7.狂乱
泣け無しの頭をフル機動して書き上げました
白くて白くて白い。
視界1面が白い世界。
……僕はまた死んでしまったんだろうか?
あれ?でも腕は普通に動くような
――――むにっ、むにむに
手のひらに、むにむにした変な感触がある
「いつまで触ってんじゃ!」
耳元でハクモフのうるさい声が聞こえてくる。でもそんなの関係無い
――――むにむにむにむにむにむn
「キュキュキュッ!」
―――バチンッ
「ウゲェッ」
頬に痛みが!と思っていたら視界の光景が変化していた。真っ白な世界からハクモフの大きな顔へと.........。
―――――――――――――――――――
「今日は何するんだ?」
ハクモフの元気な声が聞こえてくる。
先程まで僕は、異空間と呼ばれる世界に行っていた。ハクモフが1人で寂しいと思ったから。
でも実際行ってみたら、異空間の居心地の良さに一種の気持ち良さのようなものを感じていた。そしてそのまま僕は、幸せな睡眠へと誘われたのである。
異空間には前世で見た植物や食べ物があった。ウサギには一生掛かっても食べきれないほどに。ハクモフは今まで1匹で生きてきたから、今更別に寂しいなんて感情はあまり無いらしい。ただ、少しでも来て欲しいと言っていた。
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ハクモフを拾っt...友達になってから3日目の朝、僕はようやく、白狼退治に行くことを決心する。いやまぁ、退治なんて大層なものでも無いんだが...。
「よし、ゼロムいこーぜ!」
「あ、ハクモフ待って。武器の確認をしたい」
と、言っても。僕の武器は右手に、尖った握り拳程度の大きさの石。左手には、獣道に落ちていた長い木の棒だ。
「よし、確認終了。じゃあ、行こうか」
「よっしゃー、なら狼が沢山いる所に案内するぞ!」
「え、それって巣じゃ…?」
―――――――――――――――――――
さあ、やってまいりました!
前方には約20頭の白狼の群れでございます。ハクモフは何故、僕をこんな地獄に連れてきたのでしょうか?
「キュ?」
「いやいや、可愛くとぼけてもダメだから」
はぁ、やるしかないようだ
「ハクモフは囮になって、1体1体おびき寄せてね」
「任せとけ!」
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『レベルアップしました』
コレで討伐数は5になる。まだ10頭以上いる。また1体、哀れな狼がやって来た。
「キュ〜!」
「ウォンッ」
今だ!......ハクモフが茂みから抜け出してきた瞬間に、左手を突き出す。
―――グシャッ
気持ち悪い音が出たな、と思っていたら狼は即死だった。棒は左腕と共に狼の口の中に入っている。
棒の先は狼の後頭部から突き出ている様だ。引き抜こうと力を込めようとしたら
「ウォォォン」
見つかった...。
ヤバイヤバイヤバイ、必死に左腕を抜こうとするが、棒が引っ掛かって抜けなくなっている。生きた狼が僕目掛けて、飛び付いて来た。
あの時の光景が脳裏に蘇ってきた。生きた狼の事も忘れ、あたり1面が血の海になったという錯覚に陥ってしまった。
「キュー!」
ハクモフが捨て身の攻撃を狼にした。直ぐに僕は、現実に引き戻された。
忘れなければならない。頭ではわかっているのに、まだ少し引きずってしまう。
「ギュッ!?」
あ。ハクモフが体当たりを喰らった...?
その瞬間、ナニカ分からない、変なドロドロした感情が身体の中で蠢いていた。もう、過去のあの記憶なんて何処かに吹き飛んでいた。今はただ目の前の敵を駆逐するだけだ。
「ガルッ?」
死ね。
目前に迫った狼の鼻先に向けて、僕は飛び込むように頭突きをした。
狼が少し怯んだ。畳み掛ける様に、立ち上がり左手で狼の首を掴み取り、力任せに地面に叩き付ける。
あとは、いつもの通りに。いや、いつも以上に、徹底的に右腕を振り下ろす。
「お、おい!もういいぞ、ゼロム。他の狼が血の匂いに釣られて来るかもしれねぇ」
ハクモフの声で、我に帰った。
今まで一番酷い光景が目の前に出来上がっていた。肉は千切れ飛び、血の海にグチャグチャになって落ちている。頭があったであろう場所は一番酷く、ミンチになった骨と肉と脳ミソが、一塊になって佇んでいる。
―――――――ピロン♪
『レベルアップしました』
『スキル:憤怒を手に入れました』
確認するか。
『名前:ゼロム
種族:ホブゴブリン
従者:ハクモフ
レベル:6
HP:8/8
MP:7/7
攻撃力:10
防御力:6
筋力:6
体力:6
敏捷:5
魔攻:4
魔防:1
運:8
・スキル
鑑定眼Lv2
言語理解
全魔法習得(Lv15まで使用不可能)
殴りの心得Lv7
召喚魔法
従者強化
憤怒(我を忘れ怒りに身を任せることで、防御力を0とし、攻撃力を3倍まで高めることが出来る。任意に発動する事は不可能)
・称号
魔神の加護を受けし者』
攻撃力が2桁まで行っている。憤怒は任意に発動できない、防御力皆無があるせいでいいイメージが持てないが、諸刃の剣の様なスキルだな。
今日はもう疲れた。狼7匹を殺し、喰えそうなのが2匹。あんまり喜べないな。
「ハクモフ帰ろうか」
「おう!……ちょ、ちょっとまて!」
「ん?どうした?」
「逃げるぞ!早く!」
「だから、どうしたんだよ」
ハクモフが駆け出したので、後を追い掛ける。ふと、好奇心から後ろを振り返った。
「グギャアァァァァ!」
僕の3倍以上の背丈がある、怒り狂う熊の姿がそこにはあった。




