王都へ
ご意見ご感想ありましたらよろしくお願いします。
「もう大丈夫だよ」
すがりついてきた白髪の獣人女の子の頭を優しく撫でながら声をかける、、、足には枷、首には首輪、この子も奴隷なんだろう。
他の奴隷達も座り込み涙ながらに安堵している。たとえ奴隷と言う身分でもこの人達は皆美人揃い、盗賊に襲われるよりは王都で引き取られた方がまだマシなのだろう。
「エイジ殿、、、た、助かりました」剣を杖替わりに近寄ってくるアラン。
「間に合って良かったですよ、見た所大きな傷もなさそうだし。アランさんの大事な彼女に会えなくなる所でした」と冗談で返したら命の恩人には絶対結婚式には来てもらうと余計な事を言われてしまった。
「まぁ、それはともかく、、、どうすべきですかね?」
「とりあえず王都に行かなくては。幸い馬車は無事、僕が運転するからエイジ殿も御一緒頂きたい」
「もちろんです。こいつらを討伐するのが俺のクエストでしたしこいつもギルドに預けなくては」俺はその辺に転がっていた縄で生かした盗賊を縛りあげる。
「僕の方も色々報告はせねばならないが幸い荷は無事。リーダーにはともかく依頼主の方には面子も立つ」
「じゃあ早く出発しましょう」
「ああ、そうしよう。だがその前に」
アランは仲間達の骸を一つに集め綺麗に並べた、そして髪を一房と遺品になるであろう品物を一つずつ集める。
その眼には光るものが見える、俺は背を向け女性達を馬車に誘導する。
その後アランは盗賊共の死体を今度は乱雑に山にし始めたのでそれは俺も手伝うことにした。
「エイジ殿は火の魔術は使えますか?」死体を背負いながらアランが聞いてきたので「初歩、、、火を出すだけなら」と応えたら死体を焼いて欲しいと頼まれた、このままにしておくと魔物が寄り付くか死霊になってしまうらしい。
1時間程で全て整理出来たので死体に火をつける。
「では行こうか、エイジ殿。王都迄は更に2日かかるが明日には騎士団の警邏地区には着くからそれまでの辛抱だ、背後はまかせたよ」
「はい、改めてよろしくお願いします」
アランは御者台に、俺は馬車の荷台に入り馬車は動き出した。
3頭引き馬車の中はかなり広い、奥に食事などの物資を多少積んであってもまだ余裕がある。
俺は外が見えるよう出入り口に腰を下ろす。
すると獣人の女の子は俺の横に移動してちょこんと座る、ニコッと笑顔を出してくれるのが堪らなく可愛い。ちなみに俺はロリコンでは無い、悪しからず。
女性達はこの子を合わせて4人、本当にみんな美人揃いでびっくりする。俺を見る目はちょっと怖いけど助けてくれた恩人みたいな感じだ。
隣に座った子に目を戻し「落ち着いたかい?」と声をかける。
女の子はコクっと首を動かし話し始める。
「アタラシイ、ゴシュジンサマ、ツヨイ、カコイイ」ちょっと片言だな。
「俺はご主人様じゃないよ。君の名前は?」
「ナマエ?」首を傾げる、いちいち可愛いな。
俺は自分を指さし「エイジ」と言い今度は女の子を指す。するとああと頷き「メイカ、アタシ、メイカ」と返してくれた。
「メイカか、いい名前だね。2日くらいで旅は終わるから我慢してくれな」本当は枷とかは取ってあげたいが流石にそこまでは俺にはしてあげられない、この世は世知辛いのだ。
その言葉にメイカだけではなく他の女性達も頷いていた。
夜はアランと交代交代で見張りをする。結局その後は盗賊などの襲撃はなくゴブリンの群れに出くわした位で無事王都の目の前までやって来れた。
この2日間で俺はメイカや他の女性達ともかなり仲良くなりメイカには言葉を教えてあげたり獣人の事を教わったりした。
彼女は白狼族で後で知ったが本来は大陸の北に住む少数民族らしい、頭の耳は犬じゃなく狼なんだな。
大分懐かれてしまい常にくっついてくる様になってしまった、、、まるで父親気分だ、今も俺の膝の上に座っている。
「エイジ殿、王都は初めてか?」アランが聞いてくる。
「はい、初めてですね!」目の前にでかい城門が見えて来て興奮してきた。
「では紹介しよう。我らが王都”プレメデス”だ」
太陽を反射する白い城壁が三層に連なりその奥にはこれまたでかい城が見える、こんな重機も無い世界でどうやって作り上げたのか、、、。
「素晴らしい景色だろ。僕も田舎から出てきた時には目を奪われたよ」
「本当凄いですね」他の皆も馬車から顔を出し驚いている。
「じゃあ先ずギルドに行こう。そこで各方面に連絡をとってもらうとしよう」
「はい、お任せします」
「よし」
馬車はゆっくりと王都を走りだしたー
シッポぶんぶん耳ぱたぱた、ケモノケモノw




