第80話:収束する星々、そして決意の夜
アクアが展開した青白い魔導ホログラム──そこに浮かび上がる『新たなる星図』は、不気味な光を放ちながら、要塞都市を包囲するようにその座標を狭めていた。
ガルシアを蹂躙したことで、世界のシステムそのものが俺たちを「最優先排除対象」と認識したのだ。
「フッ、まとめてかかってくるなら好都合だ。バラバラに探す手間が省けて、最高のスタック効率じゃねぇか」
俺は九色のインナーカラーを指先で弄り、不敵な笑みを浮かべた。
「主の仰る通りですね。私の計算によると、次に襲来する守護者は最低でも三人。それぞれがガルシアと同等、あるいはそれ以上の独自の絶対ルールを引っ提げてくる対流になるよ。……だが、私たちの絆のスタック速度があれば、それすらも逆算して上書き可能だね」
アクアが清流の髪の眼鏡を美しく押し上げ、星図のデータを次々と解析数式へと変換していく。
「あはは! 三人同時? だったらボクの風の道を三倍に増やして、みんなの攻撃を同時にスタックさせちゃうだけだよ!」
シオンが新緑の髪を軽快に弾ませ、疾風弓を軽く回して見せた。
「シリウス様、夜戦になっても、遠征になっても、みなさんのバイタルは私が完璧にキープします! 特製の星屑ハーブティー、もう仕込み始めてますから!」
フェリスがサクラピンクの髪をなびかせ、強い意志を宿した瞳で俺を見つめる。レオンとアルゴも、静かに、だが圧倒的な闘気と氷結のオーラを足元から立ち昇らせていた。
「……シリウス様」
みんなの頼もしすぎる言葉の横で、ルナが白銀の髪をそよ風に揺らしながら、エメラルドグリーンの瞳をきらめかせて俺を見上げていた。
「世界そのものを敵に回しているはずなのに……みなさんと一緒にいると、まるでこれから楽しいお祭りに行くような、不思議な高揚感を感じます。私の【天秤座】、この命が尽きるまで、シリウス様の右拳のために調停し続けます!」
ルナが右手の甲の星痕を誇らしげに輝かせ、これまでにないほど強く、美しい笑顔を見せる。
「命を懸ける必要はねぇよ、ルナ。お前がただ隣で笑って、その天秤を重ねてくれりゃ、それだけで俺たちの絆は世界のルールなんて簡単に踏み潰せる」
俺は九色の前髪をかき上げ、最高にクールな笑みを浮かべてマントを翻した。
「よし、お前ら。明日の夜明けと共に、向こうから来る神サマどもを迎え撃つ。世界のシステムが作ったチャチなルールを、俺たちの極彩色の絆で、根底から蹂躙してやるぞ」
「「「おおおおおッ!!」」」
要塞都市の夜空に、既存の最強メンバーたちの咆哮が響き渡る。
世界の理たる十二の星々との、文字通り世界を賭けた全面戦争。極彩色の魔王軍による、神話をも超越する絶対蹂躙の戦いが、いよいよ本格的に幕を開ける。




