父に潜む影
仮面の刀使いはじりじりと歩み寄り刀を振り上げた。
「(何で?どうして?私、お父さんに斬られるの・・・?)」
神那はそう考えながらもその場から動けずにいた。
そして神梨もまた同じ状態だったようだ。
「逃げろっ!逃げるんだっ、神那、神梨!」
しおんが叫ぶ。
そんなしおんの叫びもむなしく仮面の刀使いは刀を振り下ろす・・・。
ガッキィィィン!
神那達が斬られたかと思ったその瞬間鈍い音が響き渡る。
「あ・・・」
神那が顔を上げると仮面の刀使いの刀をやはり刀で受け止める女性の姿があった。
「ま、真朝お姉ちゃん・・・」
仮面の刀使いの攻撃を防いでいるのは神那の姉、希望真朝であった。
「瑪瑙、神那をお願い!」
「ああ、任せておけ!」
真朝が声をかけると一人の青年が神那達の前に降り立つ。
「うぉっ、神那が二人いる!?ドッペルか!?」
神那達を見た瑪瑙がすっとんきょうな声をあげる。
「遊んでないで早く保護して後方に下がってよ!」
「お、おう・・・」
真朝に怒られながら瑪瑙は神那と神梨を抱えて後方に飛び退く。
そして真朝は仮面の刀使いに顔を向け言葉を紡ぐ。
「この容姿・・・この刀・・・あなたは本当にお父さんなの?仮面を外して顔を・・・見せなさいよ!」
真朝は力込め刀を跳ね上げると同時に仮面の刀使いの仮面を弾き飛ばす。
「・・・!」
仮面の下から現れたその顔、そこには真朝のよく知る10年前と変わらない神人の顔があった。
「か、神人・・・歳をとっていない・・・?」
瑪瑙が言う。
「大きくなったな、真朝・・・」
真朝に向けられる神人の優しい笑顔。
真朝に神人は歩み寄る。
だが真朝は神人に刀を向ける。
「何のつもりだい?真朝」
怪訝な表情を見せる神人に真朝は言葉を告げる。
「・・・確かにあなたからはお父さんの気配を感じる、でもそれ以上にお父さんは違う邪悪で禍々しい気配を感じる・・・、あなたは誰なの!」
その言葉を聞いた瞬間優しかった神人の顔が悪意に歪む。
「くくくくく・・・腐っても希望神人の娘か」
神人は刀を振りかざし真朝に斬りかかる。
真朝は再びそれを受け止める。
「お姉ちゃん!」
神那が叫ぶ。
「・・・再度斬り結んでわかった、あなたが何者なのか、そうお父さんが10年間いなくなる事になった減員、あの時倒す事ができなかった敵・・・」
神人は更に力を強くする。
「魔物の王、ディストール!!!」
真朝の叫びが木霊する。




