5
志村海人(転生後はシムラ・ウミ)・・・交通事故で転生したはずが、「ルーさん」の「望み」のせいで転生先で14歳くらいの女の子になってしまった!俺は男に戻りたい!!
ルーさん・・・神様のもとではたらいでいたが、適応できる世界が見つかり、晴れて異世界転生を果たした。俺を女の子にしてなぁ!!
アルハイデス・・・もともと駆け出しの地と言われるほどに安全で有名だったのだが、勇者の出身地となったため、その人気がさらに上がり移住したい街ランキングでTOP3以内にいつもいる街らしい。
エンタメそこまで進化することあるんだ・・・。
デスマス学園・・・勇者が魔王を倒した後に作られた学園。よく乙女ゲームとかであるやつみたいな大きめの学校。日本の私立大学より大きいんじゃないか?!
海人日記より
俺がこの世界に来て、そして女の子になってもう2週間が経った。
家がほとんど日本のものと一緒だったおかげか、この世界の生活に早く適応できた。
そういや、この世界に来て一番驚いたことと言えば、街自体はそこまで日本とかにある機械とかはなかったが、街の雰囲気や人の感じが日本みたいだったこと。
だからなのか、なんか心地が良い。これも、神様がこの世界を自分に選んでくれたからなのだろうか。
そんなことを考えつつ俺は家から少し離れた街に来ていた。
町の名前はアルハイデスと言うらしい。
なんか勇者の出身地がここらしく、それも由来の一部になっているらしい・・・。
なんかここは異世界っぽいな〜。
あんまり今のところ魔法が飛び交っている様子も見ないし、実感はわかない・・・
・・わけなかったわ!
俺はあの力が暴発したときのことを思い出すとちょっと怖いなぁと思ってしまう。
そう、あれから俺は今日までの間ほとんど力の制御の練習をしていたのだ。
わかったことといえば、力の感覚が二次関数のような感じになっていること。
まぁこれはただ自分の感覚だけど・・・。
あとは、制御するのは意外と難しかったりすること。
こっちは俺の不器用なところが出ているのかもしれないが・・・。
つまるところ、ある程度の力までは意識しなくても調整できるが、力を強めれば強めるほど制御しにくいのだ。
はぁ、どんだけ買い物するものあるんだよ・・・。
今日はカレーだと言うのに、ネギを入れるのはなぜなんだ!?
そんな文句を心のなかで垂れ流しながら買い物をしているとき、偶然こんな声が聞こえた。
「シムラ・ウミさんはいませんかー?」
お、俺の名前だ?!
なんなのだろうと声のする方向に向かってみると、そこにはでかでかと入学試験と書かれた看板があった。
俺が学校に行くのはあと2週間後なのになんでなんだ?
そんなことを思いつつ、俺は俺の名前を読んでいる人に声をかけることにした。
「すみません、志村ウミなんですけど、何かあったんですか?」
「何やってるんですか!?シムラ・ウミさん!!」
「え?」
「もう入学試験が始まってしまいますよ!?なんで遅刻ギリギリなんですか?!」
俺は突拍子もない話に頭が働かなくなった。
「いいから行きますよ!」
俺はなされるがままに手を引っ張られ試験会場に来てしまっ・・・・た!?!?!
さっきの人に試験会場に連れられたんだけど、俺この格好でいいのかな・・・。
試験会場の椅子に座りながら、そんなことを考える。
なぜならそれは・・・・
・・・・・
・・・なんかみんなスカートとかタキシードとか身につけてるんだけど!?
俺ただのワンピースだよ!?
なんか周りの人がこっちをチラチラ見てきてる気がする。
明らかに場違いだってーー!!
俺が視線をソワソワさせていると会場の壇上にここの学校の校長らしき人がやってきた。
「皆さん、おはようございます。皆さんはこれからここの学校に入るための試験を受けてもらいます。最初の試験は筆記試験、次に実技試験です。」
実技はともかく、筆記試験に関してはいけるだろう。
「あまり長い話をするつもりはありません。長いお話はまた今度の入学式のときにしましょう。それでは皆さん、頑張ってください。」
そんな事があって筆記試験が始まった。基本は数学だけの試験だ。
歴史とかがあったらまじで終わってたわー。
なんてことを考えながら解いていく・・・・!?!?!?
な、なんだこれ。ここの校長の名前!?
急に全く違う方向性の問題が来たんだが?!いや、知らんし・・・。
挨拶のとき・・・
・・・・
・・・そういやあいつ言ってねぇ!!!!なんだよこのクソ問!?
