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デスゲームの悪役になった俺の生存戦略  作者: ハチ


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第39話 報酬(前編)

いつも応援ありがとうございます!

本日(10/15)より、本作を「第15回ネット小説大賞」に応募いたしました!

ここから1月上旬の第一部完結予定に向けて、デスゲームも二人の関係もノンストップで加速していきます。

ぜひ、本日の最新話も楽しんでいってください!

 しばらくそのまま、響く鐘の音と茜色に染まる廃墟の街を眺めていた。

 ゲーム開始時には不気味に見えた廃墟も、今は朽ちた風景がなんだか物悲しくそこにあるだけだった。

 やがて少しずつ、深く澄んだ音を鳴らしていた鐘が、ゆっくりと余韻を漂わせながら止まった。


(――終わった、のか)


 そう思った瞬間、体がふっと浮くような感覚に包まれ、景色が切り替わる。

 崩れかけた鐘楼の最上階ではなく、白い光に満ちた、何もない空間だった。

 妙に規則正しい鼓動を、背中越しに感じている。

 それが自分のものではないと気づくのに、数秒かかった。

「……え」

 思わず声が漏れる。

 周囲を見回して、俺はようやく気づいた。

 自分がまだ、玲に後ろから抱きかかえられたままだということに。

 胴体に回される力強い腕、後ろにほぼ体重をかけているにも関わらず、背中に感じる体温はびくともしない。


「透真さん! 凍黒さん!」

 動揺していると、そう遠くない場所から嬉しそうに名前を呼ぶ声が聞こえてくる。

 振り返ると、エマと陽太が笑顔でこちらに駆け寄ってくるところだった。

 二人とも無事だ。

 良かった、と安堵する。

 嬉しそうにこちらへ近づいてこようとした二人の足が、突然ぴたりと止まる。

 笑っていた顔がそのまま固まり、二人の視線が俺と玲の体勢に釘付けになっていた。

(――まずい)

「っ、放せ!」

 ハッと気づいた俺は思わず声が裏返り、腕を振り回しながら抱える腕から逃げる。

 玲は特に慌てる様子もなく、あっさりと腕をほどいた。

 慌てる俺とは反対に玲の顔には照れも動揺も見られず、何を考えているのか分からない。

 ただじっとこちらを見つめる瞳がやけに印象的だった。


 エマが何か言いたそうに口を開きかけて、結局何も言わずにニコッと笑いかけてくる。

 陽太に至っては俺と玲の顔を何度も見比べながら、俺よりよほど動揺しているような様子だ。

 何か言ってほしいような、何も言わずに黙っていてほしいような、微妙な空気が流れる。

 とりあえず誤魔化すように二人へ声をかけようと口を開いたところで、辺り一帯に大音量のファンファーレが鳴り響いた。

 パンパカパーン、という間の抜けた音に、俺とエマ、陽太が同時に肩を跳ねさせる。

 玲だけが、慣れた様子でその場に佇んでいた。

 同時に、視界の端に半透明のウィンドウが浮かび上がる。


『――生き残った皆様、おめでとうございます。ミッションクリアを確認しました』


 文字が宙に浮かぶようにして表示される。

 全員の視線が、同じウィンドウ画面を見ているのであろう目の前に固定されていた。


『ミッションE:廃墟の街の宝探し クリア』

『功績に応じて報酬ポイントを付与します』


 文字の下に、一覧が現れる。


 『鴉城透真:初回クリアボーナス +500pt/特別功績ボーナス(特別な宝発見)+500pt』

 『柊エマ:初回クリアボーナス +500pt/特別功績ボーナス(キーアイテム地図発見)+300pt』

 『凍黒玲:継続クリアボーナス +200pt/特別功績ボーナス(討伐貢献)+300pt』

 『芽吹陽太:初回クリアボーナス +500pt』

 『渡:継続クリアボーナス +200pt』

 『レオ:継続クリアボーナス +200pt』


「な……千ポイントっ!?」

 画面を見ていた陽太が、一番報酬の高かった俺のポイントを見て目を丸くする。

「討伐貢献って、前のミッションでもありましたよね?」

 エマが不思議そうに首を傾げる。

「そりゃあ文字通りの意味で、今回のミッションで一番多く敵を倒した報酬だぜ」

 渡が笑いながら口を挟む。

 その隣でレオは相変わらず口数少なく、肩をすくめただけだった。

「それにしても今回は宝目当てに参加したものの、結局めぼしいアイテムも手にできなかったし、最後の戦闘は骨が折れた。終わってみりゃ骨折り損のくたびれもうけだな」

 肩をすくめながらため息をつく渡にレオも頷いた。

「前にもEランクをクリアしてるから、報酬も継続ポイントだけだな」

(……継続、か)

 俺は内心、レオのその一言に引っかかっていた。


 一度ミッションをクリアした後は、その後に同ランクまたは低ランクミッションを繰り返し受けても得られるポイントは僅かだ。

 この世界ではすべてがポイントを中心に回っている。

 衣食住もミッションで使えるアイテムを購入するにも、ポイントはあればあるだけいい。

 よほどの理由がない限りは、低ランクのミッションを進んで受けるプレイヤーはいないはずだ。

 そこまで考えて俺は玲の顔をチラッと見た。

最新話をお読みいただきありがとうございました!

冒頭の二人の距離感、楽しんでいただけていたら嬉しいです。

前書きでもお伝えした通り、本作は本日より「ネット小説大賞」に参戦しております!

コンテスト期間中、読者の皆様からのブックマークや評価(★)が、作品が上位に上がるための最大の原動力になります。


もし「今日の話も良かった!」「これからのデスゲームの展開が気になる」「二人の絆を応援したい!」と思ってくださったら、ページ下部から【ブックマーク登録】や【評価の★】をぽちっと押して応援していただけると、執筆の物凄い励みになります……!


1月の第一部完結を目標に週3回ペースで全力で駆け抜けますので、一緒に見守っていただけると嬉しいです!

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