卑怯者を殺る
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染谷の依頼が完了し、李はいなくなった。
その後の李の事業については、コウたちの知るところではないが、李の側近であったナツの動向については、コウも気になっていた。
リクはあの後、ナツの話はしないが、気にしているのはわかる。
どういう知り合いなのか、心配しているのか、警戒しているのか、それがわかれば対応の仕様もあるのだが。
一応社長にはナツの話はしている。リクの過去を知っている社長がうまくやってくれるだろう。
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コウは二人組の殺し屋の仕事を控えていた。
リクは前回の依頼をやったので、今回はコウだけでやることにした。
ニセの依頼でおびき寄せ、コウがやる…簡単な仕事だ。
だが、簡単に殺したくない、とコウは考えていた。
なにせ、リクの頭に銃口を向けやがった奴らだ。最後に俺を怒らせたらどうなるか思い知らせてやる。
コウは意気込んでいた。
ほぼ私情である。
2人組は必ず2人で行動する。
会社がニセの依頼を出し、会社所属の殺し屋、シキミがおとりになる。
シキミはまだ顔が割れていないし、悪人顔なのでうってつけだ。
シキミが、ヤクの取引現場に行くと見せかけて、山を少し上ったあたりの廃屋へ入って行く。
2人組がその後を尾行している。
その後ろをコウが見ているとも知らず。
2人組が廃屋の窓から中を覗いている。
シキミは外から狙われないよう、物陰に隠れている。
外からよく見えないため、2人組は仲良く二人で廃屋の中へ入った。
コウもあとに続く。
コウが後ろからいきなりグロックで一人の足を撃つ。
それを合図にシキミが物陰から出てきて外に出て、扉を閉めた。
シキミにはコウがやるから手を出すな、と言ってある。
2人組は急襲に驚き、コウを振り返ると、更なる驚きで目を見開く。
「お久しぶり」コウが微笑む。
「お前!」撃たれていない方が叫ぶ。
「嵌めやがったな!」語彙力がない男がまた叫ぶ。
「ああ、お返しってやつだね」
コウがのんびりと言うが、相手も既に拳銃を構えている。
コウは構わずもう一人の足も撃ち抜く。
相手は、話をしている間は撃たない主義らしい。
「うっ」と呻き、地面に膝をつく。
2人仲良く同じ体勢だ。
「俺の大事な仲間の頭に銃口を突き付けたろ。
あれさ…」
コウがゆっくりと近づく。
「許せないよね」
2人組はやっと思い出したのか、ハッとして顔を見合わせる。
1人が慌てて言い訳をする。
「悪かった、そんなつもりはなかった。お前の仲間なんて知らなかったんだよ。
ただ、藤宮って奴を殺れって依頼だったのに、先にお前らが来てたから…」
最後の方はもごもごとつぶやくように消えていく。
「ふーん、誰からの依頼?」コウがついでに尋ねる。
「それは言えない。わかるだろ、俺たちのルールじゃないかよ」
コウは笑った。
「ルール? ルールって言葉知ってるんだ。
まあ、いいよ。どうせ芦塚とか木場とか、そこらへんだろ」
コウがそう言うと、2人組は「くっ」と言葉を飲み込む。
コウは、それ以上はどうせ何も知らないだろうと思い、殺ることにした。
もう十分怖がらせたし、気が済んだ。
「じゃ、さようなら」
コウは言い放つと、続けざまに2発、二人の頭を撃ち抜いたのだった。
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