ランパード
ご意見ご感想ありましたらよろしくお願いします。
城門をくぐると賑やかな人通りと馬車が行き交っていた、道幅は馬車が余裕で4台並ぶ程。道の端には露店が並び呼び込みに精を出している。
「本当に凄いな」
メイカの頭を撫でながらつぶやく。
王都のギルドは城門から馬車でたっぷり20分はかかった、ミローのギルドの3倍はある大きさの建物だ。
馬車と女性達だけを置いて行く訳には行かないのでアランが中へ行き事情を説明に行く事になり俺は一応見張りで残る、と言っても5分とかからずアランは数人の人を連れて戻ってきた。
「貴方がエイジさんですね。初めまして、冒険者ギルド本部コンシェルジュのドロアテと申します」
アランの後ろに居たいかにも仕事出来そうな女性が丁寧に声をかけてきた。
「どうも、エイジ・ナリミヤと言います。まだ登録を済ませたばかりの新人ですが以後よろしくお願いします」
うむ、またも美人だ、しかもメガネ、、、こっちの世界は美人しか居ないのか。
「こちらこそエイジさんのように若くして有望な冒険者が増えるのは喜ばしい事なので期待しています。して捕らえた族は?」
「こいつです」俺は馬車から男を出す。ドロアテが背後の男達に手を振ると素早くギルド内に連行して行く。
「今使いの者を出したのでしばらくすればアランさんの雇い主とクランリーダーが来られます、それ迄中でお待ちください。馬車には護衛をつけときますゆえご心配なく」
「ありがとう、ドロアテ嬢。では入ろうエイジ君」
「はい」中に入ろうとするとメイカが腕を掴んで俺を止めて「イカナイ、デ」と泣きそうな顔をする。
その瞬間ギルドの護衛がメイカの頬を平手打ちしようと腕を振った、、、が、勿論俺の前で成功するわけは無い。
寸前の所で平手打ちは間に入った俺の腕に掴まれ邪魔される。
「何する気ですか?」俺はそいつを睨みつける。
「奴隷の分際で生意気だったからな。そういうのがお好きとはね、失礼した」ロン毛のすらっとした男はそう言うと掴まれた腕とは逆の手で今度は俺の顔目掛け拳を振るう。
俺は掴んだ手を相手に押し込み拳の軌道を変え、かつ膝裏に足をかけ体制を崩し跪かせる。
「まだやるなら次は腕か脚を折りますよ」
「くっ、やるな。参った参った」と空いた手を上げる。
ようやくその状況に気づいたドロアテが走り寄ってくる。
「何事です!エイジさん、手を話してください」
俺はそいつの腕を解放しメイカに馬車に行ってろと告げる。
「ドロアテ、悪いのは俺だ。ちょっと遊びが過ぎちまった」
「ラドキン、貴方は何時も何時も、、、」頭を抱えるドロアテ、どうやらよくあることらしい。
「申し訳ないです、エイジさん。この男は何時も色々しでかすんです」
「いえ、気になさらずに。問題はありませんよ」と言うとラドキンが俺に握手を求めながら歩み寄ってくる。
「済まなかったな。俺はラドキン、ギルド専属の冒険者だ。あそこまで簡単にやりこまれたのは初めてだぜ」
俺はその手を握り返す「エイジ・ナリミヤです、こちらも失礼しました」
「ラドキンを簡単に?」
「ああ、完敗だね。デキる立ち振る舞いだったもんでついちょっかいを出したらな」後でメイカに謝っといてくれとラドキン。
「エイジさんは凄いんですね。ラドキンはギルド専属の戦士、主に冒険者同士の揉め事を相手にするいわば対人のスペシャリストなんですよ」
「いえ、ラドキンさんが油断してたんでしょう」一応謙遜しとく。
「ふふふ、そうですね、そうしときましょう。丁度アランさんの雇い主様も来られたようです」
促された方を見るとこれまた豪華な馬車が横付けしてきた。
御者が馬車を止めドアを開けると執事を伴い出てきたのは60過ぎ位の爺さん、人当たり良さげな雰囲気だ。
「お待ちしておりました、ランパード様」
アランが一歩前に出て頭を下げる。
「護衛ご苦労だった、アラン。何やら大変だったようだな」
「皆様良ければ中でどうぞ、個室を用意しますので」ドロアテが先導して中へ皆を通す。
中へ入るとフロアーの広さと人の多さにびっくりする、作りはミローとほぼ一緒だが規模が段違いだ。
ん?冒険者もかなり居るな。ロザミア達の話しだと騎士団が居るからあんまり魔物討伐は無いんじゃなかったっけか、、、まぁ、気にする事も無い。
綺麗な調度品が並ぶ個室に通されるとランパードが席につきアランから説明を受け始める。
「そうか、ジャミラは死んでしまったか」
「力至らず申し訳ありません。かく言う僕も彼、エイジ君に助けられなくては命は無く積荷も奪われていた事でしょう」
アランは俺を手招きし「エイジ・ナリミヤ君です」と紹介する。
「初めまして、エイジと言います」
「ほう、お若いのに強いんだな。ワシはランパード総合商店の長サイモン・ランパード、よろしく頼む」
顎髭を撫でながら挨拶するランパード。
「エイジ君と呼ぼうか。有能な冒険者とはいくら繋がっても無駄は無い、助けて頂いた報酬は何がいいかな?」
「、、、何でもですか?」
「ふふふ、物怖じしないか。面白い、とりあえず希望を聞こうか」
面白そうな笑顔で俺を見る。
「いえ、冗談です。変にお願いしたら後が怖い、お任せしますよ」
両手を広げながら下がるとランパードはより笑顔を強め
「はっはっは、実に面白い!良かったらうちの商会の専属にならんか?」
「すいませんがまだ冒険者になったばかりで右も左も分からない若造ですから分不相応。お断りします」
と真面目に頭を下げ断わった。
「そうか、残念だが仕方あるまい。まぁ食うに困ったら何時でも相談に来い」
頷くと名刺の様な紙に朱印が押された物を貰った、印籠みたいなもんかな。後日ミローのギルドに報酬を届けてくれるそうだ。
「さて、話しを戻そうか、、、捕まえた賊が吐くまで確信は無いが十中八九相手は恐らくワシの商売敵の奴隷商だろう。賊が吐いてしまえばこちらのもの、問題は解決だ」
バチンと手を叩く爺さん。
「アランの仲間達には充分な見舞金を出させて貰う。後ほどアルベルトにも挨拶に行こう」
「助かります。僕から先にリーダーには伝えますので」
「よし、では賊の尋問はギルドに任せた。ワシらは先に出るとしよう」
皆が立ち上がり部屋を後にし俺も帰ろうとするとドロアテに呼び止められる。
「エイジさん、今回のクエスト報酬はこちらでも受け取れますがどうしますか?」
「ミローで貰います」
「了解しました。でしたらこちらの証書をあちらのカウンターでお出しください」
封書を一枚受け取る。
「ではまたお会いするのを楽しみにお待ちしております」
「こちらこそまたよろしくお願いします」
挨拶を交わしギルドを出ると驚く光景を目にする事になったー
ちょっと長くなってしまいました。
何時の間にかブックマークが100件越えてました!
読んでくれてる皆様に心から感謝してます、これからもよろしくお願いします(人゜∀゜*)




