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第13話 g'wレディスタート!前編

――憲法記念日 5月3日 『ソルスモール松戸』

篠宮姉妹と幼馴染組の5人は二手に分かれて

モールのなかで、それぞれ過ごしていた。


「二人とも、こっちこっち!」


篠宮姉妹とカコが訪れたテナントは眼鏡屋だ。

カコが個人的に買い替えたい品物が眼鏡である。


いつもより明らかにテンションの高いカコに

ポロッと口から溢れるエミィの本音。


「テンション高いわね〜」


ただ、溢れた本音も含めて柔らかな表情のエミィ。

カコの背中を肩の力を抜いた姉妹は足踏み揃えて歩む


「エミィお姉様!私ね、今……

とてもドキドキしてるの!」


エミナは胸に、その手の平を乗せていく


エミナの羽織るカーディガンが揺れる度に

その色がチラリと目の端に見える。


「えっ、だ、大丈夫かしら歩き過ぎかしら……休憩――」


「ううん、そういうのじゃないのお姉様!」


純粋にただ過度に心配し、辺りを見渡す姉

思いがけない反応に思わず被せてクスッと笑う妹。


「あっ、そっ、そうよね!過保護だったわね……

喜んでくれて、安心したわエミナ」


エミィは自身の眉間を摘んで、一つ呼吸。

ハンドバッグの錘を少し感じる。


「つまり……何が言いたいかって言うとね

私、とっっても嬉しいってこと!」


二人は揃って目先の眼鏡屋で

真剣に商品を吟味するカコを見据えた。


「こうやって、身内以外の方とお出掛け出来て……

好きな物が共通の新入部員に出逢えて」


エミナは、その高めのツインテールの巻髪を揺らす。

照れてるようで、実は強く微笑んでいる彼女を

ゆっくりと瞳に閉ざし、続けた。


「それに、エミィお姉様にお友達が出来たこと!」


エミナはグイッとエミィの鼻の先まで笑顔を

瞬間的に近づけて、大っぴらに言った。


「エミナ……」


その青色の瞳が、ツインテールを目に入れる度に

ギュッとハンドバッグの持ち手を握ってしまい

胸の中で高まるエミナという存在が煩わしくも愛おしく。


「2人とも〜これどっちがいいと思う?」


カコが口の前で輪っかを作り2人を呼ぶと

その次に手招きした。


2人は顔を見合わせて、口角を軽く横に伸ばす

「はいっカコさん!今、行きます!」


エミナが彼女の手を引き、場へ向かう。

引かれるままに姉のエミィも足を運ばす。


「カコさん、ごめんなさい!お喋り夢中になっちゃって」


カコは被っていたベレー帽のズレを直しつつ

2人が忙しなくやって来て、目元が徐々に細くなる。


「ううん、大丈夫だよ!

あぁ、やっぱりいい子だねぇエミナちゃん……」


エミナの顔を、まるで小動物を愛でるかのように

まじまじと見つめてニヤけるカコ。


「んんっ!……で、カコさん、何に悩んでたのよ……

そもそも、眼鏡とか付けるのねアナタ」


「あっ、ごめん!あまりにもエミナちゃんが可愛くて」


遮るように、声を鳴らすエミィ。


「目は実はワタシ悪くてさぁ、いつもはコンタクトなんだけど、眼鏡も使うからさ〜」


ジトっと眉を細めて、半目になりながら

エミナの頭を優しく撫でる意地のエミィ。


「それよりエミナちゃんはワタシ達と実は相性イイかも

曲の好みとか好きなアイドル同じだし!」


カコは悩んでいた2つの眼鏡を手に取って

エミナに最初にしれっと見せた。


「曲の好みぐらい、エミィだって同じよ?」


張り合うように放つが、その時には

2人は顎に手を当てて悩んでいた。


「うーん、こっちの丸メガネかなあ〜

 付けてみるねエミナちゃん」


片手に持っていた細いフレームの丸眼鏡を掛けるカコ。

それは彼女の優しさのある暖かな雰囲気からして

いいアクセントにはなっていた。


「うわぁ!似合ってますっカコさん!」


エミィは、知らぬ間に話が進んでいる事に

目をぐるりとさせて、ため息をつくと

「妹想いが裏目に出たわね……」と離れた位置で呟いた。


「いい?カコ……アナタのフェイスパーツと

顔型からして、似合うのはボストン眼鏡よ!」


吹っ切れたようにエミィが2人の間に入る。

ちゃっかりエミナを肩に寄せた事に妹本人は苦笑い。


「えっ、ホントに??」


するとエミィは、そこからより彼女に似合う

ボストン眼鏡のフレームと種類を選別し


「コレね……」


付けていた丸眼鏡を取り外し、該当眼鏡を付けさせた。

近くの鏡をカコは覗くと、瞳孔を開いた。


「カコさんとっても可愛いです!

 さすが、エミィお姉様!」


エミィは腕を組んだ。

ハンドバッグも小さく抱えると

目を閉じて、涼しく澄ました顔。


「まあ、エミィですから!」


「ありがとう……やっぱりエミィちゃんって

人をよく観察してる人だよね!」


カコは眼鏡を掛けたまま控えめに言って見せると

立ち姿はそのままだが、彼女の胸の辺りが揺れた気がした


「誰よりも人を見て。誰よりも不器用で純粋!

それが篠宮エミィちゃんだよっ!」


カコは眼鏡をゆっくりと取り外しながら放った。

手に持った、眼鏡を折り畳み

商品をレジカウンターまで丁寧に持ち運んだ。


「……アナタも大概でしょうに……」


彼女の背中を呆然として見守る。

そんなエミィは一言、本人にもエミナにも聞こえない

独り言を呟くのだった。



――『ソルスモール松戸』内 喫茶店。

店内はお洒落な様式で、落ち着いて過ごすことが出来る。

コーヒーの匂いが漂い、ゆっとりとした雰囲気である。


「うわっ、めっちゃ美味しい〜」


「そうですね」


サキとイマは、喫茶店を満喫中。

両者のテーブルの前にはコーヒーとパフェ。


「落ち着いて、食べてください」


その豪勢なパフェを前に、ブレーキをかける事なく

スプーンを持つ手を間髪なく口へと

パクパクと運んで頬張っていくサキ。


「だ、だっへ!おうひすぎふんだほん!」


頬張っている為か言葉が上手く発音できていないサキ。


それを前にイマは暖かなコーヒーを呑む。

その一つ一つの行動を丁寧に実行し

体温がじんわりと上がるのを彼女は感じる。


「サキ……」


その後、イマは先程までの緩ませていた顔を

硬く強張らせた。


「アタシに話があると言っていましたが、何ですか?」


パフェの容器から手を離すサキ。

同時に、彼女はイマの目ではなく口元の辺りに

目線を向けた。


「じ、実はねイマ……私さ」

次回更新は明日5月6日 20時!


感想コメント、♡、ブックマーク等々よろしくお願いいたします!


下記のYouTubeチャンネルにて

作中楽曲が実際に聴けます!


https://www.youtube.com/@%E7%A7%8B%E6%B5%A6%E3%83%A6%E3%82%A4

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