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リア充応援計画  作者: 梅木 仁
こうして物語は幕を開ける。
13/28

第十三話ーオリエンテーションテスト!(前編)ー

こんにちは、こんばんは。梅木仁です。

このたび、一週間近く過ぎて、ようやく十三話です。公約である5日で一話が達成できていません。

いろいろ立て込んでいまして・・・言い訳ですね・・・申し訳なく思っています。

それでは、十三話どうぞ。

電車の中は新宝南駅を出発して、徐々に熱気に包まれ始める。そもそも電車内は4月でも少し暖房が効いているのだが、人の熱気によって室温が明らかに上昇して、うっすら汗がしたたるほどに暑い。各駅に停車して、乗降口から流れこんでくる心地よい温度の外気に涼んでいるといった具合だ。それくらい、電車内が暑い。


小生、俊、九条さんは駅の構内を走ったといっても、改札前のスペースからホームまでなので、わずかな距離である。約三十メートルほどだ。

一方で、みっちゃんは小生たちよりも息が切れていたのは前話の通りだ。

「みっちゃん、なんか苦しそうだったけど、落ち着いた?」

「うん。もう大丈夫!」

「みっちゃんさん、なんであんなに息が切れてたんだ?」

「あ、私は太森くんたちとは違って、NR通学なんよ。だもんで、NRの改札から

駅の中とかずっと走ってきたから・・・しんどいよ?笑」

「それは、やばいわ。お疲れ、みっちゃん。」

「昨日も、今日もなんとかこの時間に間に合って良かったわぁ~」

宝南高校に通う生徒のうち、約二割の生徒がNRを利用して、新宝南駅まで来た上でそこから乗り換えて、渥美線を利用するという通学手段を取っている。駅の構内を通って新宝南駅の改札を通るまでは、徒歩で五分、走って二分といった具合で時間がかかる。距離にして約150メートルほどはあるだろうか。それに階段などの上り下りもある。

したがってNRが遅延した場合には、みっちゃんは小生たちと同じ時間の電車には乗れないことになる。

「電車の遅延だけは、どうにもこうにもできんからね・・・笑」

微笑みながらみっちゃんは言った。


市街地に住んでいる小生からしたら、宝南市は近代的な町のイメージがある。しかし実は違っていて意外にも農業都市である。

渥美線には、高師という駅がある。新宝南駅から五駅目だ。その駅を越えたあたりから、周りの景色はだんだんと田んぼに切り替わっていく。そこからは少なくとも、住宅街か田んぼが広がっている。言い換えれば、目と鼻の先に田んぼと市街地があるか、田んぼの中に住宅地がある。

ちなみに、この時期はまだ田植えもされていないため田んぼは茶色である。この光景が初夏を迎えるころになると、緑の小さな苗と水の透明色であたりが輝き出す。そして、水が引かれた田んぼから流れ込んでくる空気は冷やされていて、とても涼しい。蒸し暑さもなく、すぅ~っと電車内の空気を換気してゆく。

