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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十ニ章:世界という波

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第242話:鬱陶しき

「さあ、突入さね。」


 《フェニックス》


 任意の物体を焼き払いながら進む、炎の鳥。


 空想上の存在が覇闘級火魔術で発動される。その燃える体の上にエミル・ミグルは乗った。


 空高く飛び上がり、上からその場所を見下ろす。目視により、救助するべき相手のいない場所を一瞬で判断する。



 《インタディクト》


 中にいる人々は何が起こったのか分かっていない様子だ。


 それもその筈。壁が全て塵となったのだ。


 インタディクト。己の魔力をぶつける魔術.....ディスマジックパワーに近い。


 ただし、その技術とは一線を画す。


 魔力を、物体の内側へ込め、内部から破壊する。


 故に、割れるのではなく、内部から粉々に砕かれる。


 また、魔術の発生点が内側のため、魔術を使用されたことにすら気付きにくい。


「っ.....て、敵襲!!!」


 混乱した敵のボス.....だろうか。辛うじてそう叫んだ。


 だが、敵が動くことは許さない。


 《スノーリング》


 大多数の兵士。それを氷の輪っかで瞬時に固定する。


 壁が壊れてからの一瞬。数秒すらない状況で、兵士とそれ以外を見分ける。


「さてと.....」


 そこまでしてから、エミル・ミグルは一息ついた。


「いくぜ.....!!」


 と同時にフローハットの面々。そして、ミアも動き始める。


 目標は一つ。


「探せ.....!!」


 兵士でない姿で、奴隷になりすます者。


 外部と連絡を取ろうとする者。


 俺たちを恐怖の目ではなく、希望の目ではなく。


「敵意の対象として捉えている者だ。」


 エミル・ミグルはそう告げる。上空にいる彼女にそれを知る術はない。角度的に無理なのだ。


「聖なる息吹は空前の灯火。光を求めし勝者の前に全てを見通す眼を開かん。」


 《透眼》


 移動しながら。半径50メートルでこの敷地.....半径500メートル程だろうか。


 それをルアは調べる。


 思ったより、多い。


「13人。」


『位置共有します。』


 フローハットの面々はそれぞれ、向かう。


 ただ、人数が足りない。


 仕方ない。


 これは、外部からの応援が来ると考えた方がいいだろう。


「例えば.....そうさね。魔術師に強い。剣士。」


 声と共に魔法陣が浮かび上がった。


「少し、面倒そうな物も持っているさね。」


 漆黒の煙に包まれ、転移してきたそいつを見て鬱陶しそうな目をする。


 ただ、一つ言えるのは、そいつは熟練の剣士であること。そして、熟練の魔術師でもあること。


 そして、もう一つ。そいつは、恐らく死んでいるのと同じだということ。


 あの煙は.....


「死者の力の抽出、及び召喚。」


 《バリア》


 エミル・ミグルが呟けば、彼女の正面には、それがもう貼られている。


 《雷砲》


 それは、敵から放たれた水覇闘級魔術を軽々と防いだ。


 防ぐと同時に、彼女は地上へ降りた。


「さあ、来るさね。指導してあげようさ。」

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