リクの捜索①
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リクはナツと夕飯を食べた後、アイスが食べたくなって、近くのコンビニに買いに行った。
ナツの分もいくつか買って、マンションのオートロックの番号を入力し、ロビーに入る。
何かの気配を感じた。
しかし、それらは一斉に襲ってきた。
抵抗する暇もなく、何かで口を塞がれ、意識を失った。
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リクが目を覚ました時、床に転がされていた。
両手は後ろで縛られ、両足も拘束されていた。
感触からすると、手も足と同じく結束バンドのようだ。
これなら簡単に抜けられる。
しかし、少し様子を見た方がいいだろう。
ここはどこか…見張りは何人いるのか…。
そもそも自分は何故拉致されたのか。
自分でも不思議なほど冷静だった。
拉致されてからの時間はわからないが、今頃きっとコウさんたちが動いてくれているはず。
そう思うと、何の心配も不安もなかった。
ただ…ナツが泣いているかも…そう考えるとふっと笑みが浮かんだ。
こんな状況なのに…テンションがバグっているのかもしれない。
リクが置かれている部屋は、建物の中の一室のようだ。
リノリウムの床、漆喰の壁、ドアが一つ、窓はない。
窓があれば、なんとか逃げられる可能性もあったのにな、そう考えていると、ドアの向こうに人の気配がして、ドアが開いた。
40代くらいだろうか、背の低い男と、その後ろに強面の厳つい男が2人で入って来た。
「目が覚めたね。
手荒な真似をしてすまなかった」
背の低い男がわざとらしい声色で言う。
「リクくんのことはいろいろと調べさせてもらったよ。
一流の殺し屋のコウさんのもとで、もう1年くらい経験があるよね。
うちもね、同じような商売をしているんだけどね、なかなかいい人材が揃わなくて困ってるんだ。
リクくんにうちに来てもらいたくてね」
一気にそれだけしゃべると、背の低い男はリクの反応を窺うように黙った。
リクは黙っている。
「ただ、ヘッドハンティングをしただけじゃ来てもらえないことはわかってたからね、こんな風に無理矢理連れて来させたんだ。
君が首を縦に振らなければ、次は誰を連れてこようかな…」
楽しむようにそう言うと、2人はそのまま部屋を出て行った。
リクは憤慨していた。
何なんだ! 何なんだよ! あいつは!
俺を、そして他の誰かを、こんなふうに無理矢理連れてきて、閉じ込める権利がどこにある!
もう閉じ込められるのはまっぴらだ。
俺はもうあの頃のような非力な子供ではない。
自分の力でここを出ることができる。
そう決めると、リクはまずは冷静になろうと努めた。
頭を冷やさなければ、何も考えることができない。
まずこの建物がどうなっているのか、ドアを出て、どう逃げればいいのか、それを知る必要がある。
次にあのドアが開くとき、外の様子を見ることができれば…。
リクは頭の中で計画を立て始めていた。
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コウたちは、ソリマチのアジトを片っ端から調べて回っていた。
気づかれないよう、夜の闇に紛れて。
監視カメラの数、見張りの人数、車の有無など、手掛かりになりそうなものを集めていく。
1つ、また1つと候補が消去されていく。
ソリマチからは何のアクションもない。
何を考えているのだろう。
コウは不安になった。
これだけでは終わらない気がする。
社長とタニに連絡を取る。
「今、ナツはシキミと一緒か」
「ああ、そうだ、どうかしたか」
タニが聞く。
「嫌な予感がする。
一度みんなを撤収させてくれないか」
「わかった」
そう言うと、タニが一斉に通知を送る。
会社にみんなが揃う。
イオリとタマキも合流している。
「コウ、どうした?」
タニが聞く。
「ソリマチが何のアクションも起こさない。
何か嫌な感じがするんだよ。
また誰かを狙っているのかもしれない」
皆が黙り込む。
「バラバラに動かない方がいいな。
相手は5人で襲ってくる。さすがにとっさには太刀打ちできない」
シキミが言う。
「こっちも5人で動くか。
効率は悪いが、調べていないのはあと数軒だ」
タニが言い、皆が同意する。
「じゃ、俺とナツ、アガタ、レイの4人、あとシキミ、イオリ、タマキ、ザビ、オキの5人で2グループだな、いいか」
コウが分ける。
「オッケーだ」
シキミが言い、グループ内での分担を話し合う。
それぞれのグループが出て行った。
社長とタニが残る。
「見つかりますかね」タニが自信なさげに言う。
「うん…」社長も浮かない顔をしている。
「コウも感じてるんだと思うんだよね、何か見落としている、と」
「そういえば、ユゲは来ないの?」
社長がタニに聞く。
タニは、今気づいたのかよ、と思いながら、
「海外出張だそうです」と言った。
「優雅だね…」
社長がボソッと呟いたのをタニは聞き逃さなかった。
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