21.魔眼(未覚醒)
本日2話目です。
「俺様の名前はハクムだ!よろしくな!」
え?居た?
「おーい、どうしたんだ?」
「まさか、本当に居るなんて」
「あ?どゆこと?」
「い、いや。何でも無い
改めてよろしく!僕はゼロム」
「ああ、知ってる」
何故、言わせたし!
「何故、言わせたし!
あ、心の声が」
「は?俺様は言わせてねぇだろ!
ただ、自己紹介しただけだろうが!ふざけんじゃねぇ!」
ハクムの右手に呪炎が集まっていく。
僕は咄嗟に、しゃがみ込む様に前方に転がる。
―――ズドォン
先程までいた場所、すぐ後ろの地面が、3m近く抉れ取られている。直ぐに右に転がる。
―――ズドォン
また、放たれた呪炎
「よく避けたな!
なら、コレはどうだ!」
―――グシャアッ
声が聞こえた瞬間、僕の下半身は消失し、残された部分もハクムの呪炎に絡め取られ、徐々に消えて行く。
このままでは確実に死ぬ。何故こんなことをするかは分からないし、こんなことしたくない。けど!僕は覚悟を決める。
「完全治癒」によって僕の下半身が治ってゆく、またさっきの技をハクムが打とうとしている。
ハクムが右足を上げた瞬間、気付かれないように作り上げた針状呪炎をハクムの足裏に飛ばす!
「ぐあっ」
距離を取るように後方に飛ぶ僕。
それがイケなかった。ハクムは倒れ込みながらも、風魔法で覆った攻撃...黒風を右足からそのまま撃ってくる。
回避できない僕は、空中、黒風の射線上に呪炎のバリアを即座に展開する。
―――ズドン
重々しい音を立てながら黒風は後方の土をまた抉った。
避けきれはしなかったが、なんとか右腕1本で済んだ。
「死ねぇ!」
グフゥ、ハクムの右腕が僕の胸を貫通する。魔石はギリギリの状態。
どうして...?さっきまで、倒れていた筈なのに。
「ふむ、決闘はここ迄だ!お前は弱いな」
なに、勝手に決めてんだコイツ。
ハクムが右腕を引き抜くと、俺は血だまりを吐きながらも、ハクムを睨みながら
「まだだ!」
眉間が疼く。何故かは知らんが、相手も同じようで、顔を顰めている。
僕は顔を上げ、そのまま勢いよく振り下ろす!
角が2本ほど折れて激痛が僕を襲うけど、ハクムの方が痛そうだ。だって最後の1本がハクムの右のこめかみを貫いている。
疲れた。意識が徐々に失われていく。最後の力を振り絞り叫ぶ。
「僕の勝ちだ!」
「ハッ!確かに驚いたが俺様はまだ闘える。お前はもう限界だろ?
この闘いは引き分けだ!いいな!」
もう、限界だ。最後に感じたのは、最大級の痛み。
「「ガアアアアアァァァァァ」」
僕とハクムの眉間が縦に開かれ、絶叫がリンクする。直ぐに僕は気を失った。
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〜ハクム〜
ガアッ、痛みが俺様を襲う。ゼロムの姿を見て俺様に何が起こったのかを理解した。
紅き眼がハクムの眉間に存在していた。




