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84.33  作者: ゴリラ
2026 三月
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69/93

三月二十九日 日曜日

今日の季語は、「春キャベツ」です。

焼きそばは、お好きですか?

焼きそばに 後入れなじむ 春キャベツ

やきそばに あといれなじむ はるきゃべつ


「昼は、焼きそばにしよう!」

朝、十時くらいに冷蔵庫を開けて、材料を確かめました。

玉ねぎ、人参、茸、と材料を数え上げます。


豚肉は、豚汁を作ったときの残りを使います。

ちょうど、一掴みありました。

ソース味は、「ふふふ」と笑んでしまう料理です。

お好み焼き、ハンバーグ、豚カツといくつかあります。

その中で、今日は「焼きそば」です。


肉を炒め、野菜を入れます。

火が通ったら、麺を入れます。

順調に進んでいました。

「いやー、今日は余裕だな。慣れかな」

生肉が鍋にひっついて、箸でこそげ落とすことも、焦げることもありません。

私は、シェフの真似をした手つきで鍋を揺すりました。

菜箸で麺をほぐします。

水を計量カップできちんと測りました。

ピッタリ、50mlの線を目線に合わせました。

適度な水が入り、熱が伝わると、麺が緩みます。

「ますます、順調、じゅんちょう」

軽く、頷きました。

あとは、水分が無くなるまで炒めるだけです。

私は、フライパンの中をじっと見つめました。

「あれっ?」

なんだか、元気がないのです。

妙に大人しい野菜たちが、しんなりしています。

玉ねぎも、人参も、茸も、行儀が良すぎました。

「あっ、キャベツだ、キャベツを忘れてた」

私は、慌てて、冷蔵庫の扉を開けました。

あまりにも勢いがついて、ガタンと野菜室のレールが外れそうになりました。

もう、玉ねぎたちは、完全に柔らかくなり、鍋肌にくっついています。

「ソースを入れたら?」と、言わんばかりです。

早くしなければ、キャベツは野菜たちの中で、仲間はずれになります。

私は、生焼けのキャベツと麺を食べることになるのです。


今朝、買った春キャベツをボールのように両手に持ちました。外側の一枚をめくります。

青々として、バリバリと音を立てました。

入り組んだ巻きが、葉を引き止めようとしました。

その度に、葉が端切れのようになります。

洗って、手で千切るという、豪快な得意技で、フライパンに放り込みました。

キャベツは、他の具の中で、明らかに浮いています。

皆んなが半袖の夏服という時に、一人冬服でいるのに似ています。

それでも、調味料のソースを入れる頃には、全てがまとまり始めました。

それがとても不思議でした。

「なるようになるんだなぁ」

甘辛のソース味がよく絡みました。


食卓で、ニンマリしながら食べました。

箸をついつい急いでしまいます。

昔話の、「めでたし、めでたし」は、こんなときに使うのでしょうね。


英語

Yakisoba noodles

Spring cabbage added later

Blends in perfectly


中国語

炒面中

随后加入春甘蓝

自然融一体


スペイン語

Yakisoba

Col de primavera

Se mezcla bien


「ふうふう」息を吹きかけて、麺を啜りました。

合間に、野菜や肉を食べます。

美味しいものって、いいですね。

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