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第27話 【一般社団法人】の設立と学園祭。特務部隊による究極の【居宅介護】

ガルディア帝国の再建支援が軌道に乗り始めた頃。

【日本創紀学園】は、設立以来初となる一大イベント『学園文化祭』の準備で活気づいていた。

理事長室で、俺はアカザワと特務支援チーム【REDANGEL】のリーダーであるコイケを前に、新たな経営方針を発表していた。

「この文化祭を機に、我々の【心と暮らし総合協会】をより強固な公的組織へとアップデートする」

俺はシステム画面から、新たな法人登記のフォーマットを空中に展開した。

「今日からこの組織は、【一般社団法人】心と暮らし総合協会として活動する」

「いっぱん……しゃだんほうじん? レクト理事長、それはどのような組織形態なのですか?」

アカザワが眼鏡の奥の目を光らせて尋ねる。

「特定の個人の利益のためではなく、社会全体の利益(公益)を目的として活動する非営利法人のことだ。これで、王国や帝国といった国家の枠組みに縛られず、大陸全土で公的な支援活動を堂々と行えるようになる」

「おおおっ……! なんという崇高な理念……! 単なる私腹を肥やすための組織ではないという、究極の証明ですね!」

アカザワが身を震わせて感動する。

「で、そのお披露目も兼ねて、文化祭の目玉企画として【REDANGEL】にデモンストレーションをしてもらう」

「我々【REDANGEL】にですか! 対象者はどなたでしょうか!」

コイケが真紅のコートを翻し、敬礼する。

「学園の裏山に引きこもっている、大地の精霊(ドワーフの長)だ」

数百年生きる大地の精霊は、長年の酷使による腰痛と孤独から洞窟に引きこもり、周囲に機嫌の悪い地震デバフを撒き散らしている厄介な存在だった。

「今回のミッションは、対象者の自宅(洞窟)に直接赴き、生活全般のサポートを行う【居宅介護きょたくかいご】だ」

「「「【居宅介護】……!!」」」

「ただの掃除や魔法の治療じゃない。対象者の心に寄り添い、自立した生活を送れるように環境を整える究極の【伴走】だ。頼んだぞ」

「ハッ! 【REDANGEL】、直ちに出撃します!」

【裏山の洞窟にて】

「グオォォォ……! ワシは誰も呼ばんと言っておるじゃろが! 腰が痛いんじゃ! ほっといてくれ!」

薄暗く、ゴミと瘴気にまみれた洞窟の奥で、巨大な岩のような大地の精霊が怒鳴り声を上げていた。

しかし、真紅のコートを着た5人の天使たちは、一切ひるまない。

「タダ、アンドウ! まずは対象者のメンタルケアと傾聴だ! 警戒心を解け!」

「了解! 精霊さん、腰が痛いんですね。一人で大変でしたね。私たちがゆっくりお話を聞きますよ」

タダとアンドウが、武器ではなく【温かいお茶】と【システム製クッション】を差し出し、精霊の愚痴を優しく聞き始める。

「うぅ……最近の若い精霊は冷たくてな……ワシの昔話も聞いてくれんのじゃ……」

精霊の態度が軟化した隙に、コイケとミクニが素早く動く。

「ミクニ、洞窟内の生活動線を確保しろ! 床の障害物(魔力溜まり)を撤去し、手すり(魔法の光帯)を設置!」

「はいっ! 【バリアフリー・アプリ】起動! 生活環境の最適化を完了しました!」

さらに遊撃のタダノが、洞窟内に湧いていた害虫スライムなどを音もなく処理していく。

「さて、仕上げです。レクト理事長からお預かりした【居宅介護アプリ】で、お体を綺麗にしますよ」

コイケがタブレットを操作すると、心地よい温水とマッサージの魔法が精霊を包み込んだ。

「おおお……! 腰の痛みが……消えていく……。それに、この洞窟がこんなに快適で明るい場所だったとは……!」

長年の孤独と痛みから解放された大地の精霊は、ボロボロと大粒の涙を流した。

「お前さんたち……何者なんじゃ……?」

「我々は【一般社団法人・心と暮らし総合協会】の特務部隊【REDANGEL】。あなたに寄り添う、伴走者です!」

5人がビシッとポーズを決めると、大地の精霊は感動のあまり立ち上がり、学園のある土地全体に【最高ランクの豊穣の祝福】をドカンと与えたのだった。

【そして文化祭当日】

「うおおおおっ! すげえ! 大地の精霊様が、学園の畑で焼きそばを焼いてるぞ!」

「【REDANGEL】の居宅介護サービス、凄すぎる……! うちの爺ちゃんの介護もお願いしたい!」

学園祭は、大陸中から集まった見物客で大盛況となっていた。

俺が【生成AI】でデザインした美しいポスターが飾られ、生徒たちや精霊たちが笑顔で屋台を出している。

かつて敵国だったガルディア帝国の皇帝も、お忍びでやってきては、感激しながらたこ焼きを頬張っていた。

「理事長。一般社団法人の設立と、この文化祭……最高のPR戦略でしたね」

隣で焼き鳥を食べているアカザワが、満足げに微笑む。

「ああ。これで【居宅介護】の概念も大陸中に広まる。救える対象者が、さらに増えるな」

俺たちは、活気に満ちた学園祭の喧騒を眺めながら、自分たちの築き上げた最強の福祉帝国の景色に、心からの充実感を感じていた。

【キャラクター・プロフィール】

【レクト】

役割:主人公(日本創紀学園・理事長)

状況:【心と暮らし総合協会】をより公的で強固な【一般社団法人】へとアップデート。学園の文化祭を利用して【居宅介護】のデモンストレーションを行い、大陸中に自分たちの福祉サービス(伴走型支援)を圧倒的なエンタメとして知らしめた。

REDANGELレッドエンジェル

役割:最上位特務支援チーム

状況:大地の精霊の住処(洞窟)に突入し、武力ではなく傾聴、環境整備、マッサージという究極の【居宅介護】ミッションを完遂。気難しい精霊すらも号泣させて懐柔した。

【大地の精霊】(New)

役割:学園の裏山の主

状況:腰痛と孤独で引きこもっていたが、REDANGELの完璧なケアによって全快。感動のあまり学園祭の焼きそば屋台の店長として元気に働いている。

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