それ以外でこのテストでは算数の和差積商しか出てこないため、殆どがすぐに終わってしまった。
次は二次試験だ。
俺含む試験を受ける人は学校の開けた場所まで移動してきた。
すると、試験管の人たちが説明を始めた。
「このテストでは魔法の試験を行います。試験自体は自由形なので皆さん自由に魔法を披露してください。」
あーなるほど。大丈夫か?俺の『身体強化』は・・・。普通に運動神経いい奴みたいに思われそうなんだが・・・。」
受験生は順番に自分の魔法を披露していた。
炎を飛ばしたり、水を生成したり、岩を地面から生えさせたり・・って身体強化系がひとりもいねぇ!?
なんでだよ?!何人か入ると思ってたのに?!
なんかのエリート生しか入れないとかなのか?!
どんどん順番は近づいているというのに俺みたいな能力の人が一人もいない・・・。
あ、これ多分俺以外全員魔法使えるわ・・・。
俺はあれからも魔法の練習はしていたが一向に魔法が使えることはなかったのだ。
「次、レミア・アルハイデスさん。どうぞ。」
アルハイデス・・・ってこの街の名前じゃ・・てことは!この街の領主の娘さんだーー!!
アルハイデスさんはそれはもう、周囲から尊敬の眼差しを集めていた。
アルハイデス様、なんて美しいの・・。
アルハイデス様はどんな魔法をお使いになるんだ!
周囲からそんなことが聞こえる。
お前らほんとにまだ14歳くらいなのか??
アルハイデスさんは杖を取り出したかと思えば凄まじい突風をふかして、自分のいた場所に戻っていった。
いや、魔法やっぱりすげぇわ。
周囲からは歓喜の声が上がっていた。
・・・っていうかあの魔法俺も弱いやつで真似すればいいじゃん!?
俺の今持っているメモ帳を使って・・・
「次、シムラ・ウミ。」
「は、はい!」
やっべー、もう順番かよ。
俺は急ぐ必要のないのに早足で場所で向かう。
メモ帳を使って・・・。
俺は、メモ帳を思いっきり仰いだ。
すると、・・・
——力みすぎたーーー!!!
俺のメモ帳は空を切り、俺はそのまま体制を崩してしまった。
そしてその勢いのままメモ帳を持った手を地面に叩きつけてしまった。
手、埋まったんだけど・・・。
しばらくして、地面が3メートルくらい割、れ・・た?!
なんかすごそうだけどこれは魔法とは違うんじゃ・・・
周囲からわぁーというような目で見られている気がする。
これもし合格してもあだ名ゴリラとかになるやつじゃん!
少し時間があいてその内の一人が「土魔法であんなことができるのはほとんどいませんわ」と言い出し、その後、すぐに周囲のみんなが一斉にいろんなことを言い出した。
あのこすげーな!
土魔法ってあんなの見たことないけどすごいね!!
あの女の子将来有名になるわよ、今のうちに仲良くしないと。
いやー、咄嗟だったけど乗り切った—。
なんかほんとに14歳くらいなのかわからないやつもいたような気がするけど・・・。
俺はそそくさとみんなのいる方に戻り、無事試験を終えた。
待っている間に、俺は何人か気になる人を見つけた。
まずは、俺が試験を終えた後急に話しかけてきた人だ。
名前はカシル・オーベーグルさん。彼女はどこかの令嬢らしく、俺の会員になっていいか聞いてきたやつだ。モテ期キターー!?とか思ってたけど、そういや俺って女だからあんまり関係ないか・・・。
俺が「別にいいけど・・・」なんて言う前に「ありがとうございます!」って言われたんだが・・・
まぁからかってるだけだろう。
彼女自身、魔法は水魔法をちょっとしか使えないと言っていたものの、テストではほかの受験生に引けを取らないくらいは十分できていた
次に、マリア・テルシファンさん。彼女が見せた魔法は光の魔法だった。
なんか光系の魔法を使える人って少ないらしい。これは、乙女ゲーの世界の住人なのかもしれない。
他の生徒に比べては少し迫力はなかったけれど、魔法は綺麗だったな〜。
俺が話すときはなさそうだけど・・・。
このときの周囲の人達は全員マリア・テルシファンさんのことを見ていた気がする。
「ウミさーん。」
「うわっ!ってカシルさん。」
「うわってなんですか?私、傷ついちゃいますよ。」
「それは、ごめ・・・って!顔笑ってるじゃん!!」
俺は今、友だちと話している。そう、友達だ!!
まだ受かっている報告も受けていない俺とカシルさんは試験終了後一緒に街を歩いていた。
「ここ、パンが美味しいところだよ!!」
「へぇー、そうなんだ〜。いつか行ってみるよ。」
あのパン屋なのか?・・・パン飾ってないし。
まぁ、飾ってないところもあるだろうけど・・・。
「いつかじゃなくて今行かない?」
「ま、まぁいいけど・・・。」
俺は店に入ることにした。
・・・はずなのだが!?なんだコレ?!?!
俺は今、パン屋さんに来ていたはずだ・・・。
なのに?!今俺はメイド服を着させられようとしている!!!
