第十五話ーオリエンテーションテスト!(後編)ー
こんにちは。こんばんは。梅木仁です。
今話でとりあえずオリエンテーションテストのお話は区切りとなります。
それではどうぞ~!
小生は数学または国語もしくは英語が好きな教科かと問われれば、ノーと答えると思う。小生が好きなのは社会だ。地歴公民で選べといわれたのなら、政治経済が好きである。とはいえ、抜かりない。それはこのオリエンテーションテストで小生が学年トップをとることによって証明しよう。
一科目目、数学。九時、試験開始。
大問一。
代数、方程式や文字式の問題が目立つ。因数分解の問題もある。なんなくクリアーする。
それに連なって、確率、関数の問題も出題されている。ふっ、問題ない。予想の範囲内だ。
大問一が(ここまで予想通り)余裕なので、少し解説をしよう。
方程式の問題はなんと二次方程式の解の公式を用いる問題に加え、因数分解と展開の問題が出題されている。後半の問題には三次式の展開公式を用いれば簡単だ。
確率の問題は、豆電球の点滅を利用した条件付き確率の問題である。場合分けを確実にこなすことと、序盤の問題である順列との区別をすれば大きな問題ないと思われる。
ここでテストにおける二つの誤算を説明しておきたい。その二つとは、「通常の誤算」と「思ってもいない誤算」である。
「通常の誤算」といえば、例として計算ミスや、問題文の読解ミスが一般的である。小生の経験則でも中学校時代に、この「通常の誤算」によって失点したことはよくある。それゆえに小生もじっくり綿密に問題文読解や計算には時間と神経を費やすようになった。実際、失点することは少なくなったように思う。
しかし、もう一つの誤算、「思ってもいない誤算」は突如として訪れる。
そう、このような総合テストにあり得る「想定外の範囲からの出題」である。
関数・・・くっ・・・まさか・・・最初の方は単純に三次関数のグラフの極大値と極小値を求めた・・・あとに!?一次関数と三次関数との交点座標とその間の図形の面積!?
こんな問題、オリエンテーションテストで?
↑このひとことが「思ってもいない誤算」の典型例だといえる。
大問一で、これである。
続きまして、大問二。幾何の問題。
三角形の図を問題文から推測してできるだけ早く正確に書き、補助線を引いて解き進めていく。
図形問題の傾向として、大問全体が誘導になっているため非常に解きやすい。
しかし。
ここでも「思ってもいない誤算」は小生の解答ペースを足止めする。
ベ、ベクトル!?思わず、心の声が外に漏れそうになる。
時間をかければ解けないこともない問題であるが、ここは捨てる。大問一に続き大問二も高校卒業レベルの問題を出題してきている。
気づけば残り時間もわずか・・・あっという間に時間は終了十分前である。
最初の余裕なんてない。全ては「思ってもいない誤算」が原因だ。
大問一の見直しも終わっていない。大問二などなおさらである。
少しふうっと息を吐いて貴重な残り時間を使って周りの反応を確認する。
まず左隣。目標点数満点の芦湯さん。早々に解き終えて涼しげな顔をしている。目線は窓から見える青空に向かっている。
ええい、こうなったらと右隣。九割目標のみっちゃん。こちらも芦湯さん同様。
小生は頭を抱える。気づけば手汗と顔を伝う汗がすーっと首筋を流れて行く。どうなっているんだ。こんなレベルの問題を・・・いともあっさりと解き終えたというのか。正直、競争なんてどうでもいい。先生に呼び出されないような、無難な点数を確実に取りにいくしかない。
「はい、残り五分です~。氏名欄にちゃんと記名したか確認してね~」
佐伯先生の呼びかけを契機に小生はラストスパートをかける。
まず大問一。高校で習う数学の基礎は春休みまでに終えているので、基礎問題からとりあえず得点を固める。大問一は計算ミスさえなければおよそ六割の得点が臨めると予測する。それでも微分、積分は見直しに時間がかかる。その前の方程式と整数の問題で固めるしかないようだ。確率の問題は場合分けを必要とするから、知らない間に時間を浪費することが多い。ここはさっきまでの解答を信じるしかない。
