リクの捜索③
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八方塞がりだった。
どの候補地にもリクがいる様子はない。
しかし、最後のあの爆発した建物、何故爆破させたのだろうか。何のために…。
唯一の手掛かりは、外国人の男だった。
会社に連れ帰って、医者(闇)に手当をさせたが、言葉が通じない。
何語だったら通じるのか、日本語がわかるのに通じないふりをしているのか…。
とりあえず、コウは礼を言った。
「ありがとう。君が逃げろと言ってくれたから、俺たちは生きている。助かったよ」
外国人の男は、何やら雰囲気で理解したのか、頷いた。
「俺たちは、連れて行かれた仲間を探してるんだ。
リクという若い男だ。見ていないか?」
外国人の男は少し首を傾げ、「リク?」と言った。
しゃべれるじゃーん、と誰もが思った。
「そう、リク、知ってる?」
ナツが勢い込んで聞く。
男はやはり首を傾げながら少し頷いて「たぶん」と言った。
片言ならわかるのかもしれない。
「君の国はどこ?」タニが聞く。
「ベトナム」と言う。
「ベトナム語だ!」
早速タニが翻訳アプリを起動させる。
「リクという男を知ってるの?」
「たぶん知っています。縛られて閉じ込められていた」
「あの建物に?」
「はい。でも爆破するから別のところに連れて行かれた。私はスイッチを押して外に出たら撃たれた」
「あ、ごめん」
コウが一応謝る。
「いいえ、私たち、きっと悪いことしていることわかっている。ごめんなさい」
「リクはどこに連れて行かれたのかな」
「わからない。でも、たぶん遠いところ、スリーアワーズって言ってた」
「3時間かかるところ…」
「君はこのあと、どんな支持を受けているの?」
「何もない。見張りで雇われただけ。もう報酬もらったから家に帰るだけ」
「何か、他に気づいたことないかな、行き先に何かがあるとか、リクを連れ去った目的とか」
男はしばらく考えていた。
もともと真面目な性格なのだろう。
「ヨットハーバーって聞こえた気がする。違うかもしれないけど。
連れて行った目的は、自分たちの仲間になってほしいから」
「ヨットハーバー…調べて!」
タニが調査部に叫ぶ。
「くっそ」
コウが唸る。
「あいつら1人残らず駆逐してやる」
皆、そっとコウから一歩後ずさった。
*****
リクは、トイレから戻ると、ロープに繋がれたまま、また手を後ろで拘束され、移動させられた。
やはりトイレと反対側のもう一つのドアが出口だった。
ドアから出ると、車に乗せられた。
運転手と助手席に厳つい男、そして後部座席に自分と背の低い男が乗った。
どこに向かうのか、何か手掛かりが残せないか考えたが、どうにもできなかった。
もし、このドライブが長い距離の移動だったら…。
リクはまた頭の中で計画を練り直していた。




