可能性の話
「ここからは可能性の話になるけど、いい? この葉に毒性があると誰も気づかなかったらどうなると思う?」フレデリック王子が質問する。
「エミリー様やお友達の方が飲んでしまうと思います。痺れの症状がでて、大事になりますね。」
ステファニーは、もしもの状況を想像しながら、ゆっくりと答えた。
「そうだろうね、そうなると事件としてみんなに広まって、犯人探しが始まるかもしれない。ステファニーは誰が犯人だと推測する?」
「誰がやったかですか。。。給湯室は普段は鍵がかかっていますが、サロンの使用者がいる時は鍵を開けてもらえます。棚には鍵はありませんし、誰でも入れる場所ですよね。特定は難しい気がします。」
「状況からは、誰が犯人か決められないだろうな。では動機の面から考えると、どうなる?」
フレデリック王子がステファニーの様子をうかがうように見つめる。
「動機。。。?」
エミリー様を恨んでいる人ってことよね?誰だろう。。。エミリー様とは学年が違うから、教室での様子はよくわからないわ。。。廊下や食堂で、誰かとトラブルとか起こしていたかしら。。。
「もしかして、私ですか!?」ステファニーは一つの可能性を思いつき、大声で叫んでしまった。
「うん、君が第一容疑者だろうな。」フレデリック王子がニヤリと笑う。
「君と伯爵令嬢が、廊下など人目のつくところで言い争っていたことは、みんなが知っている。だから、君には動機がある。そして、君はマダム・ジュネの手伝いをしていたから、ノエア草の入手もとても簡単だ。さらに付け加えると、先週にサロンを利用しているから、棚に箱を置くこともできる。まさに、うってつけの容疑者さ。」
「私は何もやっていませんよ!」ステファニーは慌てて否定する。
「そのことは疑っていないよ。だが、周りはそうは思わないだろうね。」
フレデリック王子の言葉に、ステファニーは軽い目眩を覚えた。
「第二容疑者は、伯爵令嬢だな。」
「えっ! 痺れることがわかっていて、自分で飲むってことですか?」
ステファニーの目が驚きで丸くなる。
「痺れは2、3日で取れるし、後遺症も残らないからね。彼女が私の婚約者の地位を狙っていてステファニーを排除したいと思えば、それくらいの犠牲は払うかもしれない。君に罪をなすりつける事ができれば、君は婚約者の座を下りざるを得ないだろうからね。」
「全くの第三者ということもあり得るだろうな。君と伯爵令嬢とのいざこざを利用して、邪魔者2人を消せると考える者もいるだろうからね。」
フレデリック様の説明の通りなら、結局、今回のことについては何もわからないってこと? 私が犯人だと疑われずにすんだのは良かったけど、、、はあ、、、面倒なことに巻き込まれそうで、なんだか嫌になるわ。。。
ステファニーの考えを読んだのか、フレデリック王子が言った。
「さて、今後のことについて相談しようか。」




