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オークについて

 今回はみんな大好き!伝説の女騎士キラー、オークさんの話です。

 一体何人の女騎士がオークにやられたのか……そんなうら……けしからん事ばかり気になりますがまあ戦術の話なので『んほぉ!』とか言ってる女騎士は置いといて戦術の話に移りましょう。

 

■オークとはなんぞや?

 取りあえずオークの相手をする前にオークの性能の話です。

 これがないと理論上の戦術を建てられませんからね。

 で、オークを考えるわけだけど、まずぶつかるのはオークってどんな生き物何だ?ってところだよね。

 皆が一般的に思い浮かぶのは顔が豚や猪に近い腹の出た二足歩行の獣人みたいな感じのやつだよね。

 ただ、オークの原典とされる、『指輪物語』では豚顔じゃないんだよね。

 むしろ日本人がイメージするゴブリンとかの方に近い感じ。

 それじゃあなんでオークのイメージにこんなに差が出来たのかというとほぼ間違いなく『ドラゴンクエスト』のせい。

 あれで出てくるオークが豚の顔をした獣人だったのでその影響が出ているっぽい。

 で、そんなふうに見た目にばらつきのあるオークをひとまとめに考えるのもあれなんで今回は豚顔で腹の出た二足歩行のオークを考えます。

 海外イメージのオークだとゴブリンと被ってしまうので。

 

 

■オークの特徴

 さてオークの特徴について話します。

 オークと聞いてまずイメージされるのは一番最初に書いたとおり女騎士襲ったりと性欲旺盛なことだよね。

 オークがやたら数多く書かれるのはその生殖力のせい。

 また普通の村人(戦闘技能のない人たち)よりある程度、力が強く描かれることが多い。

 さらに、武器を使う程度の知能は持っており、集団で狩りをする。

 まあこの辺がオークと聞いてイメージされる特徴かな?

 オークメイジとかオークジェネラルとかなんか魔法使ったり鎧で武装してる上に現実の人間の将軍くらいの統率力を持った分けわかんない上位個体は今回は無視するね。

 そんなんいたら人間まず勝てませんし……

 

 まず、体重と身長の定義から行きましょうか。

 ……この時点で躓いているような気がしなくもないが人によって書く、身長違うんだよな。

 大人より若干小さく子供くらいと描かれることもあるし、むしろ人より若干大きく圧迫感を出すように描かれることもある。

 その描写からおおよそ小さいものは130センチメートル前後、大きいものでも2mくらいと見て間違いないだろう。

 となると体重は似たような体格をした動物であるオランウータンから見るに小さいものだと100キロ前後、2mくらいの大きいものだと200キロ前後だと思われる。

 

 次にオークの戦闘方法について見ていくことにする。

 最初に書いたとおりある程度の群れ、少ない群れだと5体位から、多いものだと100体から狩りをするものだと見られる。

 性欲旺盛なこともあって増えすぎたオークの群れはもう軍隊レベルと言っても過言ではない。

 ただ、知能は低いと考えることが多いので陣形などは組まず散開し囲い込むような形で襲ってくるものとみられる。

 この辺りは狼とか群れで狩りをする生物を参考にした。

 武器に関しては主に棍棒、拾った剣などを使うことが多く、武器の加工技術、鋳金技術は持っていないとする。

 まあ稀に内政やらかすオークがいるけどソレは無視。

 そんなんいたらまず現実的な軍隊だと数倍以上の戦力差が出るからね。

 またオークの移動速度については人間と同等に描かれることが多い。

 以上のことから以下の性能で戦術を考えるものとします。

 

 オークのスペック

 身長 130cm~2m前後

 体重 100kg~200kg

 武器 主に棍棒や剣(剣に関しては敵から強奪したものが多いためボスやリーダーなどの上位個体のみが持つものとする)

 知能 狼やハイエナなど群れで狩りをする動物程度の意思疎通は出来る。

 備考 5体位の小隊から100体を超える部隊による散開戦術を取る。

 

 

■対オークの戦術

□魔法があるとき

・個人あるいは少数のパーティで戦う場合

 まあ魔法がどの程度のものかによるけど楽だよね。

 主に簡単に倒しているイメージがあるのは魔法があるとき。

 だって大砲や銃火器持って戦っているのと同意義だもん。

 それでもオークの数が多い時は苦戦するみたい。

 主に軍隊における戦力の計算は、質×量の2乗×速度の2乗で表される。

 そのため量が増えると魔法があろうと戦力的に釣り合う人数というものが出てくる。

 物量を活かして多方面からの回りこみやられると厳しいですしね。

 詠唱時間の問題もありますし。

 なので敵は散開戦術を取りますので、囲まれた場合は即座に敵の一点を撃破、即座に離脱し部隊の立て直しを図るとともに、オークの後ろを取るように動く必要がある。

 ただ回りこむには地理に詳しくないと出来ないので確実に数を減らしつつ離脱し、本陣に戻るというヒット・アンド・アウェイの戦術を取るのが普通だと見られます。

 繁殖力があると言っても1週間、2週間で倍倍に増えていく訳ではないのでこの辺りが妥当でしょう。

 と、そう考えるとギルドにおいて常時オーク討伐クエストが出ているような設定は普通によく出来た設定だと思いますのでそういった設定は現実感が出て非常に良いと思います。

 


