↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/208

感謝祭と魔王について

ちょっとした説明回になります。

 ヘルミーの冒険者登録を済ませ、オレとヘルミーは夕方ぐらいに家に帰ってきた。


『マスター、おかえりなさいませ』

「おう、ただいま」

「ただいま戻りました」


 まだ夕飯には早いから魔族大陸に行くにあたって打ち合わせでもするか。


「ミコ、ヘルミー。ちょっとウィネのところにいくからついてきてくれるか」

『はい、大丈夫です』

「もちろん大丈夫ですわ」


 オレたちがウィネの部屋に行くとウィネがいつもと違う服を着て立っていた。


「あれ? ウィネ、その白い服は?」

「ふふふっ、どうだ似合うか?」

「あぁ、似合うよ。いつも黒いから新鮮だな」

「もし欲情したならこのまま寝室でも良いぞ」

『ウィネが私に勝てばいいですよ』

「おいっ、なぜミコが答えるのだ!」


 実際に似合うからそれは後日でいいんだけど……。


「ところで、なんでその服を着てるの?」

「ウィネさん、もしかしてアレですか?」

「おっ、気づいたか! さすが、ヘルミーだな」


 なんだろ、この女の子だけがわかってる感じ。ちょっと疎外感を感じ……るかなと思ったけど、オレにはミコがいた。ミコは一切興味なさそうに毛づくろいしてる。


「何かあるのか?」

「ヒーロは訓練ばかりしてるからだぞ。昨年までは我もヒーロを誘えんだからな」

「ん?」

「ヒーロさん、もうすぐ12の月ですのでクラリシア様への感謝祭が各所で行われますよ」

「あぁ、お祭りね」


 そのお祭りのことは知識には確かにあった。あったのだが、今までトレーニングばかりしていたために15年間まったく頭になく忘れていた。

 

 ここセントリムの月の呼び方は地球とほぼ同じで間に「の」が入るだけである。

 12の月の前半は、人族の各所でそれぞれ1日から1週間ほど創造神様に1年無事に過ごせたことを感謝するお祭りが行われる。お祭りの仕方は各所で異なるみたいでいろんなタイプがあり、人族だけでなく興味のある魔族はその地のお祭りに行くらしい。


「ヘルミーも行きたいのか?」

「はい! わたくしはもう縁のない話だと思っておりましたが、ヒーロさんのおかげでこのように元気にしておりますので」

「もし行くのなら我がヘルミーの服も用意してやろう」

「ありがとうございます、ウィネさん!」

「ヘルミー、もし必要だったらお金渡すから言ってな」


 オレがこのセリフを言ったら、なぜかウィネとヘルミーがジト目になった。


「なぜヒーロと行こうとしておるのにお金を渡すのだ!」

「えっ? オレも行くのか?」

「もぉ、ヒーロさん!」


 お祭りに興味がなかったから行くという選択肢がなかった。あと、オレに関しては創造神様よりアースターに感謝したほうがいいような気がする。


「我らは2人っきりでヒーロと行きたいのだ」

「そうですわ! デートですわ!」

「あぁ、なるほどね。了解、もし行きたいところがあれば事前に言って、オレが先行して街とかに行ってワープホール使えるようにしておくから」

「相変わらず便利だな」

「そうですわね」


 ここまで話しててもミコはいまだに興味がないみたいだな。


「ミコはどうする?」

『私はマスターと一緒にいられるのであれば家で十分です』


 一片の迷いもないな。


「ミコよ、我らと違ってお前は夢がないな!」

『私の夢はマスターと一緒にいることです』

「すでに叶っとるだろ!」

『これから先もずっとです!』

「ミコさん……素敵です」


 素敵なのはいいのだが、さすがにそれだと代わり映えがないので。


「ミコはオレと行ったことがないところブラブラするか」

『はい! 喜んで!』


 ミコはちぎれんばかりに尻尾を振って顔をオレにこすりつけている……相当うれしいんだな。



 

