リクの捜索②
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リクは拘束を解かないまま、ドア付近で待機していた。
ドアの外で気配がした。
ドアが開く。
先ほどの厳つい男がトレーを持って入ってきた。
「食事だ」
一言言うと、床に置いて出て行く。
そのわずかな時間で、リクはドアの外を見ていた。
ドアの前は廊下、右に行くと左に曲がる廊下がある。右側にもあるかもしれないが見えなかった。
逃げるならそっちだな。
出て左に行くと行き止まりかもしれない。
とりあえず運んでこられた食事を見ると、幕の内弁当とお茶のペットボトル。
まあ、もらえるだけマシかと思い、リクはそれを完食した。
次のチャンスはトイレだった。
食べたり飲んだりすると、トイレに行きたくなるのは当然のことだ。
この部屋には何もない。
さすがに連れて行ってくれるだろう。
しばらくして、ドアの向こうに呼びかけた。
「すみません、トイレに行かせてください」
足音が行ったり来たりして、やっとドアが開いた。
先ほどの厳つい男と違う男が来た。外国人のようだ。
手足の拘束を外してくれたが、腰にロープを巻き付けて、犬のリードのようにその端を持って連れて行かれる。
そういえば、コウさんが自分のことを『ワンコ』と言ったことがあったな、ふと思い出して幸せな気持ちになる。
トイレは、ドアを出て右に行き、更に右に曲がった廊下の突き当りに合った。
トイレには窓があったが、小さくてそこから出ることはできなそうだった。
音がしないようにそっと開けて外を見たが、暗くて何も見えなかった。
住宅街ではなさそうだ。
廊下には他にはドアも窓もない。
トイレを出ると、元の部屋へ戻るために左へ曲がるが、そのまままっすぐ行くと、突き当りに1つドアがあった。
そこは何の部屋か、外に出ることができるのか、わからなかった。
部屋の先の廊下も行き止まりだ。
なんだ、この建物は…。
出口はどこだろう。階段も見えないし、何階かもわからない。
リクは少し落ち込んだ。
簡単にはここから出られそうにないな。
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シキミのグループはある廃屋に来ていた。
車が停まっているが、人の気配はない。
監視カメラもみたところないようだ。
シキミとザビが中に入る。
真っ暗で、やはり人気はない。
外に出ようと、シキミが身振りで伝える。
ザビがオッケーと返し、外に出る。
外で待機していた3人も、人影は全くなかったと言う。
「また外れか」
シキミが言って、次に期待することにする。
一方、コウのグループも2度続けて外れていた。
最後の候補に向かう。
そこは異様な建物だった。
出入り口がわからない、四角い箱。
周辺に住宅はなく、荒れ果てた畑の真ん中にポツンと1件建っている。
車は2台停まっている。
監視カメラの赤い光がいくつか見える。
「当たりかもしれない」
コウが期待する。
監視カメラに映らないよう、入口を探さなければならない。
タニに電話する。
「この建物の構造わかるか?」
タニが「ちょっと待て」と言って、調査部に調べさせている。
しばらくして、
「山側の壁にドアがあるらしい。
だが、見た目にはわからんな。監視カメラもあるし、見つからずに侵入するのは無理だな」
「車があるから誰かが出て来るかもしれん。待つしかないか」
コウが言い、監視カメラの死角に陣取って待機することにする。
待つこと2時間、ようやくドアが中から開くのが見えた。
男が1人出てきて車の方へ向かう。
コウが狙いを定めて、男の足を撃つ。
男は「うわっ」と言って倒れ、足をかばっている。
すぐにコウとアガタが近づき、男に襲い掛かる。
「リクを拉致しているのはここか」
男は痛がりながら、首を横に振る。
外国人だ。言葉がわからないのか。
コウが英語でもう一度聞く。
男はやはり首を横に振る。
そして「逃げる! 早く!」と言う。
コウとアガタが顔を見合わせ、男を抱え、建物から走って逃げる。
途端に建物が爆発する。
傍にあった車にも引火し、爆発する。
間一髪、コウとアガタと男は巻き込まれずに済んだ。
明るい炎があたりを照らす。
みんな呆然としている。
まさか、リクはあの中にいなかったよな…まさか…。
考えたくないことを考えてしまう負の感情がコウの頭を支配しそうになる。
その時、ナツが言った。
「リクはあそこにはいない」
その言葉がコウの心に響く。
「ああ、そうだ、リクはあそこにはいなかった」
冷静になれ、冷静に、そうでないと助けられない。
コウたちは男を車に乗せ、会社へと戻って行った。
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