・数百人以上の軍隊で戦う場合

 まあちょろいけど地形によってはかなり苦戦する。

 平野ならば敵の機動力は人間とほぼ変わりないため騎兵により回りこんでの包囲殲滅が可能となるが、戦力が分散しやすく、騎兵が木々によって指向性を持たされる森林などに於いてはかなりの苦戦を強いられる。

 これは魔法を持っていたとしても持っていなかったとしても同様である。

 数百人以上の軍隊であればまず間違いなく集団心理が働くため、森の中で度々ゲリラのように現れ、襲撃するオークは部隊の行軍、士気に甚大な被害を与えることであろう。

 森を焼いてしまっても構わないのであれば簡単に現実の世界の戦術の用に戦略爆撃後の制圧と同じようなことができるが、そもそも森の資源(動植物や鉱物)の確保が目的でありその障害となるオークの撃破を念頭においていることが多いため本末転倒となる。

 それでも森のなかで戦闘を行いたいのであればそれぞれを10人以下の少数の部隊に分け、それぞれに隊長を置き、小隊レベルで散開するオークを各個撃破するしかないだろう。

 


□魔法がないとき

・個人あるいは少数のパーティで戦う場合

 無理。どうあがいても絶望

 だって現実の人間って一対一だと犬にすら勝てないのでまずやられます。

 剣術に優れた人ならなんとか1体を切り倒して離脱がせいぜいかな。

 少数のパーティなら1体ならなんとか協力すれば倒せるかなってところです。

 まあ、オークは群れで生活する生物なのでそんなこと普通ない。

 まず間違いなく2,3体以上で行動してるので負けます。

 すぐさま離脱しよう。

 女なら薄い本みたいにやられるよ。

 そういう願望ない限り逃げたほうが幸せ。

 あ、よくある薄い本設定作るなら多分魔法なしの世界観のほうが現実的だね・

 

 

・数百人以上の軍隊で戦う場合

 こちらもなかなか厳しい。

 魔法ある時と変わらず地形による差が大きい。

 こちらも平野部ならば騎兵を用いて楽に倒せるが森林部など障害物が多い地形ではかなり不利。

 しかも先程の魔法がある場合と比べて各個撃破も厳しいのでより絶望的。

 諦めたほうがいいと思うが一応考えることにする。

 相手の機動力などは人間と同様であるため弓や弩で戦うことになる。

 ただ現実でも熊や猪を倒せるほどの弓となると相手の体格の関係もあってかなり強い弓が必要とされる。

 弓であればそれなりに訓練が必要とされ、弩でも矢をつがえられるくらい力の強い人間が必要になる。

 また弩に誰でも簡単に引けるような機構を入れると構造が複雑化し、破損率が高くなるため経済的ではない。

 そのためそういった特殊な技能を持つスペシャリストを敵のオークの数の2倍以上は用意し、なおかつ囮や壁役として槍兵を配置、遠くから離れて射ると言った戦術になるだろう。

 あるいは結構な人数の犠牲が出ることを覚悟で剣士を多く配置し10人以上でオーク一体を囲い込み各個撃破すると言う戦術を取ることになる。

 まあ、そんなことを出来る軍隊は経済的に優れた軍であるので地方の領主程度の軍ならまず間違いなく負ける。

 

 

 

 以上がオークとの戦闘における考察になります。

 前回のドラゴンでも思ったことだけど魔法の力って偉大だねw

 戦術を考えるような知性は無くても散開し距離を取りつつ包囲する狼程度の知能は持ってるのでなかなかに苦戦します。

 そういった存在を魔法無しで安々と切り倒したり、矢で射抜いたりするような人はやはり英雄と呼ばれるに値するんだなと再認識、出来ました。

 どの作品とは言いませんが某若、マジでチートですね……

 そりゃ出世するわ。

 

・まとめ

 オークを倒すときは機動力を活かして回り込もう。

 機動力を生かせない時は局地的に数的有利を作って足止めし、遠距離攻撃でダメージを与えましょう。

 

 さて次回の話ですが魔法を利用した陣形とかについてちょくちょく考えています。

 よくある感じのファンタジーだと密集陣形組んで遠距離から魔法を打ってばかりで面白みにかけますし、そもそも相手も同じことやるんだから悪く言えば大きな的があるわけでこれは魔法を使った陣形として適してはいないんじゃないかと思ったことが何度かありました。

 というかそれを書きたくてこのファンタジーにおける戦術論をまとめているので多分次回は長くなります。

 ではまた次回にお会いしましょう。さようなら。

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