次に大問二。余弦定理、正弦定理を使った基本レベルの公式を用いた、誘導問題の前半をとにかく確認する。角度の算出は図形問題特有の「勘」には必須なのでcos、sinの問題を中心に・・・。そして、ベクトルの問題は内積の問題、大きさの問題などの比較的時間のかからない問題の処理を優先する。
「はい、そこまで。筆記用具を置いて~。後ろの人は回収よろしく~」
気づけば五分などあっという間だ。数学、万事休す。小生はもう汗だくである。
まだ国語と英語のテストがあるが、疲れてしまって受けられそうにない。気分もそこまで乗らない。
小生自身が汗だくであるのだからシャーペンには水滴がついているし、テストの答案用紙はシャーペンの黒鉛でうすく灰色に染まり、また小生の汗で若干湿っていた。答案用紙はもはや途中式でぐちゃぐちゃになっている。
数学の答案用紙の回収後、十分休憩を挟んでその放心状態のまま、次の英語のテストへ。
周囲を見ればなぜかキラキラ笑顔が見える。芦湯さんだけは相変わらずクールだけれど。
この十分間、誰とも話していない。なにも考えないように、机に伏せていたからだ。
時間が来る。問題用紙と答案用紙が配布される。いやだ・・・もうなにも見たくないぞ・・・。
佐伯先生の始めの後に、一斉に裏返しにされた答案用紙をめくる。
その音はあまりにそろっていて、気後れしていてめくるのが遅れた小生に、焦燥感を植え付けるのには充分だった。正直、数学で落とした分、ここからの二科目で取り返していくしかない。俺だって、アイスが食べたいんだ!前提として、こうした焦燥感とかプレッシャーはテスト前に、テスト中に感じても気にしてはならないのだが・・・。
英語のテストはその気合いも、意気込みも、希望も、なにもかも打ち砕いた。
英語はそもそも外国語であるのは知っている。日本古来の言語ではない。そうはいっても中学校でも勉強したし、数学と同じく春休みまでに文法の基礎は押さえていた。でも全く内容が脳に入ってこない。意味がわからない。原因は英単語の勉強をほとんどしていないことだった。
英語のテストが始まる前からこういう結末はわかっていたといえばわかっていた。数学のテストの時点で、高校卒業レベルを軽く超える問題が出題されているのだ。ははは・・・空笑いしかでない・・・。
国語・・・もはや語るに及ばない・・・ノーコメント・・・。
佐伯先生が答案用紙を回収し終えて言った。
「みんな、お疲れ様~本当はこのあとクラス人事を決めたいところだけれど、緊急の職員会議があります。なので今日はみなさん下校となります~。人事はまたしばらくして時間のあるときに決めましょう。それでは気をつけて下校してください。さよなら。」
しばらく、窓越しに外の青空をぼぉーっと見ていた。
白い雲がぷかぷかと風に流されながら浮かぶ。
対照的に小生の脳には、「ああ、一日が終わった。いや、一生?」みたいな言葉が浮かんでいた。
「おい、コバ~大丈夫か~」
親友の声が聞こえた。
「コバくん、お疲れ様~」
「小畠くん、おっつ~」
「まあまあといったところかしらね、あなたは。」
四人が来た。小生と会話をするために。
小生は我に返った。彼らにアイスをおごるために。
最後までお読みいただきありがとうございました。
最初に、五月三日の投稿から遅れまして申し訳ありません。
実家帰省と風邪をこじらせたためです。気温差が激しい異常気象が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。体調を崩されているみなさんの早い快復を願っています。
さて、今話はオリエンテーションテストの主人公目線でのお話がメインでした。
いやぁ~皆さんはテストで爆死したことはありますか?
小生はありすぎてやばたにえん。←流行ってるらしいので使ってみたかった。物理とかわけわかめでしたので毎回爆死してまして、最後のテストは記憶では赤点プラス一点でした笑
勉強してもだめなときはだめ。もっとも作中の「思ってもいない誤算」は少ないですけれど。
さて、最後に、事務連絡。
当作品「リア充応援計画」が累計文字数三万五千字を越えました。それを記念して外伝か新作を執筆して、同人誌即売会にて販売しよう!ということが決定しています!販売は都合上一年以上先になりますが、必ず販売します!よろしければそちらもどうぞ。
それでは皆様の健康を願っています~。




