神梨の正体
「これはあなたの五感を低下させる力を持った薬物・・・私の世界から持ち込んだ私が勝つ為の最後の手段・・・!」
このままでは神那に勝てないと悟った神梨は最後の賭けに出た。
「なっ!そんなの卑怯だぞ!」
しおんが叫ぶ。
「私は負けられない!どんな手を使ってでも・・・!」
神梨は動きを止めた神那に歩み寄る。
「成り代わりを達成する為には相手を倒さなければならない・・・でも弱い相手と成り代わっても意味がない、全く持って難儀な仕様よね」
「!!!」
もう言葉を発する事もできないと思っていた神那が喋った事で神梨は慌てて飛び退く。
ドゴォン!!!!!
油断していた神梨の鳩尾に神那は正拳を叩き込む。
「がはぁっ!!!!」
鳩尾を押さえ後退る神梨。
「な、なんで・・・?」
「状態異常無効能力、生まれ持った特殊能力だって、私病気にすらなった事ないんだ、てへっ」
神那は舌を出した。
「ば、ばかな・・・」
神梨は顔を歪めた。
「そ、そう言えばそうだった・・・」
しおんもまた安堵の息を吐いた。
「これでもうあなたに勝ち目はないかな神梨・・・」
神梨は両膝をついてうなだれる。
「私の負けよ・・・殺しなさいよ・・・」
神梨はそう言い放つが神那はそんな神梨を抱きしめる。
「えっ・・・」
「バカな事言わないでよ、殺せるわけないじゃない、ねぇ、話してよあなたの素性を、あなたがどこから来たのか・・・」
「あなたに・・・ひどい事・・・したのに・・・?」
神那に抱きしめられた神梨は涙を流し始める。そしてそれと同時に四姉妹を隔てていた結界も解除される。
「教えて、全部」
神那がそう言うと神梨は語り始める。
「私はこの世界とは違う世界・・・言わばこことよく似た並行世界から来たの、そして私の父はその並行世界の希望神人、母は・・・希望愛梨」
「並行世界!?」
近付いてきたはづきが驚きの声を上げる。
「なるほど神那が産まれずあなたが産まれた世界軸と言う事ね」
さつきが言う。
「私の世界は天変地異が発生し滅んでしまった・・・お父さんとお母さんがかろうじて私をこの世界に逃がしてくれた、この世界に降りたった私はここが私の世界でないと認識しつつ何とか一人で生きていこうと考えていた、でも私は出会ってしまった・・・並行世界の私と言える神那、あなたに、家族に囲まれ幸せそうにしているあなたに・・・!」
神梨は語り続けた。