その高師駅から数駅行けば、小生たちの宝南高校から最寄りの小清水駅である。

電車内に目を向けてみれば、「あゆち大学前駅」までは高校生も多かったが、小清水駅につくころには、乗客のほとんどが宝南高校の生徒か社会人になる。

「なあ、明日の授業ってなんだっけ?」

俊が九条さんとみっちゃんに声をかける。

「今日はオリエンテーションテストで、明日から思想学と世界史だよ。ああ面倒。正直、小畠くんとかみっちゃんとかと話してたいわ~」

「え、高校の授業って本当に二科目だけなのかよ」

「入学式の前の登校日に、説明されてたじゃん。」

「そうだっけ?俺、てっきり七科目くらいやるもんだと思ってたわ」

「へぇ~太森くんって、しっかりしてそうなのに、結構抜けてるんだね笑」

みっちゃんがクスっと笑う。

「みっちゃん、太森くんは野球脳だけだからね笑」

「はぁ~?少なくとも俺は九条さんよりは良い成績取れると思うけどな!」

「ははは、それじゃあ、オリエンテーションテスト、私と勝負する?」

「ああ、いいぜ?臨むところだ。」

「私も参加する~!絶対負けないよ!」

三人で意気投合して、勝手に話が進んでいく・・・。

「せっかくだし、罰ゲームやろうや!」

「じゃあ、この中で最下位の人が、他の人にアイスゴチでいい?」

「いいよ!」

「俺もいいぞ」

「じゃあ、決まりね、小畠くん。」

「やい、コバ、自分は蚊帳の外とか思ってたんだろぉ~?ちゃんと入ってるからな笑笑」

「う~ん?どういうこと?」

小生はあえてとぼけてみる。

「拒否権っていうの、それ、小畠くんにはないから。」

「コバくん、どんま~い」


電車に揺られて外の景色を眺めながら、視界に入る黒髪読書少女と、聞こえてくる俊と九条さんとみっちゃんの声に、思いを馳せていただけなのに・・・。黒髪読書少女には、彼女のような孤高に近い、寄せ付けないようなオーラというか強さがいいなと。

三人の会話には、こんな雰囲気でみんなで小生自身のやりたいことを進めていけたらいいなと。

知らない間に、半ば強制的に、テストの競争にエントリーされるのは不本意だが。

「仕方ない・・・いいよ、けれどいくつか条件追加でもいい?」

三人とも首を縦に振る。

「まず、総合最下位の人が罰ゲームなのはいいけど、その人に一科目でも一位の科目があったら、最下位から二番目、つまりブービー賞の人が代わりに罰ゲームする、ブービー賞の人に一位の科目があれば、それはまた繰り上げになるってのはどう?」

