表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/65

助っ人の参加

*****


3日後、会社の入っている図書館のロビーにあの女性の姿があった。


社長が出迎え、会社内へ案内する。

会社の部屋へ入ると、タニが出迎えた。


「管理部のタニと申します。

お待ちしておりました。よろしくお願い致します」

いつになく丁寧な挨拶だ。


女性は、

「警察庁、デジタル犯罪分析センター所属、警部補、弓削かおる。

ここでは今言った肩書は捨てますので、ただのユゲと呼んでくれ。

こちらこそよろしく」

と言って、手を差し出した。


タニは握手をしながら、少し戸惑っていた。

ミズキから聞いていた印象と違う。

だから、最初にバカ丁寧に挨拶したのだ。


しかし、ほっとした。この会社に女性はいない。このくらいさっぱりしている方がやりやすい。

タニはシステム等について一通り説明をし、今まで得た情報、これから欲しい情報などについて詳しく話していった。


ユゲはその都度頷いたり、質問したりしてタニと情報を共有していった。

社長は一安心、とばかりに自分の仕事に戻っていった。



ユゲが加わり、必要な情報が増えていった。

染谷からもたらされる情報もあったが、こちらからは全てを渡しはしなかった。

染谷の最終的な目的がはっきりしないまま、全てを渡すにはまだリスクがあった。




そしてその時はやって来た。

染谷が実行に移したいと言ってきた。


染谷が狙っている組織が動くという情報を得たらしい。

集めた商品(人間)が引渡される日時と場所が判明したとのことだった。


今回は大きな取引であり、組織のトップと引き渡し先の幹部が揃うらしい。

しかも、商品の選別を日本でしてから運ぶ、というのだ。


選別というのは、臓器売買、性的搾取、労働搾取、などの目的に合わせて人間を分けるということ。

分けてから、それぞれ送り先を決めるのだろう。


そこまでは理解した。

では、どこまでやるのか、ということだ。


染谷がどこまで望んでいるのか。

まさかその現場に踏み込むなどと考えてはいないだろうな。


うちは殺しはやるが、銃撃戦は想定していない。

社長は染谷と顔を突き合わせて話し合う必要があると感じた。



そして2日後、社長、タニ、コウ、そして染谷がモニター上で集まった。


染谷が最初に口を開いた。

「私としては、目的の組織の殲滅をしたいと考えています」


やはりそうか…社長が苦い顔をして言う。

「私たちは、そういう仕事のやり方はしません。そこはご存知だと思っていましたが」


「組織のトップがわかってんなら、そいつを先にやればいいんじゃないの」

コウが言う。


「相手の幹部には手を出さない方がいいでしょ。これはこちら側の都合だ。

捕らえられてる人たちの保護は前回みたいに警察に任せれば…」


「それでは駄目なんです。

向こうの市場にもダメージを与えなければ…」

染谷が力を込める。


「やっぱり、あんた向こうの市場も狙ってたんだ。

キリがないんじゃなかったの」

コウが言う。


「あんたが何を抱えてるか知らないけど、悪いが、そこまでは付き合えないよ。

俺たちは正義の味方でもないし、世の中を変えるつもりもない。

その組織がリクたちに関係があるのなら、俺はそれを潰す。でもその先は俺たちの仕事じゃない」

はっきりとコウは言い、社長たちも頷きながら聞いている。


染谷は黙った。

「そう…ですよね…」


やがて染谷は呟いた。そして、

「わかりました。やり方はお任せします。

組織のトップと被害者の保護、その過程での敵の排除、ということでよろしいでしょうか」


「では、そういうことで。必要な情報をいただき、段取りをします」

社長が答え、会議は終わった。




部屋には社長、コウ、タニ、ユゲが顔を揃えていた。


「信用できねぇな」

コウが言う。


「だよね、何かしそうだよね」

社長も同意する。


「染谷が勝手に動いたら、こっちが危険に晒されるぞ」

タニも言う。


「ふむ」ユゲが腕組みをして頷く。


「とりあえず準備をしながら、染谷を監視するか」

「そうだな、オキとレイに張り付かせよう」


引き渡しの日にちは今日から2週間後だ。

できれば直前にトップを殺って、取引が順調に進んでいるように見せかけるのがベストである。

ありったけの情報を精査し、段取りを決める作業が始まった。




その間にも依頼は入るので、シキミやタマキ、イオリコンビが仕事をこなしていた。


リクは、というと、コウから大きい仕事があるから訓練をするよう言われていたので、射撃の訓練やトレイルランニングで、日々体を鍛えていた。


ただ、リクは最近コウが違う仕事にかかりきりなので、寂しい思いをしていた。

しかし、アメリカでの厳しい訓練を、今はナツも受けていると考えると、甘えてはいられない、と自分を奮い立たせるのだった。



コウたちの計画が具体的になり、集合がかかったのは1週間後だった。


*****



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