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リア充応援計画  作者: 梅木 仁
始まりの始まり。
21/28

第二十一話ーインテリジェントな彼女ー

こんにちは、こんばんは!

お久しぶりです。梅木仁ばいきんまんです。

一か月ほど投稿が途絶えまして、ごめんなさい。

お待たせしました。

20話分の改稿・校正を経ての21話です。

それではどうぞ。

次の日、小生は六時五十分の渥美線に間に合わせるために、五時半に起きた。

外はまだ太陽が昇りきっておらず、曇りガラスからは青いという印象だけが脳に流れ込んでくる。

小生は解凍しておいたごはんをレンジで温めて、インスタント味噌汁のお湯を沸かす。簡素な朝食かもしれないが、朝の寝起きにはこれくらいでちょうどいい。朝食の後はシャワーを浴びて、シャンプー、ボディーソープで身体を綺麗にする。他にもいろいろと家事をするわけであるが、一人分だけであるため、この生活に慣れ始めた小生にとってはもはや朝飯前である。そうして、家事を終えると制服に身を包み、小生は家を出るのだ。


アパートを出る折、ヤブミの着信音が鳴る。小生は端末を操作して、メッセージを確認する。昨日作ったヤブミのグループで、九条凛が「いってらっしゃい!」とメッセージを送ったようだ。小生が部屋を出るタイミングを見計らって…。やはり九条凛という女の子は何かありそうだ…。

小生は一応「おう!」とだけ返信しておく。すると芦湯さんの「おはよう」とメッセージが届く。


小生はイヤホンを耳に装着し、通学路を歩き始める。周囲には、いろんな人が歩いている。

小生と同じように制服を着ている三群校の高校生、

私服登校の一群校と思われる生徒、

制服で登校している小学生、

スーツでせかせかと歩いていく社会人、

犬の散歩をするご老人などいろいろな人とすれ違う。

小生は音楽を聴きながらその人々の顔、とりわけ目を見ることが多いが、多くの人の目に浮かんでいるのは、暗い影である。それは若い人になればなるほどだ。痩せこけている人、顔色が青白い人、目がうつろな人、顔面のどこかが赤い人がほとんどである。

小生の顔はどうなっているだろうか。中学校のいつ頃からだろうか、小生は自身の顔を見るのが嫌になった。理由はわからない。ただ見たくない、という嫌悪感が小生の脳内を支配するのである。したがって、顔を洗う時以外、見ることがなくなった。友人と写真を撮った時も確認は友人に任せて小生は見ない。


そんなことを考えていると、新宝南駅に到着した。集合より五分早い。

「あら、早かったわね、待たせたかしら。」

聞こえてきたのは艶やかな黒髪の女の子、芦湯成美である。

「芦湯さん、おはよう。芦湯さんこそ待った?」

「おはよう、こっちもちょうど来たところ。小畠くんは歩きで駅まで?」

「そうそう、十五分くらいだよ。芦湯さんはNR?」

「ええ、まあ、通うのにNRでも三十分くらいかかるから結構大変なのだけれどね…。それでも通学時間が長いってことはそれだけいろいろな景色を見ることができるってことだから別に苦ではないけれど笑」

「なるほど、芦湯さんは発想が豊かだね、通学時間ってマンネリになりそうだけど」

「そうね、多くの人はそうかもしれないけれど、毎日の小さな発見はそこら中にあると思っているからかしらね…。」

そういう彼女の顔を見ていると、今日もなにか生きる希望に満ちているように見える。

そう、さっきまですれ違っていた人たちとは違うのだ。

「そうこうしてたら、時間だ。行こうか!」

「ええ。電車の中でプランを話すわ。」

新宝南駅の改札を抜けて、小生たちは電車へと乗り込む。するとまもなく車掌の

アナウンスが流れる。

「六時五六分発三河田原行き、まもなく発車します。扉が閉まります~…」

車内は七時前ということもあって、学生よりも社会人が多い。多くの人はそれぞれの手にある端末に目を落としている。


「で、プランというのは?どんな具合なの?」

小生が口火を切る。

「まず、今の段階で、文化系の部活を宝南高校でやるのは不可能なのは明確よね。」

そうだ。三群校である宝南高校では文化系の部活は校則で禁止されており、運動部だけが認可されている。

「その網をくぐる必要があるよね。」

「そうよ、したがって一番手っ取り早い解決手段は、校則の改定。」

「だけれど、それだと教職員の同意がいるんだよね?俺もそこまでは考えたんだけれど、そのあとが煮詰まってしまってたんだ…。」

「ええ、そこで、私は発想を転換してみることにしたの。無理に部活にこだわる必要はない。“部活のようなもの”でも部活の機能は保つことができるんじゃないのかって。」

小生は彼女の言っていることがいまいちピンとこない。

「あら、少し疑問符が浮かんでいるようね。順を追って説明するわ。第一に、部活って考えているからいけないのであって、私たちがしたいのは、昨日話していたみたいに、話す環境が学校にほしいのよね、そうでしょ?」

確かにそうだ。小生はうなずく。

「そして、文化系の部活に一番近いことをしている団体があるわ。それが生徒会なのよ。生徒会は生徒の学校生活を支えるという点で、他の部活とは性質が異なっているわ。そして仕事というかしていることの内容も、運動部に比べて体育的な要素は薄いでしょ。」

「え!ってことは、生徒会役員になるってこと?」

「小畠くん、それは少し早合点ね。でも、いずれ選択肢の一つとしてありよりのありだけれど、今は時期尚早ね。」

「じゃあ、どうするの?」


「今の現行生徒会の下に部局を作るのよ。」


「え!?そんなことできるの!?」

「昨日、校則と一緒に確認していたのだけれど、生徒会規則の18条には、『必要に応じて、生徒会は、生徒会の管理の下で委員会、並びに部局を設置することができる。』とあったのよ。」

これこそ、芦湯さんにしかできない発想の転換かもしれない。究極の解釈といえる。

小生はゴクリと唾をのむことしかできない。

「そのルートを使えば、ね。」


ガタンゴトンと電車が揺れながら、目的地の小清水駅に向かう。

その中で小生たちの電車もゆっくりと動き始めた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

約一か月ぶりの投稿ということで、小生の書くのも肩慣らしが必要でして、文は短めとなっています。

さて、長らくお待たせして、読者の皆さんにはご迷惑をおかけしました。

懸案事項はまだまだ山積しているわけですが、21話という形でもう一度踏み出すことができました。

各方面からのご声援が本当に励みになっています。ありがとうございます。

これからも文才なき小生が、精一杯小生の文字で、小生の思い描く「何か(たぶん理想)」を書いてまいります。よろしくお願いします。

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