「へぇ~、なるほどいいんじゃね」

「つまり、最下位の人でもチャンスはあるわけだ!」

「コバくん、面白いこと考えるね笑」

三人とも賛成してくれた。

「二つ目、確かテストは三科目だったと思うけど、三百点満点を取れたら、全員で満点の人にアイス。」

「「「はぁ~~???」」」

三人とも驚く。そりゃそうだ。

「そ、そんなん、無理ゲーだぜ?コバよ。笑」

「いくらなんでも、ねぇ・・・」

「まあ、私もコバくんも含め、みんな、無理だね」

「じゃあ、三つ目。」

「まだあるの??」

九条さんがあきれたように言う。


「あのさ、たしか、俺の隣の席の、昨日読書してた、よね?」


小生は、乗降口にもたれかかる彼女に声をかける。

彼女は怪訝そうな顔をしながら、小生に返答する。

「いきなり、なんですか?ナンパ?」

「いやいや、入学の時期にナンパはしゃーなしでしょ!笑よかったらさ、テスト、勝負しない?」

「え、なんで私が」

聞き覚えのある声だ。なぜなら昨日も彼女と話したからだ。

といっても、彼女に小生の情けない顔をなじられただけなのだけれども。

「え、昨日の入学式の後、あそこまで俺に言ってくれたじゃん?」

「あれは、あなたが悪いはずですが」

「悪い?なんで?いきなり俺の浮かない顔についていろいろ言ってくれたけどさ、正直なところ、意味がわからないんだよね。あんた何様のつもり?」

小生がたたみかけて、つとめて煽るようにして言う。

「だって、あれは・・・」

「へぇ~勝負に乗らないってことは、つまりあんなに大口叩いておいて、逃げるってことね?」

「そうは言ってない!!」

俊と九条さん、みっちゃんは少し気まずい顔をしている。

三人とも、彼女と小生の言い合いを納めようとしているけれど、タイミングがつかめていない。

「まあ、よくわかったよ。あなたはそういう人なんですね。読書してるだか、マンガを読んでいるのか知りませんけど、偉そうな口を叩くのは実力を見せてからでは?」

「はぁ?なによ、いきなり!」

「で?どうするのさ?」

「わ、わかったわ。じゃあ、そのテストの勝負、私も参加する。」

「ルールはわかってるよね?」

「ええ、さっきから聞こえてましたからねぇ。」

さすが、と小生は思った。普通に耳がいいだけでない。なんとなく彼女の「知らない振りをして、実は聞いている」みたいな能力はあらゆるところで、情報収集の役に立つ。

小生は俊たちに言う。

「それじゃあ。三つ目、ええと、名前なんだっけ。」

芦湯成美あしゆ なるみ。」

「芦屋さん参戦が三つ目の条件。どう?」

「ああ、まあ、もうコバの言うとおりでいいよ・・・」

俊は流れについていけてなかったようだ。

「芦屋さん!うん、いいね!やろう!よろしく!」

「みんなでやるほうが楽しいもん!いいよ!」

九条さんとみっちゃんは、話の内容を理解してかみんな快諾してくれた。

芦屋さんが口を開く。

「言っとくけど、容赦しないわよ。いい?」

それに対し、九条さん、みっちゃんが答える。

「「かかってこい!」」


電車の車掌が、小清水駅到着のアナウンスをする。小生たちは近くの乗降口からホームに降りる。

九条さん、みっちゃん、芦屋さん。

三人とも、黒髪に日光が当たって、綺麗に映えている。

そして、小生と俊。

この五人の物語は、まずオリエンテーションテストから始まる。


心地よい風が、昨日の鬱蒼とした感情を洗い流すように、背中から吹いてくる。

小生たち五人は、それぞれの歩調は違いながらも、合わせながら宝南高校へと歩みを進めた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

改めて、更新が遅れましたこと、お詫びします。ごめんなさい。実は小生、論文の執筆を共同で行なうことになり、また夏休みに勉強会を催すことになっておりまして、その準備もありまして、キャパオーバーでした。バイト、学校、執筆、論文、サークルと、うまく折り合いがつけられず、混乱していました。正直に言えば、今も解決していません・・・。もっとも、小説執筆は小生の生きがいになりつつあります。やりたいことの一つです。やりたいことと、やらなければならないことでいっぱいいっぱいでした。その関係でTwitterは荒れてますし、人にもいろいろと当たってしまいまして・・・。このたびは多くのご迷惑をおかけしています。

GWに入って、しっかり睡眠をとることができるようになって落ち着きつつあります。小説を始め、「執筆」というのは、小生にとって生きがいと申し述べましたし、魂を込めてやらせていただいています。ですから、しっかりとした小生が満足のいくものを、世の中の人に読んでもらいたいし、小生の自己満足もそこを求めています。したがって、ここまで執筆ペースがダウンしてしまっています。言い訳がましいですが、ご承知いただけると幸いです。

さて、今話はオリエンテーションテスト!ということです。懐かしい。小生にもそんな時期がありました。確か、小生の親友は進学校で学年2位とかでした。その親友はその後現役で医学部に進学したのですが、当時から一生懸命でした。とても真面目で、小生のような自称進学校の人間にも、優しく付き合ってくれていましたね。高校で別れてしまって、そのままの知り合いもいるなかで、結構仲良くしてくれました。

なんというか、あのときの小生は「彼の隣にいるべき親友でありたい」と思って、必死に追いかけていましたね。そのおかげで、小生も一応大学に合格して、今でも時々彼と連絡を取っています。


なんか、懐かしい話をしてしまいました笑

事務連絡です。

今話を持ちまして、35000文字(三万五千文字)を突破いたしました。これもひとえに、読者の皆様のおかげです。

従いまして、突破記念として、外伝、または新作を同人誌として、販売する企画を検討しています。

販売はしばらく先になりますが、必ず販売いたします。

「え、おまえ、いろいろ今は大変じゃねえの?」って思われた方、おっしゃるとおりです。

ですので、一年以上先になってしまいますが、書かせていただきます。


最後に、気温差が激しいこの頃ですが、みなさまの良きGWを願っております。

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