表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪は星を集める〜追放皇子と十二星座の仲間たち〜  作者: S@Y@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/94

第76話:混沌の海からの使者と、異界のルール


俺の胸の星痕レーダーが捉えた異次元の波動――それは瞬く間に要塞都市の上空へと到達し、宴で賑わっていた広場を一瞬にして静まり返らせた。


静寂に包まれた空間の裂け目から現れたのは、これまでの帝国のスクラップどもとは明らかに一線を画す、圧倒的な神威をまとった一人の男だった。


「ふむ、これほどの魔力対流を遮断し、独自の絶対ルールをスタックしている都市があるとはな。……お前が、因果を歪める無魔力の皇子、シリウスか」


男の背後には、天を衝くような巨大なサソリの残像が揺らめいている。その全身から放たれる赤黒いオーラは、空間の法則そのものをじわじわと書き換えていくほどの絶対的な質量を持っていた。


「私の計算によると、彼の存在確率は現世の数式には当てはまらない。……マスター、あの男がまとっているのは、世界を創生せし十二の星のルールの一つだね」

アクアが清流アクアブルーの髪の眼鏡を焦燥に震わせ、すぐさま防御対流の数式を展開する。


「フッ、状況把握。他人の庭に挨拶もなしに踏み込んできて、随分と偉そうな口を叩くじゃねぇか」


俺は九色のインナーカラーを指先で弄り、不敵な笑みを浮かべた。


「私の名はガルシア。世界の理を調停する黄道十二星座が一つ――**【蠍座スコーピウス】**の守護者。シリウスよ、お前たちが集めるエネルギーのスタックは、すでに世界の許容量を超えている。これ以上のイレギュラーは、私がその毒針を以て、存在の根底から消滅させねばならん」


ガルシアが冷酷にそう言い放った瞬間、ルナが白銀シルキーホワイトの髪を激しくなびかせ、エメラルドグリーンの瞳を見開いて叫んだ。


蠍座スコーピウス……!? ダメです、シリウス様! あの人の力は、触れたものの因果の繋がりを永久に『切断』する、絶対の毒針! 私の天秤の調停すらも、繋ぐべき糸ごと切り裂かれてしまいます……っ!」


「あはは! 繋ぐ糸が切られるなら、ボクの風で新しい道を無限にスタックし続けるだけだよ!」

シオンが新緑ミントグリーンの髪を弾ませ、疾風弓を限界まで引き絞る。黄金のレオンもオッズアイの瞳を獰猛に光らせ、ゴルドと共に金剛闘気を爆発させた。


「フッ、絆を切り裂くだぁ? 面白いルールだな。だが、あいにく俺たち既存の身内の絆は、そんなチャチな虫の針一本で切れるほどヤワじゃねぇんだわ」


俺は九色の前髪をかき上げ、最高にクールな笑みを浮かべた。

ルナの天秤を介し、既存メンバーの全エネルギーが、俺の胸の星の器へと濁流のようにスタックされていく。世界の理を司るスコーピウスの守護者に対し、極彩色の魔王軍による新たなる神話の蹂躙劇が幕を開けようとしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