 それはさておき、オレがここにきた当初の目的の話をすることにした。


「ウィネ、魔族大陸に行く件だけど、ヘルミーも連れていくことにしたから」

「そうなのか。ヒーロとミコと我がいたら何も起こらないだろうからいいと思うぞ」


 やはりウィネもヘルミーのことを考えてくれてるみたいで良かった。


「そのことだけどな、念のためあと1カ月ぐらいはヘルミーを鍛えようと思う」

「ヒーロは心配性だな」

「保険みたいなもんだよ。だから、1の月の真ん中ぐらいに行こうと思う」

「うむ。了解した」


 魔族大陸に行くのはいいのだが、基本的な情報をここにいる4人で合わせておいたほうがいいと思ったのでこの場でヘルミーに教えてもらうことにした。


「ヘルミー、行く予定のクラージュフェッロってどういうとこなの?」

「クラージュフェッロは、魔王ロリアデラ様が1000年以上治めている領地の一番大きい都市でロリアデラ様の居城もそこにありますわ」


 1000年か、たしか強い魔族って見た目もほぼ変わらず寿命もないとか知識にあったな。

 

「そのロリアデラさんって強いの?」

「はい、4人の魔王の中で一番お強いそうですわ。魔王は人族の冒険者でいう超級相当なのですが、その中でもロリアデラ様が一番らしいですわ」


 超級までいくとその中でピンキリなんだろう。それにしても人族は一番強い魔王さんが穏健派で良かったな。強硬派が一番強かったらすでに人族大陸の領土はどっかの魔王の支配下にあったかも。


「わたくしは実際に拝見したわけではないのですが、ロリアデラ様は顔をすべて覆うような特殊なフードをお召しになられているそうです」

「ん? たしかメデューサだったよな、ということは視界を封じてるってこと?」

「はい。メデューサで力が強すぎるためか視界に入ったものすべてを石化するというのをお聞きしたことがありますわ」


 メデューサってものすごく気を使うんだな。それだけ強ければ石化するかしないかって自分で制御できないのかな。


「そのフードはロリアデラ様の力を抑えるそうで、その状態でも魔王の中で一番お強いとのことです」


 力を抑えて一番強いとか、なかなかおもしろそうな魔王さんだな。


「ところで、この前オレが魔族大陸を見たのってここから真西にいったとこなんだけど、そこって誰の領地?」

「グーモンスの森から西であればロリアデラ様の領地になりますが、少し上に行くとバンジャック様の領地になるかもしれませんわ」

「バンジャックって?」

「強硬派の魔王で、魔王になってから30年ぐらいだったかと思いますわ」


 今回は穏健派の魔王さんのところがいいので、ちょっと南のほうにワープホールを作って上陸する感じでいくか。


「ちなみに、穏健派の魔王さんのところに上陸した場合、クラージュフェッロまでどのくらいかかりそう?」

「その海岸はたしかクラージュフェッロの隣の街のウォルテスキアになるかと思いますので、馬車があれば1日ぐらいで着くかと」

「そっか、走れば数時間で着くのか」

「えっ!?」


 ヘルミーをどうしようか。最悪お姫様抱っこして走ればいいかな。


「ヘルミーはミコにでも乗れば良いだろう」

『私に乗っていいのはマスターだけです』

「融通の利かぬやつだな」

「まぁまぁ、今回はトレーニングがてらヘルミーにも走ってもらうよ」

「えっ!?」

「オレらはヘルミーがついてこれるかどうかぐらいで走るから」

「はい…………気安く行きたいなんて言わなければ良かったですわ……」


 とりあえずこの1カ月はヘルミーを鍛えつつ、オレは適当に依頼をこなしてトレーニングしながら過ごしますか。


今年中に魔族大陸に行くまでの話を入れて、キリ良く来年からロリアデラ編をスタートさせたいと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。