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王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第二章 ブランドン伯爵令嬢 ステファニー
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衝撃

4月、ステファニーは2年生になった。

進級したとはいえクラス替えもないため、学校生活に大きな変化はない。


授業終了後、ステファニーは、いつものようにキャサリンと門へと歩いていた。

「キャシー、土曜日に時間ある?」

「今週の土曜? お姉さまと買い物に行く予定があるけど。」

「じゃあ、来週の土曜は?」

「たぶん大丈夫。」

「美味しいパンケーキのお店が出来、、、痛っ、だれ?」


2人で話しながら歩いていると、ステファニーが突然に誰かとぶつかり、その勢いで尻餅をついてしまった。

「『だれ?』ではありません。あなたこそ、どなたですか?」

ぶつかった彼女は、立ったままステファニーを見下ろしていた。ステファニーは驚いて言葉が出ない。


「ごめんなさい、前を見ていなかったものですから。」キャサリンはとっさに謝った。

「私にぶつかったのは、キャサリン様ではありませんよ。ブランドン伯爵令嬢は、謝罪の言葉をご存知ないのかしら?」

彼女はステファニーを見下ろしたまま冷ややかに言うと、クルリと踵を返して行ってしまった。


ステファニーはようやく立ち上がったが、まだ頭が回っていない。「一体、何だったの?」

「彼女は3年生のエミリー様よ。クーパー伯爵家のご令嬢の。」キャサリンが簡単に説明する。

「前を見ていなかった私も悪いけど、向こうもよけなかったのでしょ? 何で私が怒られるのよ。」

ステファニーはムスッとした顔だ。


「う〜ん、彼女、階級意識が強いっていうか。。。たぶん『自分は3年生でクーパー家だから、格下のステフが横にどいて当然』って考えたんだと思う。」

キャサリンが、特に感情のこもっていない声でたんたんと言う。

クーパー家もブランドン家と同じ伯爵位であるが、クーパー家は歴史も長く重職を務めることも多いため、伯爵位の中では最上位の家の1つである。ブランドン家は伯爵位の中で中堅である。


「階級って、、、ぶつかったら謝るのが、普通じゃないの?」ステファニーはムスッとしたままだ。

「私に言われても困るわ。それに、ステフも謝っていないから同じじゃないの。」

キャサリンはここで声を1段明るくした。「で、美味しいパンケーキってどこにあるの?」


ステファニーはまだ納得がいかないが、つまらないことを考えても仕方がないと思い直した。

「私もまだ行ったことがないんだけど、、、」

そして、2人でまた歩き出した。



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