表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/64

人身売買

*****


コウが会社の自室でタニと話している。


「人身売買…ね」

コウが苦い顔をする。


「警察の仕事なんだけどね」


コウが言うと、タニは、

「警察は証拠がないと動かないじゃん。

証拠揃えるまでに海外に連れてかれるって言ってるんだよ、依頼人がさ。


依頼人の中学生の娘が行方不明になっても、警察は家出と決めつけて捜査してないって。確かに日頃の素行はあまり良くなかったらしいけど、依頼人が自分の伝手を使って調べたら、どうも人身売買の組織が関係してるってさ。依頼人も人伝てだから証拠はない。

なんとかならないかって社長んとこに話がきた。

藁にも縋りたい気持ちなんじゃないの」


タニが一気に話し終わる。


「それで、俺に何ができんの? 殺し屋に」

コウが聞く。


「俺が調べたところ、その人身売買の組織ってのは確かに存在する。

前、當間もやってたろ。

當間がいなくなったから、そいつらが勢力を伸ばしてるらしい。だから尻尾も掴みやすくなった。


ただ、捉えられた人の中に、依頼人の娘がいるかどうかまではわからん。

監禁場所を探るから、侵入して、とりあえず捕まってる人たちを逃がしてほしい。

その時に敵は殺していい」


タニが少しずつ具体的な話をしていく。


「正義の味方かよ」

コウが苦い顔をする。

「ガラじゃないんだけど」


「殺しは殺しだ。

ただ、親玉がわからねぇ。日本人か中国人か、他の国の奴かもわからん」


「じゃあ、そいつは後回しってことか」


「ああ、まずは今監禁されてる人が優先ってことだ」


「わかった。場所や見張りの人数がはっきりしたら知らせてくれ」

「それから…」コウが続ける。


「リクは連れて行きたくない。他の奴を手配してくれ」


「了解」タニが頷いて回線を切った。



なんとなくだが、コウは、リクとナツが人身売買の被害者だと感じていた。

そんなリクに今回の仕事はさせたくない。

売られる人間が監禁されている場所になど…。



調査部がはすぐに場所を突き止めたとタニから連絡があった。


依頼人がよく調べていたため、候補の場所を人海戦術で見張らせていたのだ。

場所はここから100km離れた埠頭にあるコンテナの中。


見張りは埠頭の入口に数人、ところどころに数人配置されている。

コンテナは何百とあるから、どれかははっきりしないが、おそらく近くに相当の見張りが張り付いているだろうから、行ってみるしかない。


タニから連絡を受けたコウは、殺し屋をあと2人頼んだ。



*****



2日後、埠頭から2km程離れた山道で、コウたちは落ち合った。

コウと殺し屋のタマキ、イオリこの2人は双子だ。


コウが段取りを説明し、皆で確認し合う。

今日は皆、防弾チョッキを身につけている。


「行こうか」

コウが言い、2人が無言で車に乗り込む。


タマキが運転する車に、コウとイオリが乗り込み、埠頭の入口から100メートル程離れたところでUターンし、すぐに停車する。


3人は車から降りると、そっと埠頭の入口に近づいていく。

草むらに隠れて見張りを確認する。


それぞれがマシンガンらしきものを手に持ち、外側を見張っている。

真面目だ。ボスがよほど怖いのだろう。


コウはサブマシンガンPDWを手にし、2人に合図を送る。

3人は見つかるまで近づくという作戦で、ゆっくりと近づいていく。



70メートルのところで、見張りの1人が気付き、声を上げる。


すかさずコウがPDWを撃つ放つ。


見張りの1人は倒れ、他の者たちが駆けつける。


コウが堂々と姿を現し、PDWを撃ちながら向かって行く。


タマキとイオリも、それぞれマシンガンを手に、コウの後に続く。

入口の見張りはすぐに倒した。


コウはすぐに中に入り込み、音を聞きつけて中にいる見張りが来る前に隠れる。


後はタマキとイオリに任せて奥の方へ進む。


途中で遭遇した見張りをグロックに持ち替えて撃って倒す。


3人を倒したところで、コンテナの影から顔を出すと、1つのコンテナの前に3人の見張りが張り付いているのが見えた。


(あれか)


コウはコンテナの影から、3発連射した。

1人は仲間の影に隠れて外し、相手が撃った弾がコウの頬を掠めた。

コウは落ち着いてもう1発撃つと、相手はあっけなく倒れた。


コンテナの前に行き、太いチェーンがぐるぐる巻きにされて南京錠をかけられたドアを銃を撃って開ける。


そっと開くと、怯えた者たちがこちらを一斉に見ている。


タマキとイオリも駆けつけ、生き残りがいないか周辺に目を光らせている。

「解放する」コウが言うと、

皆がホッと息をつくのを感じた。


だが、すぐには信じられないのか、なかなか出てこようとしない。


「入口まで歩いてくれ。そこに警察を呼ぶ」コウが、そう声をかけると、1人また1人とゆっくり出てきた。

10人の子供や若者がいた。

その中に、依頼人の娘もいた。


それを確認すると、コウはタニに連絡し、タニが匿名で警察を呼ぶ。

みんな弱っていたので、埠頭の入口までは10分程かかった。


警察が来るまでここで待つよう言い、コウは見張りの中で生き残っている者を1人連れて車のトランクに押し込んだ。


3人が車に乗り込み、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえると車を出した。

山道に入り込み、パトカーをやり過ごす。


コウはそこで2人と別れ、自分の車に移った。


トランクの男を社長の指示する場所へ連れていくよう2人に頼み、3人はゆっくりと車を出した。


*****



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