第57話:勝利の余韻と、次なる進化への道
「シリウス様! みなさん! 本当にお疲れ様でした!」
戦闘が終わり、静寂を取り戻した森の広場で、フェリスがサクラピンクの髪をなびかせながら駆け寄ってきた。その手には、戦いを見越してあらかじめ仕込まれていた、湯気を立てる特製のスープポットが握られている。
「ふぅ……。フェリス、最高のサポートだったぞ。お前の浄化能力のおかげで、星痕の変換効率も過去最高だった」
俺は九色のインナーカラーを指先で弄り、不敵な笑みを浮かべながら彼女の頭を無骨に撫でた。
「えへへ……! シリウス様にそう言っていただけるのが、私にとって一番のご褒美です!」
フェリスは顔を真っ赤にしながらも、本当に嬉しそうに微笑んだ。彼女の淹れたハーブスープを一口飲むと、戦いで消耗した既存メンバーたちの体内に、心地よい魔力の対流が瞬時に戻っていく。
「フフ、実に見事な迎撃数式だったよ、我が主。君の星痕によるエネルギーの概念変換……私の『知恵の水瓶』をもってしても、その最大出力の限界値は未だ計算しきれないな」
清流の髪を揺らすアクアが、木札に戦果を書き込みながら、満足げに眼鏡の奥の瞳を光らせた。
「おうよ! 帝国の隠密部隊だか何だか知らねぇが、俺たちの絆と進化した連携の前には、ただの引き立て役に過ぎなかったな!」
ゴルドが豪快に笑い、レオンも黄金の髪を揺らしながらオッズアイの瞳を和ませる。シオン、カイン、サシャ、アルゴ──その誰もが、今回の防衛戦を経て、己の能力をさらに一段階上のステージへと覚醒させていた。
「これほどの精鋭が揃っているのです。帝国が次にどんな姑息な罠を仕掛けてこようと、我が要塞都市が揺らぐことはありませんね」
レオンの言葉に、全員が力強く頷く。
新しく仲間を増やす必要など、もうどこにもない。今ここにいる至高の身内たちの力を重ね合わせ、星痕の器で極彩色の星の力へと昇華させる──それこそが、この世界で唯一無二の、俺たちの絶対のルールだ。
「よし、お前ら。街に戻って、フェリスの美味い飯で改めて祝杯を挙げるぞ」
「「「おう!!!(はいっ!)」」」
俺は九色の前髪をかき上げ、最高にクールな笑みを浮かべて歩き出した。
帝国の悪意を完璧に蹂躙し、より強固な一枚岩となった極彩色の魔王軍。俺たちの限界なき進化の旅は、ここからさらに加速していく。




