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髪色が増えるたびに最強になる魔王軍 〜不吉な黒髪と見捨てられた元皇子、12星座の絆を結んで世界を極彩色に塗り替える〜  作者: S@Y@


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第24話:神速の蹂躙と、不屈の鋏

# 第24話:神速の蹂躙と、不屈の鋏


「生意気な口を……ッ! たかが追放された無能一人が、帝国の正規騎士団に勝てると思うな! 突撃ィッ!!」


烈火騎士団の隊長の怒号とともに、数十人の重装騎士が槍を構え、一斉に俺目がけて突進してきた。その後方からは、魔法兵たちによる容赦のない追撃の炎弾が空を埋め尽くすように放たれる。


だが、俺の顔色一つ変わらない。


「状況把握。──遅い、軽すぎるわ」


俺は一歩、地を踏みしめた。

アリエス・タウロス・スコーピウス・ジェミニ。四つの星痕のバフが重ね掛け(スタック)された俺の身体は、軽く踏み込むだけで大森林の大地を陥没させ、衝撃波を生み出す。


ドゴォォォォォンッ!!!


「なっ──!?」


突撃してきた重装騎士たちは、俺の『移動の風圧』だけで、まともに刃を交えることすらできずにまとめて左右へと吹き飛んだ。空を埋め尽くしていた炎弾の群れも、俺がただ右手を一閃し、大気を爆裂させた衝撃波だけで全て一瞬にして掻き消える。


「ば、化け物め……! 魔法も使わずに、ただの体術だけで烈火騎士団の突撃を……っ!?」

「ひ、怯むな! 囲め! 数で圧倒するんだ!」


恐怖に駆られた帝国兵たちが、今度は百人規模で一斉に包囲網を縮めてくる。

だが、そんな密度の薄い包囲網など、俺の強化された状況把握能力の前には存在しないも同然だった。


俺は敵の突き出す槍の軌道をすべて紙一重でかわしながら、流れるような動作で敵のド真ん中へと侵入。極限まで練り上げられた俺の拳が、先遣隊の副隊長が纏う頑強な魔力鎧へと吸い込まれた。


バキィィィィィンッ!!!


「ギャァァァッ!?」

国最高峰の防御力を誇るはずの鉄甲羅が一撃で粉々に粉砕され、その巨躯が後ろの兵士たちを何十人も巻き込みながらド派手に消し飛んでいく。


「ゴルド、サシャ、レン。外枠の雑魚の処理を任せる。一人も逃すなよ」

「はっ! お任せを、我が主!」

「ふふ、帝国の綺麗な鎧を、私の毒でドロドロに染めてあげるわ」

「僕たちの幻術で、同士討ちでもして遊んでもらおうか!」


三人が一斉に動き出し、戦場は一瞬にして帝国軍の悲鳴がこだまする地獄絵図へと変わった。ゴルドの大槌が大地を砕き、サシャの紫毒が敵を弱体化させ、レンの幻影が敵を翻弄する。五百いたはずの先遣隊は、ものの数分で完全に壊滅へと追い込まれた。


「ハ、ハハ……。なんだよ、これ……。僕が死に物狂いで戦っても傷一つつけられなかった騎士団を……素手で、一瞬で……っ」


背後で、**【深紅クリムゾン】**の髪を持つ少年カインが、大鋏を握りしめたまま呆然と呟いていた。その瞳には、圧倒的な力への驚愕と、それでもなお他者を拒絶しようとする頑固な『孤高の光』が混ざり合っている。


「おい、カイン」

気づいた時には、俺はボロボロの彼の目の前に立っていた。

返り血ひとつ浴びていない黒髪を弄りながら、冷めた目でその頑固なからを見つめる。


「外の雑魚は片付いた。次は、お前のその頑固なハサミをへし折る番だ」


「くっ……! 舐めるなッ! 僕は誰も信じない、誰の軍勢にも下らないッ! 僕は僕の誇りのために、お前だって切り裂いてみせるッ!!」


カインが最後の力を振り絞って激昂し、巨大な【双刃の大鋏】を限界まで開き、俺の首を目がけて肉薄してきた。一撃で全てを断ち切る、不屈の守護と反逆の鋏。


(状況把握。……フン、本当に良い志だ。お前みたいな頑固な奴が、一番俺の身内にふさわしいんだわ)


俺は避けることなく、その迫り来る大鋏の刃のド真ん中へと、素手で右手を突き出した。


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