表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪は星を集める〜追放皇子と十二星座の仲間たち〜  作者: S@Y@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/94

第47話:大砂海のプロローグと、不敵なる知恵の器


大型魔獣【砂喰神龍グラント・ワーム】との激戦を終え、豊穣の要塞都市は見違えるほどの静寂を取り戻していた。

万年氷晶の城壁には傷一つ残っておらず、切り刻まれた魔獣が遺した膨大な魔力粒子は、サシャの魔導炉へと全て吸収され、街の新たなエネルギー源へと変わっていく。


「状況把握。──ただ守るだけじゃねぇ。襲いかかってくる災厄すらも街の肥やしにする。これが俺たちの『文明精度』だ」


俺は八色の光を放つ前髪を指先で弄りながら、不敵にニヤリと口元を歪めた。


「我がマスター、これにて要塞都市の防衛・インフラ構築は完全に完了いたしました。既存の『身内』たちの連携も、これ以上ないほど強固にスタックされています」

黄金マリーゴールドの髪をなびかせたレオンが、誇らしげにオッズアイの瞳を輝かせ、深く一礼した。


「ガハハ! 最高の小手調べだったな! これならどんな大軍が攻めてこようが、正面から叩き潰せるぜ!」

ゴルドが豪快に笑い、シオンやカインも満足げに武器を収めている。新入りのアルゴも、その深藍ディープブルーの髪を揺らしながら、進化した都市の機能美に深く感服しているようだった。


──だが、その時。


ドクンッ……!!!


俺の胸の奥に刻まれた星痕レーダーが、これまでの誰よりも『変幻自在で、底の割れない波動』を感知し、激しく脈打った。

大型魔獣の襲撃という力押しの狂気とは全く異なる──全てを巧妙にコントロールしようとする、冷徹で不敵な『知略』の波動。


西の地平線、陽炎が揺らめく【大砂海・水瓶の谷】の遥か奥底から、その共鳴は確かに伝わってきた。


どれだけ乾いた世界であろうとも、己の知恵というみずがめに無限の策を蓄え、戦局を冷徹に支配する、掴みどころのない不敵な『志』。

イメージの奥に浮かび上がるのは──怪しく光る、知恵の**【水瓶アクエリアス】**。


「状況把握。──チッ、お待たせってわけだわ。9人目のルール違反イレギュラーが動き出した」


俺の言葉に、身内たちの空気が一瞬で引き締まる。


「状況分析。──大砂海の奥地は、流砂の迷宮とも呼ばれる未踏の地。そこに潜む者が次なる星痕の持ち主であるならば、力任せの進軍はかえって敵の術中にはまる恐れがあります」

レオンが冷静に木札の地図を広げ、戦術を組み立て始める。


「ふん、どんなに巧妙な罠を張っていようが、俺たちの圧倒的なスタックの前では無意味だってことを、その知恵袋の引きこもりに教えてやるだけだ」

俺は前髪をかき上げ、圧倒的な自信とともに言い放った。


「シリウス様、砂漠の乾燥にも絶対に負けないよう、特製の水分補給ポーションをたっぷり用意してあります! いつでも出発できます!」

フェリスがサクラピンクの髪を揺らし、頼もしい笑顔で俺の前に並んだ。


ただ奪い、蹂躙するだけではない。強固な「国」とも呼べる最強の拠点を耕し終えた極彩色の魔王軍。

完璧な文明の土台と、絆を深めた既存メンバーの絶対的な力を携え、黒髪の追放皇子シリウスは、知略の渦巻く大砂海へと向けて、ついに一歩を踏み出す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