第十六話ー小畠、太森、九条、佐々木、芦湯、アウト~~!!ー
こんばんは、こんにちは。梅木仁です。
お待たせいたしました!!約一週間ぶりの投稿となってしまいました。
第十六話どうぞ!
「お、お疲れ・・・みんな・・・」
小生はその言葉を発するのが精一杯だった。
しかし、誰もテストの話をしない。小生の雰囲気から手応えのなさを感じ取ったのか・・・?
俊が思い立ったように言う。
「と、というか、先生たちが臨時の職員会議とか運がいいよな!」
それに九条さんがあわてて返す。
「そ、そうだよね。ほんと、このあとどうしよっか~?」
本当は4限まであるはずの授業が終わるというのは、言い換えれば昼ご飯を前にして学校が終わったということである。
「私は普通に帰らせてもらうわ」
「ゴッホン!待ちたまえ、芦湯どの。」
九条さんがいかにも江戸時代の大岡越前のように声を低くして芦湯さんを諭す。
「明日には結果がわかるとして・・・」
小生は思わず、ゴクリとつばを飲む。いよいよ小生の失態を・・・。
「今日はお疲れさまってことでお茶しよ~~~!!!」
一瞬、全員の頭には???とクエスチョンマークが浮かぶ。
そして少ししてから、だんだんと意味がわかってきたようだ。
「さ、賛成!!いこうよ!気分転換だね♪」
「そうだな~い、行くか!」
と、みっちゃんとコバが首肯する。けれども、芦湯さんはそのまま帰ろうとする。
「芦湯さんも行こうよ!」
芦湯さんはその言葉を待っていたかのように、
「ふっ、今日だけですからね!まったく特別!」
といいながら少し嬉しそうな声で返事をした。
帰り道、校門を出て小生たちは朝と同じ道を五人で歩く。
ただ、朝と違ってなにか物々しい。小清水駅までの500メートルほどの短い直線の道のりでも公安車両が何台も展開しているし、けたたましい警報音も遠くで鳴り響いている。野次馬のように地域の住民もちらほら見える。
昨日の入学式にはなかったけれども、最近は宝南駅の前でも公安車両が展開していたり、公安員がピストルを携行していたりと緊張感が漂っている日がたまにある。
「お、今日もがやがやしてんな。何があったんだろ?」
「なんか、テロ予告がネット上でされてるみたいだよ~」
九条さんが俊の問いにさらっと答える。
「え、そうなの!?」
思わず小生は九条さんに聞き返す。彼女の昨日の行動といい、彼女がどこから様々な情報を手に入れているのか気になるところではある。
「う~ん、なんかね~。宝南市内で最近よくあるじゃん?そういうやつの一連の事件みたい。多分だけど、臨時の職員会議ってやつもそのことが主題だと思うよ。」
「へぇ~、凛ちゃん、詳しいんやな!」
「すげぇな九条さん、確かに最近俺の近所でもにぎやかだし・・・そういうことだったのか!」
みっちゃんも俊も彼女の持っている情報量と、名探偵のような単純明快な推理に感嘆としている。小生的には彼女の情報源が気になるところではあるけれど・・・。
「ま、そんなことはおいといて、早く新宝南駅前のバスターに行こうよ!ほらほら、小清水まで早くいこ!!」
ちなみにバスターとは、行く予定の喫茶店の名前である。
「ちょっと、凛ちゃんってば~」
彼女は話をそらすように、みっちゃんの腰を押す。
「ほ~ら、小畠くんも太森くんも行くぞ~!」
「おう!いくぜ!なあ、コバ!」
「お、おう!」
「芦湯さんも、ほら、行こうよ!」
「え、まあ、長くならないなら・・・」
「よし!じゃあ行こう!」
小生たち五人は物々しい雰囲気の中で、バスターへの歩みを進めた。
最後部の小生は先頭の九条さんに、ついて歩く。
そんな小生に後ろからついてきていた芦湯さんが声をかけてくる。
「その~小畠くん、一つ聞いておきたいのだけれど。」
かしこまった口調で話しかけてくる彼女に小生は、まだ友達としての距離を彼女は持っているのだなと思いながら彼女に耳をかたむける。
「少し言いづらいのだけれど、九条さんはいつもあんな感じなのかしら?あれが素なの?」
小生は解答をするのに少し逡巡した。
「う~ん、その解答は小生にはまだできないよ。だって出会って二日だもん。」
そう答えると芦湯さんから意外な質問をされる。
「え、あなたたち、四人は同じ中学校とかそういう関係の友人ではないの?」
「そうだよ、俺と俊は同じ中学だけど、みっちゃんと九条さんは違うよ。」
「それなのに、あそこまで・・・そう、変わった方なのね、あなたたちも、九条さんも。」
「ははは、まあ、そういうのもありなんじゃない?いろいろな人がいていいじゃん笑」
小生が軽く、彼女に返事をすると、彼女は語気を強めてこう言った。
「あのね、小畠くん、あまり人を信じすぎてはダメよ。あなただから言っておくわ。」
