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人ならざる者の英雄譚  作者: 白夜@紅羽
23/32

21.魔眼(未覚醒)

本日2話目です。

「俺様の名前はハクムだ!よろしくな!」



え?居た?


「おーい、どうしたんだ?」

「まさか、本当に居るなんて」

「あ?どゆこと?」

「い、いや。何でも無い

改めてよろしく!僕はゼロム」

「ああ、知ってる」


何故、言わせたし!


「何故、言わせたし!

あ、心の声が」

「は?俺様は言わせてねぇだろ!

ただ、自己紹介しただけだろうが!ふざけんじゃねぇ!」


ハクムの右手に呪炎が集まっていく。

僕は咄嗟に、しゃがみ込む様に前方に転がる。


―――ズドォン



先程までいた場所、すぐ後ろの地面が、3m近く抉れ取られている。直ぐに右に転がる。


―――ズドォン


また、放たれた呪炎


「よく避けたな!

なら、コレはどうだ!」

―――グシャアッ


声が聞こえた瞬間、僕の下半身は消失し、残された部分もハクムの呪炎に絡め取られ、徐々に消えて行く。

このままでは確実に死ぬ。何故こんなことをするかは分からないし、こんなことしたくない。けど!僕は覚悟を決める。

「完全治癒」によって僕の下半身が治ってゆく、またさっきの技をハクムが打とうとしている。

ハクムが右足を上げた瞬間、気付かれないように作り上げた針状呪炎をハクムの足裏に飛ばす!


「ぐあっ」


距離を取るように後方に飛ぶ僕。

それがイケなかった。ハクムは倒れ込みながらも、風魔法で覆った攻撃...黒風を右足からそのまま撃ってくる。

回避できない僕は、空中、黒風の射線上に呪炎のバリアを即座に展開する。


―――ズドン


重々しい音を立てながら黒風は後方の土をまた抉った。

避けきれはしなかったが、なんとか右腕1本で済んだ。


「死ねぇ!」


グフゥ、ハクムの右腕が僕の胸を貫通する。魔石はギリギリの状態。

どうして...?さっきまで、倒れていた筈なのに。


「ふむ、決闘はここ迄だ!お前は弱いな」


なに、勝手に決めてんだコイツ。

ハクムが右腕を引き抜くと、俺は血だまりを吐きながらも、ハクムを睨みながら


「まだだ!」


眉間が疼く。何故かは知らんが、相手も同じようで、顔を顰めている。

僕は顔を上げ、そのまま勢いよく振り下ろす!

角が2本ほど折れて激痛が僕を襲うけど、ハクムの方が痛そうだ。だって最後の1本がハクムの右のこめかみを貫いている。

疲れた。意識が徐々に失われていく。最後の力を振り絞り叫ぶ。


「僕の勝ちだ!」

「ハッ!確かに驚いたが俺様はまだ闘える。お前はもう限界だろ?

この闘いは引き分けだ!いいな!」



もう、限界だ。最後に感じたのは、最大級の痛み。


「「ガアアアアアァァァァァ」」


僕とハクムの眉間が縦に開かれ、絶叫がリンクする。直ぐに僕は気を失った。




―――――――――――――――――――


〜ハクム〜



ガアッ、痛みが俺様を襲う。ゼロムの姿を見て俺様に何が起こったのかを理解した。

紅き眼がハクムの眉間に存在していた。

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