「なんなんですか!?ここ?!私になんてもん来させようとしてるんですか?!」
「絶対に似合うから!大人しく着てーー!!あ、そこの子もうちょっと応援を呼んできて!!」
そうしてこんな事になったのかというと・・・。
まずお店に入って、カシルさんが経営してるってことを聞いて、ちょっと見せたいものがあるって言われてついて行って・・・
イマココなんですけどーーー!?!?
「はい!じゃあここ抑えておいてね!」
カシルさんが満面の笑みで近づいてくる。
「や、やめろーーーー!!!!」
「わー、似合ってる!!やっぱりそうだと思ってたんだー!」
「う、うぅぅ。」
俺はついに着てしまったのだ。人生で着ることのないと思っていた服、メイド服を。
「なんかこれ胸に少し異物感があるんですけど・・・。」
「パッドを詰めてるからね〜。ウミさん顔はいいのにスタイルがね〜。」
「オコルヨ〜。いくら友達でもまだ位置日もたてないんだよ〜?」
「ごめんて。」
「というか、見せたいものってなんだったの?」
「そ、れ、は!このメイド服姿のウミさんで〜す。」
そう言ってカシルさんはかがみを持ってきた。
たしかにかわいいんだけどね〜。
俺の姿は俺が男の時なら見とれていたんだろうなと思うほど、清楚で挑発の似合うメイドだった。
「で、これを見せてくれたのはいいんだけど、この姿でなにかしろとか言わないよね?」
「なんでわかったの?」
少し驚いた顔でカシルさんがそう言ってくる。
「やっぱりそうだと思った早く脱がせてー!!!」
「一回だけだから!一回だけでいいから!!優しくするしお金ももらえるよ!!」
「それ絶対やばいやつだから!!それ私貞操奪われるやつだからぁ!!!!!」
そして・・・・
・・・・そして
・・・・俺は初体験を迎えたのだった。
「いいよー!ウミちゃ〜ん。その体制でもうちょっと!!!」
「ウミちゃんこっちも早く!!」
「ウミちゃんいくよ!!!」
パシャッ!
「ありがとね。めっちゃ儲かりました〜!!」
「も〜、ほんと恥ずかしかったんだからね!」
「はいはい、反省してます。はい!お給料。」
そう言われ、わたしはお金が入った袋をもらった。
少し見てみると、日本円で100万くらいはありそうだった。
な、なんかすごい・・・。
「いろんなポーズをお願いされて大変だったよ〜。」
「私の家はそういうもので成り上がった家だからね〜、もっと激しめのやつもあるんだよ!今度やってみる?」
「やらないわ!もうあんなこと絶対に嫌だからね!」
「わかったよ〜。」
内申撮影中は可愛いと言われていい気はしなくもなかったんだけどね・・・
いやいや!何考えてんだよ俺!
しっかりしろ!
おじさんがカメラを向けて撮っている姿を見てたけど、前世では俺もあんな感じになってたりしなかったよな・・・
そんな一抹の不安を抱えながら俺とカシルさんは帰路を辿る。
「あたしはここ曲がるから、ここでお別れだね。」
「そうなんだ。私はここの街の外にある家だからもうちょっと歩かなきゃ。」
「ウミさんちょっと家遠いんだね。」
夕日がカシルさんを黒く染めていく。
「なんだか一瞬で一日が終わったよ~。」
「その~、ね?もし・・・いや、やっぱ何でもない!」
「そう?まぁ今日はありがと!!めっちゃ楽しかった!」
「そうだね・・・。私も楽しかった。」
「じゃあ、そろそろだね。」
「う、うん。」
そう言って振り返ったカシルさんの背中はなんだか寂しそうに見えた。
俺は少し考えて、
「カシルさ――ん!!!」
「え?!な、なに?!」
ちょっと大声たか?いや、まぁいい。
「また、一緒に遊びましょうーー!!!」
////////////
その瞬間カシルさんが少し泣きそうな、嬉しそうな顔をしてこう言う。
「はい・・・。」
「ま、受かった後だけどね!」
「ちょっと、それずるい~。」
「もういけそ?」
俺がそう言いいながらカシルさんを見ると、さっきの面影はもうなく満面の笑みでこう応えた。
「なんのことかわからないな~。」
「ならいいんだけどね~。」
「じゃあ、わたし帰るね!」
そう言って踵を返したカシルさんの背中は、さっきより少しだけ軽く見えた気がした。
夕日が完全に黒く染まりきる前に俺とカシルさんはそれぞれの帰り道についた。
追記
レミア・アルハイデス・・・名前の通り領主の娘。次期当主になる予定ではあるらしい。
カシル・オーベルグ・・・書きにくいがどこかの令嬢らしい。異世界でできた初めての友達!
海人日記より
――—――—――—――—――—――—――—――—――—――—――—――—――—――—――—
読んでいただきありがとうございました!!
面白かったら高評価等いただけると次作の励みになります!!!