その言葉に加えるようにして彼女は続ける。
「まあ、同性間のつながりならば、どのような距離感でとか、わかりやすいかもしれないから大丈夫だと思うのだけれど、異性間のつながりは少し慎重に考えた方がいいわ。九条さんに思い当たる節があるのなら、なおさらね。」
小生は少し疑問に思った。確かに彼女の言う通りなのは、歴史を勉強していればわかってくる。日本に名を残す政治家の多くについて勉強した小生にとって、異性との関係についてはわかっているつもりだ。しかし彼女がここに来て、小生に釘を刺す理由がイマイチ、ピンとこない。
小生は一抹の疑問を抱きながらもとりあえず彼女に礼を言おうと思った。
「え、あ、うん、ありがとう、芦湯さん」
「ええ、まあ、もっとも、これから大事になってくると思うのだけれどね・・・」
このときはまだ彼女のいう言葉の真意を理解し切れていない小生であった。
小清水駅に到着したら、すぐに新宝南行きの電車が到着した。
小生たちは急いでICカードを改札にタッチして、電車に乗り込む。
周囲には同じような学生は少ない。どうやら思いの外、時間が過ぎていたようだ。
飛び乗った二両目には誰もいない。静かだ。この時間の渥美線の利用者は少ないのだ。
「今日は何にしよっかな~、抹茶にしようかキャラメルにしようか・・・」
九条さんはさっきからバスターで注文する飲み物の話ばっかりである。今にもよだれをすする、じゅるりという音が聞こえてきそうだ。
「俺はよく知らんから、抹茶!抹茶に外れはないだろう」
俊はもともと運動部だったのもあって、とにかく早く何かお腹に入れたいようだ。
「私は、シナモン~!バスターのシナモンおいしいんだよ!」
みっちゃんも早いところ、決まったようだ。
「二人とも早いね~私はいっつも抹茶とキャラメルで迷うんだよ・・・笑笑」
「たしかに、バスターのキャラメルと抹茶もいいよね~まあ、今日はシナモンだけどね~笑」
「小畠くんはどうする?」
「俺は、そうだな・・・眠気覚ましにコーヒーフレーバーで。」
「え、真似しないでほしいのだけれど、小畠くん」
どうやら芦湯さんと小生の選択がかぶったようだ。
「二人とも大人だね~あんなに苦いのに・・・芦湯さんも眠気覚ましに?」
九条さんが聞く。
「いいえ、別に。ただ、コーヒーが好きなだけよ」
「イッツクール!だね!」
シナモンを選んだみっちゃんが英語を交えて笑顔で言う。
そうすると、なにやら芦湯さんがにやにやし始める。
「あら、佐々木さん、そこで英語を使うということは今日の英語のテストはよほどの自信があるのかしら?そうなの?うふふ笑」
芦湯さん、目が笑ってないよ?・・・笑
その一言でしーんとなる五人。
「冗談がきつかったかしら?まあ、明日には現実が・・・」
「「「それ以上いっちゃだめええええ(いうなああああ)!!!」」」
みっちゃんと九条さんと俊があわてて遮る。小生は諦めてしまって、もはや車窓から遠い空を見ていた。というより見るしかなかった。
「じゃあ、すうg・・・」
「「「それも!!!」」」
三人は再び慌てて彼女の言葉を遮る。小生は・・・もう語らずとも良かろう。
「あら、そうなの。残念。前祝いでみんなのバスターのドリンクに、アイスのトッピングをしようかと思っていたのだけれど・・・?本当にいいのね?笑」
芦湯さんの意外な言葉にこちらも驚きを隠せない。
「え、それって・・・芦湯さん?」
九条さんが聞き返す。
「全くこれだから・・・せっかく盛り上げたのに・・・」
芦湯さんが小声で言う。芦湯さんのツボが小生にはイマイチわけわかめである。
「ええっと、でさ、結論、芦湯さんの手応えはどうなの?」
みっちゃんがズバっと聞く。
「バスターでゆっくりお茶しながらにしましょう。ね、手汗がすごくて答案用紙が変色してた小畠くん?」
芦湯さんがそう言ったとき、ちょうど車掌が終点新宝南駅到着のアナウンスをした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
今話、第十六話はオリエンテーションテスト後の五人の会話でした!
正直なところ、小生はプロットを書くことはないので、いろいろ考えながら書いております・・・
つまり、今回の五人は誰が一位とか、誰が何味のアイスを好きだとか決めてないんですよ。
みなさんの想像はどうですか?誰がいいとかあります?笑笑
さて、相変わらず涼しかったり暑かったりしてます。小生も少しずつ体調を戻してきています!
いろいろつらいところもありますが、前向きに書いて参ります!
事務連絡。以前から申し上げている通りコミケ企画進行中です!よろしくお願いします!
ちなみに、感想、評価もお待ちしております!是非是非どうぞ!




