
殺し屋として使えなければ、他の事やらせてもいいし。
何人くらいいるの?」
「町田派が3人、反岡派は反岡を除いて7人ですね」
タニが答える。
「あ、そんなにいらないか」
社長があっさり言う。
「5人くらいなら欲しいと思ったけど」
「選びますか?」
タニが言う。
「そう、うまくいかないだろ。
選んだ奴が来るとはかぎらねぇし、選ばれなかった奴から恨みを買うぞ」
コウが言う。
「それもそうだね」
社長が相変わらずあっさり言う。
「おそらく町田派はこの前の失敗で打撃を受けてるから、簡単だろう。
反岡派は反岡と側近に狙いを定めればいいんじゃないの」
コウが言い、社長とタニが同意した。
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ソリマチ全滅作戦が始まった。
アジトごとに襲撃することになった。
よく集まりそうなアジトを調査部が調べ、そこから順番にやっていく。
1つ目、ここは反岡派が4人いた。
シキミとアガタですぐに片が着く。
2つ目、反岡派の3人がいた。
イオリとタマキでやった。
これで反岡派は反岡のみとなる。
さすがにこの状況を話し合おうと、町田と反岡が会うらしいという情報を得た。
コウが行く。
埠頭の奥に、車が2台停まっている。
1台の車に2人が座って話している。
コウが助手席から近づくと、2人は驚いた顔をし、銃を取り出そうとしたが、遅かった。
まずは助手席の町田を撃つ。
車のフロントドアガラスが粉々に割れる。
そして運転席の反岡を続けてざまに撃つ。
(まったく、弱い奴が出しゃばんなよ)
コウのその顔は氷のように冷たかった。
町田派の残党は逃げたのか、どこにもいなかった。
既に遠くに行ってしまっただろう。
これでソリマチは解体した。
一連の仲間を狙われた騒動は、やっと終結を迎えたのだった。
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ソリマチの解体を知り、同業各社はビビっていた。
確かに、コウ以外にも、シキミ、イオリ、タマキ、それにアガタでさえ、他の会社の殺し屋たちに比べたらレベルが高い。
最近入った新人もいい人材らしいという噂だ。
欲しがっている会社はいくらでもある。
だが、これでよくわかった。
手を出してはいけないものがある、ということが。
ソリマチは身をもって、他社に教訓を与えてくれた。
皆、ソリマチに密かに感謝したのだった。
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