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第二十三話 米軍の動き ――残り4日
2027年3月13日(土) 07:18
新聞社、編集部。
机に突っ伏したまま、一人の記者が眠っていた。
その横へ、紙コップを両手に持った男が近づく。
「おい!」
「……んぁ?」
記者がゆっくり顔を上げた。
目の前に紙コップが差し出される。
「あぁ〜……ありがとう」
受け取ると、そのまま一口飲んだ。
「官邸からは?」
男が向かいの椅子に腰を下ろす。
「全く」
記者は首を振った。
「じゃあ、何もなしか」
「まぁな」
もう一口、コーヒーを飲む。
「ただ……知り合いの記者から聞いた話なんだが」
「ん?」
「米軍が朝から慌ただしく動いてるみたいだ」
男の手が止まった。
「米軍が?」
「あぁ」
記者は紙コップを机に置いた。
「在日米軍関係者の家族に、国外退避の準備をさせてるって話だ」
「家族を?」
「あぁ」
男は少し考えたあと、椅子にもたれた。
「まぁ、あんなのが現れりゃ、そら逃げたくもなるだろう」
「……それだけならいいんだけどな」
「何が言いたい?」
記者は答えなかった。
机の上のパソコンへ目を向ける。
画面には、大阪上空に浮かぶ巨大な紋様の写真が表示されていた。




